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公開番号2024117641
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-29
出願番号2023023848
出願日2023-02-17
発明の名称自動点眼装置および点眼方法
出願人国立大学法人豊橋技術科学大学,国立大学法人東北大学
代理人
主分類A61M 11/00 20060101AFI20240822BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】患者が座位または立位の姿勢で的確な点眼を迅速に行うことができる自動点眼装置および点眼方法を提供すること
【解決手段】本発明に係る自動点眼装置は、滴下可能な状態で設置される点眼液容器と、点眼液容器に対し所定の圧力を与えて滴下させるためのアクチュエーターと、液滴の落下方向に対し任意の方向に向かって所定の風速で送風し、気流によって液滴を所定の方向へ誘導する送風手段と、患者の眼の映像または画像を取得する撮影手段と、取得映像または画像を参照しつつアクチュエーターを作動するための処理手段とを備え、前記の処理手段は、液滴の滴下開始から患者の眼に到達するまでの時間を算出し、取得映像または画像に基づき患者が瞬きするときの眼の開閉動作の時間的間隔を演算し、該開閉動作のうち患者の眼が開いている時間の範囲内に液滴が眼に到達するタイミングでアクチュエーターを作動させるものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
容器から滴下される液状点眼薬の液滴を自動で点眼する装置であって、
液状の点眼薬を滴下可能な状態で設置される容器と、
前記容器に対して所定の圧力を付与して該容器から液滴を滴下させるためのアクチュエーターと、
前記液滴の落下方向に対し任意の方向に向かって所定の風速で送風し、該送風による気流によって前記液滴を所定の方向へ誘導する送風手段と、
点眼対象となるべき患者の眼の映像または画像を取得する撮影手段と、
前記撮影手段によって取得する映像または画像を参照しつつ前記アクチュエーターを作動するための処理手段とを備え、
前記処理手段は、前記液滴の進行方向が前記送風手段によって誘導されるとき、滴下開始から患者の眼に到達するまでの時間を算出し、前記撮影手段により取得される映像または画像に基づき点眼対象となる患者が瞬きするときの眼の開閉動作の時間的間隔を演算し、該開閉動作のうち該患者の眼が開いている時間の範囲内に液滴が眼に到達するタイミングでアクチュエーターを作動させるものである
ことを特徴とする自動点眼装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記送風手段は、略水平方向に向かって送風させるものであり、前記容器から鉛直方向に自然落下する液滴を略水平方向に誘導するものである
ことを特徴とする請求項1に記載の自動点眼装置。
【請求項3】
さらに、少なくとも前記容器、前記アクチュエーターおよび前記送風手段を搭載するステージと、該ステージを移動するための移動手段と、前記ステージに搭載され、前記液滴が前記送風手段によって誘導される方向へ向きを変える位置から患者の顔面または眼までの略水平方向に直線的な距離を測定する距離計とを備え、
前記処理手段は、前記送風手段によって方向が変更される前記液滴を患者の眼に到達可能な位置に前記ステージを移動させるように、前記移動手段の移動量を制御するものである
ことを特徴とする請求項2に記載の自動点眼装置。
【請求項4】
前記処理手段は、前記距離計により計測される距離が100mm~300mmの範囲内となるように前記ステージを移動させるように、前記移動手段の移動量を制御するものである
ことを特徴とする請求項3に記載の自動点眼装置。
【請求項5】
さらに、請求項3に記載のステージには、前記容器から前記送風手段まで到達する前記液滴の滴下の有無を検出する液滴検出手段が設置されており、
前記処理手段は、前記液滴検出手段により液滴の滴下を検出した場合にのみ前記送風手段を作動させるように制御するものである
ことを特徴とする請求項4に記載の自動点眼装置。
【請求項6】
前記送風手段の送風により発生する気流が通過する領域と、所定の方向へ誘導された前記液滴が移動する領域とが区分されて構成されている
ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の自動点眼装置。
【請求項7】
前記送風手段の送風により発生する気流が通過する領域における該気流の下流側には、該気流を吸収する風排出手段が設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の自動点眼装置。
【請求項8】
所定の位置に座位または立位とする状態において正面を直視させた姿勢を維持する点眼対象の患者に対して、請求項1~7のいずれかに記載の自動点眼装置を使用する点眼方法であって、
前記自動点眼装置は、予め前記患者の顔面側に設置されるものであり、
前記患者が瞬きするときの開閉動作の時間的間隔の演算結果に基づき、該患者の眼が開いた状態において液滴を眼に到達できる時間的タイミングによりアクチュエーターを作動させ、容器から落下する液滴を前記患者の顔面側から該患者の眼に向かって誘導させる
ことを特徴とする点眼方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の位置に座位または立位とする状態において、点眼対象となる患者に対し液滴の点眼を迅速に行うことができる自動点眼装置および点眼方法に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
点眼補助具には、例えば特許文献1に記載されたものがある。これは点眼容器を患者の顔面に相対して同じ位置に保持するための補助具である。また特許文献2には、薬液投与部から適量の薬液を眼に向かって的確に射出する、使用者が簡易に扱える点眼装置が開示されている。さらに、非特許文献1には、点眼瓶と一体化させ点眼液の点眼を容易とする補助具が掲示されている。
その他の点眼に関連する技術には、非特許文献2のように眼科手術中に生理食塩水を適宜、滴下する自動装置がある。非特許文献3では、目薬を自動滴下するロボットが掲示されている。
【0003】
このように、地表に対し鉛直方向に滴下する、従来の補助具や装置では、患者の頭部を傾け顔面を鉛直方向に上向きにする姿勢を維持するか、仰向けに寝そべった姿勢で顔面を上向きに固定する必要がある。
【0004】
一方、ノズルから点眼液を噴霧する点眼装置では、噴霧による液量は明確であるが、所要の点眼液が実際に眼に届いた液量が分かりにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-061623号公報
特許第6281966号
【非特許文献】
【0006】
「らくらく点眼」インターネットページ(アドレスhttps://www.kawamoto-sangyo.co.jp/products/2442/)
眼科手術用自動点眼装置 インターネット(PDFファイルhttps://inami.co.jp/files/topics/1546_ext_02_0.pdf)
「自動目薬差しロボ」インターネットページ(アドレスhttps://www.itmedia.co.jp/news/articles/1711/29/news109.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
先行技術のように、患者は座位または立位の姿勢のままでは点眼が困難であり、患者は仰向けの姿勢または顔面を上向きに保持する姿勢をとる必要がある。さらに、多くの場合、患者は点眼液を確実に眼に落下するように動作の慣れが必要であった。
【0008】
一方、点眼を自動で行う点眼装置であっても、噴霧ノズルと眼の位置合わせが必要であった。座位または立位の姿勢でも一定の位置合わせを行えるように設計された装置があるが、患者自身に噴霧ノズルと眼の位置合わせが的確な状態か分かりづらく、以て眼に届いた霧状となった点眼液の量が分かりにくかった。治療者等にも患者が適切な点眼の実施を行えているか確認しにくいという課題があった。
【0009】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、患者が経験を必要とするような操作を行わずに自動で的確な液滴の点眼を迅速に行うことができる自動点眼装置および点眼方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る第一の自動点眼装置は、容器から滴下される液状点眼薬の液滴を自動で点眼する装置であって、
液状の点眼薬を滴下可能な状態で設置される容器と、
前記容器に対して所定の圧力を付与して該容器から液滴を滴下させるためのアクチュエーターと、
前記液滴の落下方向に対し任意の方向に向かって所定の風速で送風し、該送風による気流によって前記液滴を所定の方向へ誘導する送風手段と、
点眼対象となるべき患者の眼の映像または画像を取得する撮影手段と、
前記撮影手段によって取得する映像または画像を参照しつつ前記アクチュエーターを作動するための処理手段とを備え、
前記処理手段は、前記液滴の進行方向が前記送風手段によって誘導されるとき、滴下開始から患者の眼に到達するまでの時間を算出し、前記撮影手段により取得される映像または画像に基づき点眼対象となる患者が瞬きするときの眼の開閉動作の時間的間隔を演算し、該開閉動作のうち該患者の眼が開いている時間の範囲内に液滴が眼に到達するタイミングでアクチュエーターを作動させるものである
ことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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