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公開番号2024115927
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-27
出願番号2023021839
出願日2023-02-15
発明の名称顎関節評価装置および顎関節評価方法
出願人株式会社NTTドコモ,国立大学法人東北大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61B 5/11 20060101AFI20240820BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】対象者の口の開閉を表す画像データから新たな特徴量を求め、得られた特徴量に基づいて、顎関節の状態を簡易に且つ精度良く評価する。
【解決手段】顎関節評価装置10は、対象者の口の開閉を表す画像データを取得する取得部11と、取得部11により取得された画像データから、対象者の開口時の左右対称性を表す特徴量、対象者の最大開口時の縦横比を表す特徴量、および対象者の閉口動作のスムーズさを表す特徴量、のうち1つ以上を算出する算出部12と、算出部12により算出された特徴量に基づいて、対象者の顎関節の状態を評価する評価部13と、を備える。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
対象者の口の開閉を表す画像データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記画像データから、前記対象者の開口時の左右対称性を表す特徴量、前記対象者の最大開口時の縦横比を表す特徴量、および、前記対象者の閉口動作のスムーズさを表す特徴量、のうち1つ以上を算出する算出部と、
前記算出部により算出された特徴量に基づいて、前記対象者の顎関節の状態を評価する評価部と、
を備える顎関節評価装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記算出部は、前記画像データから、前記対象者の口の開閉動作中の左右へのずれを表す特徴量をさらに算出する、請求項1に記載の顎関節評価装置。
【請求項3】
前記対象者の開口時の左右対称性を表す特徴量として、前記対象者の上唇の2点と下唇の2点とを、交差するように結んだ2つの対角線の長さの比に基づき算出される値、が用いられる、請求項1に記載の顎関節評価装置。
【請求項4】
前記対象者の最大開口時の縦横比を表す特徴量として、開口時の口唇の上端部と下端部間の直線距離と、開口時の口唇の左端部と右端部間の直線距離と、の比に基づき算出される値が用いられる、請求項1に記載の顎関節評価装置。
【請求項5】
前記対象者の最大開口時の縦横比を表す特徴量として、開口時の口唇の上端部と下端部間の高さ方向に沿った距離と、開口時の口唇の左端部と右端部間の水平方向に沿った距離と、の比に基づき算出される値が用いられる、請求項1に記載の顎関節評価装置。
【請求項6】
前記対象者の閉口動作のスムーズさを表す特徴量として、閉口動作中の開口度合いの時系列的変化に基づき得られる値が用いられる、請求項1に記載の顎関節評価装置。
【請求項7】
前記対象者の口の開閉動作中の左右へのずれを表す特徴量として、開口方向の中心線に対する、開口時の下唇中心点の軌跡の、左右方向に沿った距離の最大値が用いられる、請求項2に記載の顎関節評価装置。
【請求項8】
前記評価部による評価結果として、
顎関節に関する疾患を罹患している可能性を含む評価情報、および、前記対象者の顔における前記疾患を罹患している可能性の有る箇所を示す画像情報、を出力する出力部、
をさらに備える、請求項1に記載の顎関節評価装置。
【請求項9】
前記評価部は、
前記算出部により算出された特徴量を説明変数とし、前記対象者の顎関節の状態の評価結果を目的変数として機械学習を行うことで、前記対象者の顎関節の状態を評価するための学習モデルを生成するモデル生成部と、
前記モデル生成部により生成された学習モデルに、新たな対象者の画像データから算出された特徴量を入力することで、前記学習モデルから出力される前記新たな対象者の顎関節の状態の評価結果を取得する評価結果取得部と、
を含む、請求項1に記載の顎関節評価装置。
【請求項10】
顎関節評価装置によって実行される顎関節評価方法であって、
対象者の口の開閉を表す画像データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記画像データから、前記対象者の開口時の左右対称性を表す特徴量、前記対象者の最大開口時の縦横比を表す特徴量、および、前記対象者の閉口動作のスムーズさを表す特徴量、のうち1つ以上を算出する算出ステップと、
前記算出ステップにおいて算出された特徴量に基づいて、前記対象者の顎関節の状態を評価する評価ステップと、
を備える顎関節評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、対象者の顎関節の状態を評価する顎関節評価装置および顎関節評価方法に関する。なお、本明細書における「画像」には、静止画像および動画像が含まれるものとする。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、顎関節症などは、医師が患者の身体を触診することで検知することが一般的であったが、近年では、患者自身で行うセルフチェックやリモートでの診断支援、診療への世間の関心が高まっており、そのため、医師による触診をせずとも、簡易に且つ精度良く顎関節症を罹患している可能性が把握できる技術が待望されている。これに関連し、対象者の口の開閉動作の画像データから対象者の顎関節の状態(顎の動き)を評価する技術が下記の特許文献1および2に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第7090245号公報
特開2010-142285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および2は、具体的には、口の開閉動作の画像データから左右の咀嚼回数、開口時の左右へのずれ幅といった特徴量を求め、得られた特徴量に基づいて顎関節の状態を評価する技術を開示している。しかしながら、実際には、上記のような特徴量だけでは検知することが困難な顎関節の疾患も存在する。
【0005】
以上を踏まえ、本開示は、対象者の口の開閉を表す画像データから新たな特徴量を求め、得られた特徴量に基づいて、顎関節の状態を簡易に且つ精度良く評価することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る顎関節評価装置は、対象者の口の開閉を表す画像データを取得する取得部と、前記取得部により取得された前記画像データから、前記対象者の開口時の左右対称性を表す特徴量、前記対象者の最大開口時の縦横比を表す特徴量、および、前記対象者の閉口動作のスムーズさを表す特徴量、のうち1つ以上を算出する算出部と、前記算出部により算出された特徴量に基づいて、前記対象者の顎関節の状態を評価する評価部と、を備える。
【0007】
本開示に係る顎関節評価装置では、取得部が、対象者の口の開閉を表す画像データを取得する。ここで取得される画像データは、例えば、対象者の口の開閉動作を所定時間継続して撮像することで得られた動画像データ、対象者の最大開口状態を撮像することで得られた静止画像データなどを広く含む。そして、算出部が、取得された画像データから、対象者の開口時の左右対称性を表す特徴量、対象者の最大開口時の縦横比を表す特徴量、および、対象者の閉口動作のスムーズさを表す特徴量、のうち1つ以上を算出し、評価部が、算出された特徴量に基づいて、対象者の顎関節の状態を評価する。このように、上記の顎関節評価装置は、新たな特徴量として、対象者の開口時の左右対称性を表す特徴量、対象者の最大開口時の縦横比を表す特徴量、および、対象者の閉口動作のスムーズさを表す特徴量、のうち1つ以上を上記画像データから算出し、算出された特徴量に基づいて、対象者の顎関節の状態を評価する。そのため、上記のような新たな特徴量に基づいて、顎関節の状態を簡易に且つ精度良く評価することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、対象者の口の開閉を表す画像データから新たな特徴量を求め、得られた特徴量に基づいて、顎関節の状態を簡易に且つ精度良く評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
発明の実施形態に係る顎関節評価装置および周辺装置の機能ブロック構成を示す図である。
(a)は学習モデル生成時の処理を示すフロー図であり、(b)は学習モデル生成後の処理を示すフロー図である。
特徴量の算出処理を示すフロー図である。
(a)は動画像データからの特徴点抽出を説明するための図であり、(b)は動画像データから取得された時系列的な開口度合いの変化を示すグラフであり、(c)は切り分け処理を説明するための図である。
開口時の左右対称性を表す第1特徴量の算出方法を説明するための図である。
(a)は最大開口時の縦横比を表す第2特徴量の算出方法を説明するための図であり、(b)は第2特徴量の別の算出方法を説明するための図である。
(a)は閉口動作のスムーズさを表す第3特徴量を説明するための、開口度合いの時系列的な変化を示すグラフであり、(b)は開口度合いを時間で微分して得られた値の時系列的な変化を示すグラフである。
閉口速度の大きさに応じて長さが変化するベクトルを口唇の上に表示させた画像の時系列的な変化を示す図である。
(a)は顎関節症を罹患している可能性の有る者による口の開口時のジグザグ動作を示す図であり、(b)は健全な口の開口動作を示す図である。
評価情報および画像情報を含む評価結果の出力例を示す図である。
第1~第4特徴量に係る可視化の出力例(画像サンプル)を示す図である。
(a)は図1の構成の第1変形例を示す図であり、(b)は図1の構成の第2変形例を示す図である。
顎関節評価装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る顎関節評価装置および顎関節評価方法の実施形態を説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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