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公開番号2024113762
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-23
出願番号2023018917
出願日2023-02-10
発明の名称金属含有皮膜を有する炭素繊維強化プラスチック成形体
出願人国立大学法人東北大学,東レ株式会社
代理人個人,個人
主分類B32B 27/00 20060101AFI20240816BHJP(積層体)
要約【課題】最適な混合比率で金属粒子とPAEK粉末を混合し、炭素繊維強化プラスチック複合材料の上に混合粉末を特定圧力の圧縮ガスと共に投射し、緻密で強固に密着した金属含有皮膜が形成された成形体、とくにその金属含有皮膜により高熱伝導性を発現可能な成形体を提供する。
【解決手段】炭素繊維強化プラスチックの表面の少なくとも一部に、ポリアリーレンエーテルケトン(PAEK)樹脂を0重量%を超えて2重量%以下含む金属粒子が固相状態のまま1MPa以下の圧縮ガスと共に投射されることにより、熱伝導率が20.0W/Km以上の、前記金属粒子の金属およびPAEK樹脂から成る皮膜が形成されている成形体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
炭素繊維強化プラスチックの表面の少なくとも一部に、ポリアリーレンエーテルケトン(PAEK)樹脂を0重量%を超えて2重量%以下含む金属粒子が固相状態のまま1MPa以下の圧縮ガスと共に投射されることにより、熱伝導率が20.0W/Km以上の、前記金属粒子の金属およびPAEK樹脂から成る皮膜が形成されていることを特徴とする成形体。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記投射がコールドスプレー法により行われている、請求項1に記載の成形体。
【請求項3】
前記圧縮ガスの温度が300℃以上460℃以下である、請求項1に記載の成形体。
【請求項4】
前記皮膜の電気抵抗率が2.0mΩ・cm以下である、請求項1に記載の成形体。
【請求項5】
前記皮膜の引張強度が10MPa以上である、請求項1に記載の成形体。
【請求項6】
前記金属粒子が球状である、請求項1に記載の成形体。
【請求項7】
前記金属粒子の粒径が0.1μm以上、10μm未満である、請求項6に記載の成形体。
【請求項8】
前記金属粒子がCu、Alから選ばれる少なくとも1つからなる、請求項1に記載の成形体。
【請求項9】
前記皮膜と炭素繊維強化プラスチックが酸素原子または炭素原子を介して結合している、請求項1に記載の成形体。
【請求項10】
前記炭素繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂が熱硬化性樹脂を含む、請求項1に記載の成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属含有皮膜を有する炭素繊維強化プラスチック成形体に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの複合材料は軽量で高強度であるため、航空機、自動車、船舶等の構造部材として広く用いられている。このような炭素繊維強化プラスチックは、熱伝導性の低い樹脂をマトリックスとして含んでいるため、例えばスマートフォン、タブレット、携帯型パソコンなどの情報端末機器にてバッテリー、回路基板等が搭載される筐体、筐体ケース、筐体等に一体的に取付けられる筐体表面材、天板等として用いる場合、放熱性を持たせるために表面に高い熱伝導性を付与する必要がある。複合材料の表面に高い熱伝導性を付与する方法としては、複合材料の成形と同時に銅箔を加熱接着成形することにより、複合材料表面に銅箔を露出させる手法が知られている(例えば、特許文献1)が、複合材料の表面に銅箔を同時加熱接着成形する上記の方法は、熱膨張係数の大きく異なる樹脂と銅箔とを貼り合せることから、密着性に劣る問題があった。
【0003】
そこで、複合材料の表面の熱伝導率を向上するために、コールドスプレー法により金属粒子を複合材料上に直接噴射して金属皮膜を形成する手法が知られている(例えば、特許文献2および特許文献3)。
【0004】
他方、CFRPへの金属皮膜の密着性を向上させる試みとして、非特許文献1ではCu粒子にPEEKを混合してコールドスプレーする検討が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-175511号公報
特開2010-47825号公報
WO2022-190736号公報
【非特許文献】
【0006】
V. Bortolussi, F. Borit, A. Chesnaud, M. Jeandin, Evry /F, M. Faessel, B. Figliuzzi, F. Willot, Fontainebleau /F,K. Roche, G. Surdon, Argenteuil /F:Cold spray of metal-polymer composit e coatings ontocarbon fiber-reinforced polymer (CFRP) Interna tional Thermal Spray Conference 2016 (ITSC 2016), DVS, May 20 16, Shanghai, China. 7 p. hal-01337696
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2には非球状の異形粒子を複合材料にコールドスプレーする方法が、特許文献3には0.1μm以上、10μm未満の粒径の金属粒子を複合材料にコールドスプレーする方法について記載されているが、これらの文献に示されるコールドスプレーで金属皮膜を形成する方法においては、金属皮膜と複合材料との密着力を十分に高めることができないおそれがあり、例えば構造物や熱疲労を受けやすい情報端末機器に適用される際には、金属皮膜に十分な強度が発現しないおそれがあるという課題があった。
【0008】
非特許文献1では、CFRPへの金属皮膜の密着性を向上させる試みとして、Cu粒子にPEEKを混合してコールドスプレーする検討が行われているが、この非特許文献1では10μm以上と比較的大きなサイズの球形Cu粒子とPEEK粉末を混合し、圧力が1MPa以上の高圧のコールドスプレー装置によりCFRPへ混合粉末を投射しているため、基材としてのCFRP表面が損傷したり、一旦成膜された金属含有皮膜が部分的にはがれてしまうといった課題があった。また、金属粒子とPEEK粉末を混合する際に、PEEK粉末の混合割合を増やす程、熱伝導率が低下するという課題があった。
【0009】
そこで本発明の課題は、このような従来技術の背景に鑑み、最適な混合比率で金属粒子とPAEK粉末を混合し、炭素繊維強化プラスチック複合材料の上に混合粉末を特定圧力の圧縮ガスと共に投射し、緻密で強固に密着した金属含有皮膜が形成された成形体、とくにその金属含有皮膜により高熱伝導性を発現可能な成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、主として、以下の構成を有する。
[1] 炭素繊維強化プラスチックの表面の少なくとも一部に、ポリアリーレンエーテルケトン(PAEK)樹脂を0重量%を超えて2重量%以下含む金属粒子が固相状態のまま1MPa以下の圧縮ガスと共に投射されることにより、熱伝導率が20.0W/Km以上の、前記金属粒子の金属およびPAEK樹脂から成る皮膜が形成されていることを特徴とする成形体。
[2]前記投射がコールドスプレー法により行われている、 [1]に記載の成形体。
[3]前記圧縮ガスの温度が300℃以上460℃以下である、 [1]に記載の成形体。
[4]前記皮膜の電気抵抗率が2.0mΩ・cm以下である、 [1]に記載の成形体。
[5]前記皮膜の引張強度が10MPa以上である、 [1]に記載の成形体。
[6]前記金属粒子が球状である、[1]に記載の成形体。
[7]前記金属粒子の粒径が0.1μm以上、10μm未満である、[6]に記載の成形体。
[8]前記金属粒子がCu、Alから選ばれる少なくとも1つからなる、[1]に記載の成形体。
[9]前記皮膜と炭素繊維強化プラスチックが酸素原子または炭素原子を介して結合している、[1]に記載の成形体。
[10]前記炭素繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂が熱硬化性樹脂を含む、[1]に記載の成形体。
[11]前記炭素繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂が熱可塑性樹脂を含む、[1]に記載の成形体。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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