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公開番号2024133104
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2024109874,2022540173
出願日2024-07-08,2021-07-15
発明の名称ポリビニルアルコール系重合体
出願人デンカ株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C04B 24/26 20060101AFI20240920BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】耐高温溶解性が良好なPVAを提供すること。
【解決手段】ビニルエステル単量体からなる単独重合体、ビニルエステル単量体とビニルエステル以外の単官能性単量体との共重合体、ビニルエステル単量体と多官能性単量体との共重合体、又はビニルエステル単量体とビニルエステル以外の単官能性単量体と多官能性単量体との共重合体の、鹸化によって得られるポリビニルアルコール系重合体であって、ポリビニルアルコール系重合体の0.4質量%水溶液の、温度25℃での動的光散乱測定による粒度分布の累積頻度50%の粒子径が、50nm以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ビニルエステル単量体からなる単独重合体、ビニルエステル単量体とビニルエステル以外の単官能性単量体との共重合体、ビニルエステル単量体と多官能性単量体との共重合体、又はビニルエステル単量体とビニルエステル以外の単官能性単量体と多官能性単量体との共重合体の、鹸化によって得られるポリビニルアルコール系重合体であって、
ポリビニルアルコール系重合体の0.4質量%水溶液の、温度25℃での動的光散乱測定による粒度分布の累積頻度50%の粒子径が、50nm以上である
ことを特徴とするポリビニルアルコール系重合体。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記ポリビニルアルコール系重合体の0.4質量%水溶液の、温度25℃での動的光散乱測定による粒度分布の平均粒子径が、60nm以上である、請求項1に記載のポリビニルアルコール系重合体。
【請求項3】
前記ポリビニルアルコール系重合体の1.0質量%水溶液の300mesh(目開き0.045mm)のフィルター通過率が、固形分換算で95質量%以上である、請求項1又は2に記載のポリビニルアルコール系重合体。
【請求項4】
前記ポリビニルアルコール系重合体の1.0質量%水溶液の孔径0.45μmのメンブレンフィルター通過率が、固形分換算で10質量%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリビニルアルコール系重合体。
【請求項5】
前記ポリビニルアルコール系重合体の、JIS K 6726:1994に記載の方法で測定した平均重合度が2500~6000である、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリビニルアルコール系重合体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のポリビニルアルコール系重合体を含む油井セメント用添加剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリビニルアルコール系重合体及びその用途に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ポリビニルアルコール(PVA)骨格を有する重合体(以下、本明細書ではこれらをまとめて「ポリビニルアルコール系重合体」、「ビニルアルコール系重合体」、又は単に「PVA」とも称する)は、親水性を有する合成樹脂として知られており、その特性を生かしたさまざまな用途が開発され続けている。
【0003】
そうした用途のひとつとして、油井、ガス井、地熱発電用の蒸気井などのセメンチングの際に使用される油井セメントへの添加剤が挙げられる。油井セメントは、水やその他の添加剤と混合され、スラリー状として、鋼管(ケーシング)を固定、保護するために鋼管と坑井の隙間へ充填される。そのため、セメントスラリーは充填しやすいように流動性が高いことが好ましい。ここで注入時の高圧及び地中の熱によりセメントスラリーから含有水分が失われることを一般的に「フルイド・ロス」という。フルイド・ロスによってセメントスラリーの流動性が低下し、セメンチング不良及びセメントの硬化後の硬化不良が生じる。そのためセメントスラリーには通常フルイド・ロス低減剤が添加される。
【0004】
こうしたフルイド・ロス低減剤には、ポリビニルアルコール系重合体を主成分として使うことが提案されており、例えば特許文献1及び2には、フルイド・ロス低減剤に用いられるPVAについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2007/146348号
特開2015-196733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、特にシェールガス坑井は、より深く採掘されるようになってきていることから、圧力及び温度の条件がより厳しくなってきている。しかしながら、従来のPVA含有フルイド・ロス低減剤では、そうした高温高圧の厳しい条件下で注入するセメントスラリーに求められるフルイド・ロス低減性能を実現するまでには至っていない。具体的には、PVA系のフルイド・ロス低減剤は高温では溶解し、さらに高圧条件下だと坑井へ溶出してしまい、結果としてフルイド・ロス低減効果が低下する。そのためPVA系のフルイド・ロス低減剤は高温での耐溶解性が求められている。現状では従来のフルイド・ロス低減剤の添加量を増加する等で対応しているが、増量することでセメントスラリーが増粘してしまうことによる流動性低下及びコストアップをもたらすという問題が解決できていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では下記を提供できる。
【0008】
ビニルエステル単量体からなる単独重合体、ビニルエステル単量体とビニルエステル以外の単官能性単量体との共重合体、ビニルエステル単量体と多官能性単量体との共重合体、又はビニルエステル単量体とビニルエステル以外の単官能性単量体と多官能性単量体との共重合体の、鹸化によって得られるポリビニルアルコール系重合体であって、
ポリビニルアルコール系重合体の0.4質量%水溶液の、温度25℃での動的光散乱測定による粒度分布の累積頻度50%の粒子径が、50nm以上である
ことを特徴とするポリビニルアルコール系重合体。
【0009】
また或る態様では、当該動的光散乱測定から求められる平均粒子径(メジアン径)が60nm以上であることが好ましい。また或る態様では、当該ビニルアルコール系重合体の1.0質量%水溶液の300mesh(目開き0.045mm)のフィルター通過率が、固形分換算で95質量%以上であることが好ましい。また或る態様では、当該ビニルアルコール系重合体の1.0質量%水溶液の孔径0.45μmのメンブレンフィルター通過率が、固形分換算で10質量%以下であることが好ましい。また或る態様では、当該ビニルアルコール系重合体の、JIS K 6726:1994に記載の方法で測定した平均重合度が2500~6000であることが好ましい。また或る態様では、ポリビニルアルコール系重合体を含んだ油井セメント用添加剤も提供できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るポリビニルアルコール系重合体は、厳しい高温又は高圧の環境下においても、優れたフルイド・ロス低減効果を呈する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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