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公開番号2024129351
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038497
出願日2023-03-13
発明の名称蛍光体粉末の製造方法
出願人デンカ株式会社
代理人個人
主分類C09K 11/64 20060101AFI20240919BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】発光特性に優れた蛍光体粉末の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の蛍光体粉末の製造方法は、蛍光体を含む蛍光体粉末の製造方法であって、原料粉末を混合して原料混合粉末を得る混合工程と、得られた原料混合粉末を焼成する焼成工程と、を含み、蛍光体が、(i)主結晶相がCaAlSiN3と同一の結晶構造を有し、一般式(Ca1-x-ySrxEuy)AlSiN3で表される蛍光体(ただし、0≦x<1、0<y<1、1-x-y>0)、(ii)α型サイアロン蛍光体、および(iii)β型サイアロン蛍光体からなる群から選ばれるいずれかを含み、混合工程中の原料混合粉末が、Alを含む原料粉末として、金属アルミニウムを含むものである。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
蛍光体を含む蛍光体粉末の製造方法であって、
原料粉末を混合して原料混合粉末を得る混合工程と、
得られた前記原料混合粉末を焼成する焼成工程と、を含み、
前記蛍光体が、
主結晶相がCaAlSiN

と同一の結晶構造を有し、一般式(Ca
1-x-y
Sr

Eu

)AlSiN

で表される蛍光体(ただし、0≦x<1、0<y<1、1-x-y>0)、
α型サイアロン蛍光体、および
β型サイアロン蛍光体からなる群から選ばれるいずれかを含み、
前記混合工程中の前記原料混合粉末が、Alを含む原料粉末として、金属アルミニウムを含む、
蛍光体粉末の製造方法。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記混合工程中の前記原料混合粉末において、前記金属アルミニウムの含有量が、前記Alを含む原料粉末100質量%に対して、50質量%以上100質量%以下である、蛍光体粉末の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記焼成工程における焼成を、10MPa・G以下の不活性ガス雰囲気下で行う、蛍光体粉末の製造方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記焼成工程における焼成を、1500℃以上で、0.5時間以上30時間行う、蛍光体粉末の製造方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記焼成工程における焼成を、2100℃以下で、0.5時間以上30時間行う、蛍光体粉末の製造方法。
【請求項6】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
得られる蛍光体粉末のメジアン径が5μm以下である、蛍光体粉末の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光体粉末の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
白色LEDを製造するため、青色LEDチップからの青色光を赤色光に変換する赤色蛍光体が研究されている。赤色蛍光体としては、カズン(CASN)蛍光体及びエスカズン(SCASN)蛍光体などのCASN系蛍光体が知られている(例えば、特許文献1等)。これらのCASN系蛍光体は、一般に、ユウロピウム酸化物又はユウロピウム窒化物と、カルシウム窒化物、ケイ素窒化物、及びアルミニウム窒化物と、を含む原料粉末を加熱することによって合成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公報第2005/052087号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載のSCASN蛍光体の製造方法において、蛍光体粉末の発光特性の点で改善の余地があることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者はさらに検討したところ、金属アルミニウムを含む原料粉末を焼成することにより、シート状に成形した蛍光体粉末における全光束を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の一態様によれば、以下の蛍光体粉末の製造方法が提供される。
1. 蛍光体を含む蛍光体粉末の製造方法であって、
原料粉末を混合して原料混合粉末を得る混合工程と、
得られた前記原料混合粉末を焼成する焼成工程と、を含み、
前記蛍光体が、
主結晶相がCaAlSiN

と同一の結晶構造を有し、一般式(Ca
1-x-y
Sr

Eu

)AlSiN

で表される蛍光体(ただし、0≦x<1、0<y<1、1-x-y>0)、
α型サイアロン蛍光体、および
β型サイアロン蛍光体からなる群から選ばれるいずれかを含み、
前記混合工程中の前記原料混合粉末が、Alを含む原料粉末として、金属アルミニウムを含む、
蛍光体粉末の製造方法。
2. 1.に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記混合工程中の前記原料混合粉末において、前記金属アルミニウムの含有量が、前記Alを含む原料粉末100質量%に対して、50質量%以上100質量%以下である、蛍光体粉末の製造方法。
3. 1.または2.に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記焼成工程における焼成を、10MPa・G以下の不活性ガス雰囲気下で行う、蛍光体粉末の製造方法。
4. 1.~3.のいずれか一つに記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記焼成工程における焼成を、1500℃以上で、0.5時間以上30時間行う、蛍光体粉末の製造方法。
5. 1.~4.のいずれか一つに記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記焼成工程における焼成を、2100℃以下で、0.5時間以上30時間行う、蛍光体粉末の製造方法。
6. 1.~5.のいずれか一つに記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
得られる蛍光体粉末のメジアン径が5μm以下である、蛍光体粉末の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、発光特性に優れた蛍光体粉末の製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態の蛍光体粉末の製造方法の概要を説明する。
【0009】
本実施形態の蛍光体を含む蛍光体粉末の製造方法は、原料粉末を混合して原料混合粉末を得る混合工程と、得られた原料混合粉末を焼成する焼成工程と、を含み、混合工程中の原料混合粉末が、Alを含む原料粉末として、金属アルミニウムを含むものである。
かかる蛍光体粉末の製造方法により得られる蛍光体には、
(i)主結晶相がCaAlSiN

と同一の結晶構造を有し、一般式(Ca
1-x-y
Sr

Eu

)AlSiN

で表される蛍光体(ただし、0≦x<1、0<y<1、1-x-y>0)、
(ii)α型サイアロン蛍光体、および
(iii)β型サイアロン蛍光体からなる群から選ばれるいずれかが含まれる。
【0010】
本発明者の知見よれば、金属アルミニウムを含む原料粉末を焼成することにより、得られた蛍光体粉末を樹脂と混合してシート状に成形したときにおける全光束を向上できることが判明した。
詳細なメカニズムは定かではないが、反応性が高い金属アルミニウムを使用することにより、結晶性が高くなり、シート時の全光束が向上するものと推察される。
(【0011】以降は省略されています)

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