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10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2024132362
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-01
出願番号
2023043098
出願日
2023-03-17
発明の名称
高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体、樹脂組成物および成形体
出願人
三井化学株式会社
代理人
個人
主分類
C08F
232/00 20060101AFI20240920BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】高強度放射線を照射後の耐衝撃性が向上した環状オレフィン系(共)重合体、並びに、高強度放射線を照射後の耐衝撃性が向上した樹脂組成物および成形体を提供する。
【解決手段】下記[I]、[II]、[III]、[IV]および[V]からなる群より選択される一種または二種以上の重合体を含む高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
[I]炭素原子数が2~20のα-オレフィンから導かれる構成単位(A)と、芳香環を有さない環状オレフィンから導かれる構成単位(B)と、を含むランダム共重合体
[II]前記構成単位(A)と、前記構成単位(B)と、芳香環を有する環状オレフィンから導かれる構成単位(C)と、を含む共重合体
[III]前記芳香環を有さない環状オレフィンおよび前記芳香環を有する環状オレフィンからなる群より選択される一種または二種以上の開環重合体または開環共重合体
[IV]前記開環重合体または開環共重合体[III]の水素化物
[V]前記[I]、前記[II]、前記[III]または前記[IV]の重合体のグラフト変性物
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記[I]、[II]、[III]、[IV]および[V]からなる群より選択される一種または二種以上の重合体を含む、高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
[I]炭素原子数が2~20のα-オレフィンから導かれる構成単位(A)と、芳香環を有さない環状オレフィンから導かれる構成単位(B)と、を含むランダム共重合体
[II]前記構成単位(A)と、前記構成単位(B)と、芳香環を有する環状オレフィンから導かれる構成単位(C)と、を含む共重合体
[III]前記芳香環を有さない環状オレフィンおよび前記芳香環を有する環状オレフィンからなる群より選択される一種または二種以上の開環重合体または開環共重合体
[IV]前記開環重合体または開環共重合体[III]の水素化物
[V]前記[I]、前記[II]、前記[III]または前記[IV]の重合体のグラフト変性物
続きを表示(約 2,700 文字)
【請求項2】
前記芳香環を有さない環状オレフィンが、下記式(B-1)で示される化合物を含む、請求項1に記載の高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
TIFF
2024132362000015.tif
69
153
(上記式(B-1)中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R
1
~R
18
ならびにR
a
およびR
b
は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基であり、R
15
~R
18
は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ、該単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR
15
とR
16
とで、またはR
17
とR
18
とでアルキリデン基を形成していてもよい。ただし、芳香環を含まない。)
【請求項3】
前記芳香環を有さない環状オレフィンが、ビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテン、テトラシクロ[4.4.0.1
2,5
.1
7,10
]-3-ドデセンおよびヘキサシクロ[6,6,1,1
3,6
,1
10,13
,0
2,7
,0
9,14
]ヘプタデセン-4からなる群より選択される一種または二種以上を含む、請求項1または2に記載の高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
【請求項4】
前記芳香環を有する環状オレフィンが、下記式(C-1)で示される化合物、下記式(C-2)で示される化合物、および下記式(C-3)で示される化合物からなる群より選択される一種または二種以上を含む、請求項1~3のいずれかに記載の高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
TIFF
2024132362000016.tif
99
153
(上記式(C-1)中、nおよびqはそれぞれ独立に0、1または2であり、R
1
~R
17
はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子を除くハロゲン原子、またはフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1~20の炭化水素基であり、R
10
~R
17
のうち一つは結合手であり、またq=0のときR
10
とR
11
、R
11
とR
12
、R
12
とR
13
、R
13
とR
14
、R
14
とR
15
、R
15
とR
10
は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、またq=1または2のときR
10
とR
11
、R
11
とR
17
、R
17
とR
17
、R
17
とR
12
、R
12
とR
13
、R
13
とR
14
、R
14
とR
15
、R
15
とR
16
、R
16
とR
16
、R
16
とR
10
は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、また上記単環または上記多環が二重結合を有していてもよく、上記単環または上記多環が芳香族環であってもよい。)
TIFF
2024132362000017.tif
93
153
(上記式(C-2)中、nおよびmはそれぞれ独立に0、1または2であり、qは1、2または3であり、R
18
~R
31
はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子を除くハロゲン原子、またはフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1~20の炭化水素基であり、またq=1のときR
28
とR
29
、R
29
とR
30
、R
30
とR
31
は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、またq=2または3のときR
28
とR
28
、R
28
【請求項5】
前記[I]および前記[II]から選択される少なくとも一種の重合体を含む、請求項1~4のいずれかに記載の高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
【請求項6】
前記[I]の重合体を含む、請求項1~4のいずれかに記載の高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
【請求項7】
前記[I]の重合体中の前記構成単位(A)および前記構成単位(B)の合計含有量を100モル%としたとき、前記[I]の重合体中の前記構成単位(A)の含有量が50モル%を超え、80モル%以下である、請求項6に記載の高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
【請求項8】
前記[II]の重合体を含む、請求項1~4のいずれかに記載の高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
【請求項9】
前記[II]の重合体中の前記構成単位(A)、前記構成単位(B)および前記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、前記[II]の重合体中の前記構成単位(A)の含有量が50モル%を超え、80モル%以下である、請求項8に記載の高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
【請求項10】
前記[II]の重合体中の前記構成単位(A)、前記構成単位(B)および前記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、前記[II]の重合体中の前記構成単位(B)の含有量が0.1モル%以上50モル%未満である、請求項8または9に記載の高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高強度放射線環境下で用いられる環状オレフィン系(共)重合体、樹脂組成物および成形体に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
環状オレフィン系(共)重合体は、透明性、耐薬品性、耐熱性、寸法安定性などの性能が高いため、医療用容器、fθレンズ、ピックアップレンズ等の光学レンズ、スマートフォンやデジタルカメラ等に使用される撮像レンズ、食品用容器など幅広い用途で使用されている。
医療用容器等の成形体を形成する材料として環状オレフィン系(共)重合体を用いることを検討した例としては、例えば特許文献1に記載のものが挙げられる。また、食品用器具や食品用包装材に用いられる環状オレフィン系重合体に関する技術としては、例えば、特許文献2~3に記載のものが挙げられる。
【0003】
特許文献1には、スリップ性が改良され、透明性、表面光沢に優れ、さらに衛生性の優れた環状オレフィン系樹脂組成物およびその成形体を提供することを目的として、特定構造の環状オレフィンから導かれるαーオレフィン・環状オレフィンランダム共重合体(a-1)、環状オレフィンの開環(共)重合体もしくはその水素添加物(a-2)、および(a-1)または(a-2)のグラフト変性物(a-3)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン系樹脂、または該環状オレフィン系樹脂とポリオレフィンからなる樹脂組成物と、前記(a-1)ないし(a-3)よりなる群から選ばれる環状オレフィン系樹脂であって、前記環状オレフィン系樹脂とは異なる化学構造を有する少なくとも1種の環状オレフィン系樹脂とよりなる環状オレフィン系樹脂組成物、並びに該環状オレフィン系樹脂組成物を用いた医療容器、食品容器、包装等に好適な成形体が記載されている。
【0004】
特許文献2には、耐熱性、防湿性および遮光性、即ち光線の遮蔽性に優れるとともに引裂きし易く、包装材として、特に食品用の包装材として好適な樹脂組成物を提供すること並びに、該樹脂組成物を成形して得られる包装材および食品用包装材を提供すること目的として、特定の構造を有する環状オレフィン系重合体および特定のα-オレフィン系重合体を特定量含む樹脂組成物並びに、該樹脂組成物を成形して得られる包装材および食品用包装材が記載されている。
【0005】
特許文献3には、電子線あるいはガンマ線照射による変色が少なく、かつ、耐熱性に優れる成形体を提供することを目的として、環状オレフィン系共重合体(P)および安定剤(S)を含む環状オレフィン系共重合体組成物であって、上記環状オレフィン系共重合体(P)は炭素原子数が2~20のα-オレフィン由来の構成単位(A)と、芳香環を有さない環状オレフィンから導かれる構成単位(B)と、芳香環を有する環状オレフィンから導かれる構成単位(C)と、を有し、上記安定剤(S)がフェノール性水酸基およびリンを有する、環状オレフィン系共重合体組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2001-26693号公報
特開2007-284504号公報
特開2021-054905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、高強度放射線を照射後の耐衝撃性が向上した環状オレフィン系(共)重合体、並びに、高強度放射線を照射後の耐衝撃性が向上した樹脂組成物および成形体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、特定の構造を有する環状オレフィン系(共)重合体に対して100kGyを超えるような高強度の照射を行ったところ、高強度放射線を照射後も優れた耐衝撃性を有することを初めて見出し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明によれば、以下に示す環状オレフィン系(共)重合体、樹脂組成物および成形体が提供される。
【0010】
[1]
下記[I]、[II]、[III]、[IV]および[V]からなる群より選択される一種または二種以上の重合体を含む、高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
[I]炭素原子数が2~20のα-オレフィンから導かれる構成単位(A)と、芳香環を有さない環状オレフィンから導かれる構成単位(B)と、を含むランダム共重合体
[II]前記構成単位(A)と、前記構成単位(B)と、芳香環を有する環状オレフィンから導かれる構成単位(C)と、を含む共重合体
[III]前記芳香環を有さない環状オレフィンおよび前記芳香環を有する環状オレフィンからなる群より選択される一種または二種以上の開環重合体または開環共重合体
[IV]前記開環重合体または開環共重合体[III]の水素化物
[V]前記[I]、前記[II]、前記[III]または前記[IV]の重合体のグラフト変性物
[2]
前記芳香環を有さない環状オレフィンが、下記式(B-1)で示される化合物を含む、前記[1]に記載の高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
TIFF
2024132362000001.tif
69
153
(上記式(B-1)中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R
1
~R
18
ならびにR
a
およびR
b
は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基であり、R
15
~R
18
は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ、該単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR
15
とR
16
とで、またはR
17
とR
18
とでアルキリデン基を形成していてもよい。ただし、芳香環を含まない。)
[3]
前記芳香環を有さない環状オレフィンが、ビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテン、テトラシクロ[4.4.0.1
2,5
.1
7,10
]-3-ドデセンおよびヘキサシクロ[6,6,1,1
3,6
,1
10,13
,0
2,7
,0
9,14
]ヘプタデセン-4からなる群より選択される一種または二種以上を含む、前記[1]または[2]に記載の高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
[4]
前記芳香環を有する環状オレフィンが、下記式(C-1)で示される化合物、下記式(C-2)で示される化合物、および下記式(C-3)で示される化合物からなる群より選択される一種または二種以上を含む、前記[1]~[3]のいずれかに記載の高強度放射線環境下用環状オレフィン系(共)重合体。
TIFF
2024132362000002.tif
99
153
(上記式(C-1)中、nおよびqはそれぞれ独立に0、1または2であり、R
1
~R
17
はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子を除くハロゲン原子、またはフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1~20の炭化水素基であり、R
10
~R
17
のうち一つは結合手であり、またq=0のときR
10
とR
11
、R
11
とR
12
、R
12
とR
13
、R
13
とR
14
、R
14
とR
15
、R
15
とR
10
は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、またq=1または2のときR
10
とR
11
、R
11
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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