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公開番号2024129928
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023039332
出願日2023-03-14
発明の名称窒素製造方法及び窒素製造装置
出願人大陽日酸株式会社
代理人個人,個人
主分類F25J 3/04 20060101AFI20240920BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】原料空気の圧力が比較的高い場合において、より効率的に運転できる窒素製造装置を提供する。
【解決手段】この窒素製造装置は、原料空気を第1窒素ガスと第1酸素富化液化流体とに分離する第1精留塔1と、第1窒素ガスと減圧した第1酸素富化液化流体とを間接熱交換させて第1窒素ガスから第1液化窒素を得ると同時に第1酸素富化液化流体から第1酸素富化ガス流体を得る第1凝縮器2と、第1酸素富化ガス流体を断熱膨張させて寒冷を発生させる膨張タービン6と、断熱膨張後の第1酸素富化ガス流体を第2窒素ガスと第2酸素富化液化流体とに分離する第2精留塔3と、第2窒素ガスと減圧した第2酸素富化液化流体とを間接熱交換させて第2窒素ガスから第2液化窒素を得ると同時に第2酸素富化液化流体から第2酸素富化ガス流体を得る第2凝縮器4と、を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
原料空気を深冷液化分離して製品窒素を採取する窒素製造方法において、
圧縮、精製、冷却した原料空気を低温蒸留して第1窒素ガスと第1酸素富化液化流体とに分離する第1分離工程と、
前記第1窒素ガスと減圧した前記第1酸素富化液化流体とを間接熱交換させて第1窒素ガスを凝縮液化して第1液化窒素を得ると同時に第1酸素富化液化流体を蒸発ガス化して第1酸素富化ガス流体を得る第1間接熱交換工程と、
前記第1酸素富化ガス流体を断熱膨張させて運転に必要な寒冷を発生させる寒冷発生工程と、
断熱膨張した後の前記第1酸素富化ガス流体を低温蒸留して第2窒素ガスと第2酸素富化液化流体とに精留分離する第2分離工程と、
前記第2窒素ガスと減圧した前記第2酸素富化液化流体とを間接熱交換させて第2窒素ガスを凝縮液化して第2液化窒素を得ると同時に第2酸素富化液化流体を蒸発ガス化して第2酸素富化ガス流体を得る第2間接熱交換工程と、
前記第1窒素ガスの一部を熱回収後に第1製品窒素ガスとして導出する第1製品回収工程と、を含むことを特徴とする窒素製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記第2液化窒素の一部を加圧して前記第1分離工程に導入する第2液化窒素加圧工程を含むことを特徴とする請求項1記載の窒素製造方法。
【請求項3】
前記第2窒素ガスの一部を熱回収後に第2製品窒素ガスとして導出する第2製品回収工程を含むことを特徴とする請求項1記載の窒素製造方法。
【請求項4】
少なくとも前記第1液化窒素の一部又は前記第2液化窒素の一部を、製品液化窒素として導出する製品液化窒素導出工程を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の窒素製造方法。
【請求項5】
原料空気を深冷液化分離して製品窒素を採取する窒素製造装置において、
圧縮、精製、冷却された原料空気を低温蒸留して塔上部の第1窒素ガスと塔底部の第1酸素富化液化流体とに分離する第1精留塔と、
前記第1窒素ガスと減圧した前記第1酸素富化液化流体とを間接熱交換させて第1窒素ガスを凝縮液化して第1液化窒素を得ると同時に第1酸素富化液化流体を蒸発ガス化して第1酸素富化ガス流体を得る第1凝縮器と、
前記第1酸素富化ガス流体を断熱膨張させて運転に必要な寒冷を発生させる膨張タービンと、
断熱膨張した後の前記第1酸素富化ガス流体を低温蒸留して塔上部の第2窒素ガスと塔底部の第2酸素富化液化流体とに精留分離する第2精留塔と、
前記第2窒素ガスと減圧した前記第2酸素富化液化流体とを間接熱交換させて第2窒素ガスを凝縮液化して第2液化窒素を得ると同時に第2酸素富化液化流体を蒸発ガス化して第2酸素富化ガス流体を得る第2凝縮器と、
前記第1窒素ガスの一部を熱回収後に第1製品窒素ガスとして導出する第1製品回収経路と、を備えていることを特徴とする窒素製造装置。
【請求項6】
前記第2液化窒素の一部を加圧して前記第1精留塔に導入する液化窒素ポンプを備えていることを特徴とする請求項5記載の窒素製造装置。
【請求項7】
前記第2窒素ガスの一部を熱回収後に第2製品窒素ガスとして導出する第2製品回収経路を備えていることを特徴とする請求項5記載の窒素製造装置。
【請求項8】
少なくとも前記第1液化窒素の一部又は前記第2液化窒素の一部を、製品液化窒素として導出する製品液化窒素導出経路を備えていることを特徴とする請求項5~7のいずれか一項に記載の窒素製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素製造方法及び窒素製造装置に関し、詳しくは、深冷液化分離法により原料空気を分離精製して製品窒素(製品窒素ガス・製品液化窒素)を採取する方法及び装置であって、従来よりも高い空気圧力で効率的に製品窒素を採取することが可能な製品収率の高い窒素製造方法及び窒素製造装置に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、深冷液化分離法により原料空気を分離精製して製品窒素を採取する方法としては、一つの精留塔を用いて原料空気を製品窒素と酸素が濃縮した廃ガスとに分離させる方法が広く用いられている。一方で、製品収率や動力原単位を改善するためにさまざまなプロセスが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。特許文献1及び特許文献2で提案されているプロセスでは、二つの精留塔を用い、一つの精留塔を用いた窒素製造方法では廃棄されていた第1精留塔の廃ガスを第2精留塔の原料として更に製品窒素を製造することで、製品収率や動力原単位を大幅に改善することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4515225号公報
特開平5-71870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2で提案されているプロセスでは、その性質上、装置運転圧力を上げるのに従い流体の圧力を有効に利用せずに減圧する割合が増え、エネルギーの損失が発生し、効率が低下するという問題がある。このことを以下に詳述する。
【0005】
図3は、特許文献1の図1で開示されている窒素製造装置に相当する系統図である。この窒素製造装置のプロセスでは、主熱交換器7から排出された廃ガス(廃ガス導出経路31)は、原料空気を精製する精製器13の再生に使用され大気へ排出される。このとき、その上流の膨張タービン6の出口流体の圧力は、少なくとも大気へ排出されるまでの廃ガス導出経路31の圧力損失分だけ大気圧より高くなる。
【0006】
ここで、膨張タービン6は、入口と出口の圧力差を利用して装置に必要な寒冷を発生するが、その圧力差が小さいほど、同じ量の寒冷を発生させるためにより多くの流量を必要とする。このため、膨張タービン6へ供給される膨張タービン流体の源である第2酸素富化液化流体の圧力が下がるのに従って膨張タービン6の流量が増加する。よって、第2酸素富化液化流体の圧力は、第2酸素富化液化流体の全量が膨張タービン6に導入されたときに下限となる。
【0007】
その第2酸素富化液化流体を蒸発気化させるために、第2凝縮器4で熱交換する第2窒素ガスの凝縮液化温度を第2酸素富化液化流体の温度より高くする必要があり、これにより、第2窒素ガスの圧力は、第2酸素富化液化流体の圧力より高くなる。
【0008】
よって、第2窒素ガス及びその上流の第1酸素富化液化流体の圧力は、第2凝縮器4で熱交換が可能な値が下限となる。
【0009】
そして、上述の第2凝縮器4における熱交換と同様の関係が第1凝縮器2にも成り立つので、第1窒素ガス及び上流の原料空気の圧力にも下限がある。
【0010】
一方で、原料空気の圧力は、使用先が求める第1製品窒素ガスの圧力から遡って決定される。この圧力が上述の原料空気の圧力の下限より高い場合、プロセス内のいずれかの流体、例えば、第2酸素富化液化流体の圧力に余裕が生じ、下限まで無駄に減圧させる分だけエネルギーの損失が発生し、効率が低下するといった課題がある。
(【0011】以降は省略されています)

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