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公開番号
2024129413
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-27
出願番号
2023038609
出願日
2023-03-13
発明の名称
T細胞受容体遺伝子再構成断片(TREC)、Igκ鎖遺伝子再構成断片(KREC)およびSMN1遺伝子の量を定量PCRにより同時に測定する方法およびそのための新規プライマー
出願人
KMバイオロジクス株式会社
,
国立大学法人 熊本大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12Q
1/686 20180101AFI20240919BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】TREC、KRECおよびSMN1の量を同時に測定するための方法、それを使用した検査方法、およびそのキットを提供する。
【解決手段】T細胞受容体遺伝子再構成断片(TREC)、Igκ鎖遺伝子再構成断片(KREC)およびSMN1遺伝子の量を定量PCRにより同時に測定する方法であって、以下:
(i)対象から採取されたDNAとPCR試薬を混合する工程であって、ここで前記PCR試薬がプライマーのセット、およびプローブのセットを含む、工程;
(ii)定量PCR反応を行い、TREC、KRECおよびSMN1遺伝子の量を定量する工程、
を含み、
ここで、前記プライマーのセットが、配列番号4、5、7、10、37、および38で示される塩基配列を含む6つのプライマーを含み、かつ前記プローブのセットが、配列番号22、23、および28で示される塩基配列を含む3つのプローブを含む、方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
T細胞受容体遺伝子再構成断片(TREC)、Igκ鎖遺伝子再構成断片(KREC)およびSMN1遺伝子の量を定量PCRにより同時に測定する方法であって、以下:
(i)対象から採取されたDNAとPCR試薬を混合する工程であって、ここで前記PCR試薬がプライマーのセット、およびプローブのセットを含む、工程;
(ii)定量PCR反応を行い、TREC、KRECおよびSMN1遺伝子の量を定量する工程、
を含み、
ここで、前記プライマーのセットが、配列番号4、5、7、10、37、および38で示される塩基配列を含む6つのプライマーを含み、かつ前記プローブのセットが、配列番号22、23、および28で示される塩基配列を含む3つのプローブを含む、
方法。
続きを表示(約 740 文字)
【請求項2】
前記3つのプローブが蛍光物質およびクエンチャーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
対象から採取されたDNAが、乾燥血液ろ紙に由来する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
プライマーのセットの6つのプライマーおよびプローブのセットの3つのプローブから選択される少なくとも1つの核酸が核酸修飾をさらに含む、請求項1-3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
請求項1-4のいずれか一項で規定される方法で測定されたTREC、KRECおよびSMN1遺伝子の量に基づき、正常検体と比較した場合に、以下のリスクを評価する検査方法であって:
TRECが低い場合にT細胞減少症のリスクがあると評価し;
KRECが低い場合にB細胞減少症のリスクがあると評価し;
TRECが低い場合に重症複合免疫不全症(SCID)のリスクがあると評価し;または
SMN1が低い場合に脊髄性筋委縮症(SMA)のリスクがあると評価する、
検査方法。
【請求項6】
カットオフ値が、SMAについて200.0copies/μL未満、TRECについて20.0copies/μL未満、KRECについて10.0copies/μL未満である、請求項5に記載の検査方法。
【請求項7】
配列番号4、5、7、10、37、および38で示される塩基配列を含む6つのプライマーを含むプライマーのセット、および配列番号22、23、および28で示される塩基配列を含む3つのプローブを含むプローブのセットを含む、TREC、KRECおよびSMN1の量を同時に測定するためのキット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にT細胞受容体遺伝子再構成断片(TREC)、Igκ鎖遺伝子再構成断片(KREC)およびSMN1遺伝子の量を定量PCRにより同時に測定する方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
新生児スクリーニングは、新生児に対する先天性代謝異常等についての集団検診である。新生児スクリーニングの目的は、生まれつき特定の栄養素を利用できないとか、成長ホルモンなどが過不足の状態となり、その結果知的障害や身体の発育に障害を起こす遺伝性疾患等について、早期発見・早期治療により未然に心身障害を予防することである。具体的なスクリーニング方法では、まず産科医療機関で生後4~6日目の新生児のかかとから、ごく少量の血液をろ紙(dried blood spot;DBS)に採り、スクリーニングセンターに郵送する。その後、スクリーニングセンターで乾燥血液ろ紙から抽出した試料から各種測定が行われる。
【0003】
日本では、1977年10月より検査料の公費負担による国の事業として新生児マススクリーニングが開始されている。現在日本における新生児マススクリーニングの対象疾患は、糖代謝異常症であるガラクトース血症、内分泌疾患である先天性甲状腺機能低下症や先天性副腎過形成症、アミノ酸代謝異常疾患であるフェニールケトン尿症やメイプルシロップ尿症、有機酸代謝異常疾患であるメチルマロン酸血症やプロピオン酸血症、脂肪酸代謝異常疾患であるVLCADやMCADなどの合計20疾患となっている。一方で、新生児マススクリーニングの対象になっていない、5つの条件を満たす疾患について、オプションで選択できる有料検査として、拡大スクリーニング(オプショナルスクリーニングとも呼ばれる)検査がある。5つの条件は、(a)治療法がある、(b)その病気であるかの可能性を調べる精度の高い検査方法がある、(c)先天性代謝異常症の中でも比較的に患者数が多い、(d)病気が発症する前にみつけると治療効果を高め症状を事前に予防したり、重い障害を防ぐことができる、(e)特徴的な症状が少なく、通常の診療で見つけることが難しい、である。
拡大スクリーニングとしては、ライソゾーム病、重症複合免疫不全症(severe combined immunodeficiency:以下、「SCID」という)および脊髄性筋委縮症(spinal muscular atrophy:以下、「SMA」という)に関するものがある。
【0004】
重症複合免疫不全症(SCID)は先天性免疫不全症の一つであり、液性および細胞性免疫の複合免疫不全症の最重症型と位置付けられる。通常生後数か月以内に日和見感染を含む様々な重症感染症を発症し、根本的治療である造血幹細胞移植を行わなければ生後1年以内に死亡する。発症頻度はおよそ5万出生あたり1人と推定されている。現在までにSCIDの病態の理解が進み、約20の原因遺伝子が同定されている。SCIDは造血幹細胞移植によって治癒しうるが、感染症を合併していると移植成績は不良となるため、いかに感染症罹患前に診断できるかが重要である(非特許文献1)。
【0005】
正常なT細胞が新たに造られる場合、通常T細胞では遺伝子の再構成が行われ、T細胞受容体遺伝子再構成断片(T-cell receptor excision circles:以下、「TRECs」という)と呼ばれる環状DNAが産生される。また、正常なB細胞でもこれが新たに造られる場合の産生マーカーとして、Igκ鎖遺伝子再構成断片(Kappa-deleting recombination excision circles:以下、「KRECs」という)、と呼ばれる環状DNAが産生される。このため、TRECsおよびKRECsをPCR(polymerase chain reaction)法で測定すればごく少量の血液からも測定が可能である(非特許文献2)したがって、血液ろ紙検体に含まれるTRECsおよびKRECsの量をTおよびB細胞の正常成熟の指標として評価することで、SCIDをスクリーニングすることができる。すなわち、TRECsの存在はT細胞、KRECsの存在はB細胞の成熟を意味するため、TRECsおよびKRECsの減少はSCIDをスクリーニングする指標となる。近年、欧米を中心にTRECを検出する定量PCR法を用いた新生児スクリーニングが行われるようになり、その有用性が示されてきている。一方、日本のSCID患者の予後改善のためにも、広く新生児マススクリーニングが行われることが望まれているものの、現在のところ、希望者のみの拡大スクリーニング検査となっている。
【0006】
脊髄性筋委縮症(SMA)は、脊髄前角細胞の変性による運動ニューロン病であり筋緊張低下と進行性の筋力低下を示し、知的障害は呈さない。発症年齢と最高到達運動機能によりI型(生涯座位未獲得)、II型(生涯立位未獲得)、III型(歩行可能)、IV型(成人期発症)に分類される。小児期発症のSMAでは95%が5番染色体長腕5q13に存在するSMN1遺伝子変異による。臨床的なSMAであっても、SMN1遺伝子欠失を認めない症例、いわゆるnon-5q SMAが存在し、その頻度はIII型、IV型で高くなる(非特許文献3)。我が国ではI型の重症例は、出生2万人に対して1人前後、乳児期~小児期に発症するSMAの罹患率は10万人に1~2人と言われている。近年、本国においてもSMAに対する治療薬が承認され、早期診断、早期治療が重要視されてきている。新生児におけるSMAのスクリーニング検査では、血液ろ紙検体に含まれるSMN1遺伝子を指標として評価することができる(非特許文献4:003-201804-kijyun.pdf (nanbyou.or.jp))。
【0007】
乾燥血液ろ紙ディスク(dried blood spot;DBS)を用いた定量PCRによるSCIDの測定方法としては、特許文献1(特許6761093、積水)、特許文献2(WO2021-049601、積水)、特許文献3(特開2022-053961、KMバイオロジクス出願特許)がある。また、定量PCRによるSMAの測定方法としては、特許文献4(WO2021-020161、積水)がある。これらの測定は対象疾患1つを個別に定量PCRで測定する方法であり、積水メディカルでは受託検査として、SCID(TREC/KREC)とSMAを個別に測定している。
しかしながら、拡大スクリーニングでは、対象とする疾患を同時に測定できた方が、早期診断だけでなく、受診者の費用面からもメリットがある。このため、SCIDとSMAを同時測定する検査キットが販売されている。パーキンエルマー社のNeoMDxキット(非特許文献5:NeoMDxキット-PerkinElmer Japan)およびThermoFisher社のTaqMan
TM
SCID/SMA Plus Assay(非特許文献6:TaqMan
TM
SCID/SMA Plus Assay (thermofisher.com))である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許6761093
WO2021-049601
特開2022-053961
WO2021-020161
特表2005-514005
【非特許文献】
【0009】
金兼弘和,今井耕輔,森尾友宏:重症複合免疫不全症~その発見から今後の展望~.日本臨床免疫学会会誌.40,145-154(2017)
Chan K., Puck J.M.:Development of population-based screening for severe combined immunodeficiency.J Allergy Clin Immunol.115:391-398,2005.
荒川玲子,日野香織、北村裕梨、斎藤加代子:神経筋疾患の遺伝学的検査.脳と発達.50,192-196(2018)
難病情報センターウェブサイト:3 脊髄性筋委縮症003-201804-kijyun.pdf(nanbyou.or.jp)
パーキンエルマー社:NeoMDxキットNeoMDxキット-PerkinElmer Japan
ThermoFisher社:TaqMan(TM) SCID/SMA Plus AssayTaqMan(TM) SCID/SMA Plus Assay(thermofisher.com)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
TREC、KRECおよびSMN1遺伝子の量を同時に測定する方法が求められており、特異性・頑健性の点で特に優れた測定法を見出すことにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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