TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024128360
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-24
出願番号2023037298
出願日2023-03-10
発明の名称人工皮革およびその製造方法ならびに乗物用内装材
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D06N 3/14 20060101AFI20240913BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】 高い耐久性と優れた柔軟性を両立した人工皮革を提供すること
【解決手段】 平均単繊維直径が0.1μm以上10.0μm以下の極細繊維で構成されてなる不織布と、マルチフィラメントで構成されてなる織編物と、を構成要素として含む繊維絡合体と、水分散型ポリウレタンと、を構成要素として含む人工皮革であって、前記繊維絡合体の目付WF(g/m2)に対する前記水分散型ポリウレタンの目付WU(g/m2)の割合WU/WFが、0.20以上0.50以下であり、前記マルチフィラメントのうち、該マルチフィラメントの外周部の10%以上が前記水分散型ポリウレタンと接触しているものの数割合が0%以上5%以下である、人工皮革。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
平均単繊維直径が0.1μm以上10.0μm以下の極細繊維で構成されてなる不織布と、マルチフィラメントで構成されてなる織編物と、を構成要素として含む繊維絡合体と、
水分散型ポリウレタンと、
を構成要素として含む人工皮革であって、
前記繊維絡合体の目付W

(g/m

)に対する前記水分散型ポリウレタンの目付W

(g/m

)の割合W

/W

が、0.20以上0.50以下であり、
前記マルチフィラメントのうち、該マルチフィラメントの外周部の10%以上が前記水分散型ポリウレタンと接触しているものの数割合が0%以上5%以下である、
人工皮革。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記マルチフィラメントの断面積が5000μm

以上20000μm

以下であり、かつ、前記マルチフィラメントを構成する繊維の本数が2本以上500本以下である、請求項1に記載の人工皮革。
【請求項3】
極細繊維発現型繊維で構成されてなる不織布と、
海成分と島成分とからなる海島型複合繊維、または、鞘成分と芯成分とからなる芯鞘型複合繊維、で形成されてなるマルチフィラメントで構成されてなる織編物と、
を絡合一体化させ、繊維絡合体を形成する工程と、
前記繊維絡合体を水分散型ポリウレタンの分散液に浸漬させた後に、該水分散型ポリウレタンを凝固させ、含浸シートを形成する工程と、
前記含浸シート中の極細繊維発現型繊維から平均単繊維直径が0.1μm以上10.0μm以下の極細繊維を発現させ、かつ、前記マルチフィラメントの海島型複合繊維から前記島成分からなる繊維を発現させる、または、前記マルチフィラメントの芯鞘型複合繊維から前記芯成分からなる繊維を発現させる工程と、
を含む、請求項1または2に記載の人工皮革の製造方法。
【請求項4】
少なくとも一部が請求項1または2に記載の人工皮革である、乗物用内装材

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は人工皮革およびその製造方法、ならびに、前記の人工皮革を用いてなる乗物用内装材に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
主として極細繊維からなる繊維絡合体と高分子弾性体とからなる天然皮革調の人工皮革は、天然皮革にない優れた特徴を有しており、衣料や家具、乗物用内装材用途等にその使用が年々広がってきている。中でも、人工皮革が乗物用内装材等に使用される際は、優れた表面品位に加え、良好なタッチ感や実使用に耐えうる高い耐摩耗性が求められる。
【0003】
また、近年の環境意識の高まりから、人工皮革の製造には有機溶剤の使用を少なくした環境配慮型の製造プロセスが注目されるようになり、例えば、従来の有機溶剤系のポリウレタンを用いる方法に代えて、より環境に配慮された、水中にポリウレタン樹脂を分散させた水分散型ポリウレタンを用いる方法が検討されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、繊維質基材の内部に水分散型ポリウレタンを含有し、少なくとも片方の表面に立毛を有するシート状物であって、一方の面ともう一方の面の剛軟度、それらの剛軟度の差が特定の範囲としたシート状物が提案されている。そして、これによれば、このシート状物は、環境に配慮した製造工程により、従来両立することができなかった立毛を有する優美な外観と柔軟な風合いを有するシート状物を得ることができる旨が記載されている。
【0005】
また、特許文献2では、繊維質基材に含有される高分子弾性体が親水基を有し、かつ構成要素としてポリエーテルジオールとN-アシルウレア結合および/またはイソウレア結合を有し、縦方向の剛軟度と耐光試験後の摩耗減量を特定の範囲とするシート状物が提案されている。そして、これによれば、柔軟な風合いと優れた耐光性を両立したシート状物が得られる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-234409号公報
国際公開第2021/125032号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されるような方法で得られる人工皮革は、水分散型ポリウレタンを付与する前に、高ケン化度のポリビニルアルコール(PVA)を付与し、水分散型ポリウレタン付与後にPVAを除去することにより、織編物とポリウレタンの接着を軽減させることで、人工皮革の柔軟性向上を達成している。しかしながら、PVAが表層近傍に偏在する傾向にあるため、表層近傍には十分にポリウレタンを付与することが困難であり、結果として、表層近傍の耐久性、例えば耐摩耗性については、まだ改善の余地がある。
【0008】
また、特許文献2に開示されるような方法で得られる人工皮革は、柔軟性に優れたエーテル系ポリウレタンを用いることで人工皮革の柔軟性向上を達成している。しかしながら、ポリウレタン自体の強度としてはやや低下する傾向にあるため、耐久性については、まだ改善の余地がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、高い耐久性と優れた柔軟性とを両立した人工皮革およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、不織布と織編物とを構成要素として含む繊維絡合体と、水分散型ポリウレタンと、を構成要素として含む人工皮革の製造段階において、織編物に海島型複合繊維または芯鞘型複合繊維を用い、その後、海成分または鞘成分を除去することで、織編物とポリウレタンとが強固に一体化されてしまうことを抑制できることを見出し、ひいては、人工皮革の柔軟性を向上できるという知見を得た。さらに、上記のようにすることで、不織布と織編物とを絡合一体化させるニードルパンチ工程の際、繊維が損傷してしまうことを抑制でき、結果として、人工皮革の耐久性を向上できることも判明し、本発明に至った。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東レ株式会社
防護服
1か月前
東レ株式会社
海苔網
15日前
東レ株式会社
織編物
2か月前
東レ株式会社
フィルム
12日前
東レ株式会社
二次電池
12日前
東レ株式会社
フィルム
4日前
東レ株式会社
複合半透膜
1か月前
東レ株式会社
表面処理装置
25日前
東レ株式会社
耐弾防護部材
1か月前
東レ株式会社
中空断面繊維
11日前
東レ株式会社
フィルムロール
15日前
東レ株式会社
テーパ付き円筒
4日前
東レ株式会社
多孔質フィルム
26日前
東レ株式会社
投影画像表示部材
1か月前
東レ株式会社
プリプレグテープ
4日前
東レ株式会社
印刷版の製造方法
21日前
東レ株式会社
車両用エアバッグ
4日前
東レ株式会社
ポジ型感光性組成物
11日前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
12日前
東レ株式会社
加工糸および繊維製品
1か月前
東レ株式会社
水不溶性担体及びカラム
1か月前
東レ株式会社
一体化成形品の製造方法
1か月前
東レ株式会社
有機粒子およびフィルム
今日
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜
1か月前
東レ株式会社
吸収体および衛生材料製品
1か月前
東レ株式会社
積層フィルム、光学フィルタ
4日前
東レ株式会社
積層体、包装材、及び梱包体
1か月前
東レ株式会社
多層構造シートおよび繊維製品
5日前
東レ株式会社
センサー素子及びガスセンサー
18日前
東レ株式会社
光源ユニット及び反射フィルム
4日前
東レ株式会社
スパンボンド不織布の製造方法
今日
東レ株式会社
表面処理装置および表面処理方法
今日
東レ株式会社
多孔質炭素板およびその製造方法
15日前
東レ株式会社
シート状のガス拡散層の検査装置
1か月前
東レ株式会社
芯鞘複合繊維およびその製造方法
5日前
東レ株式会社
ポリブチレンテレフタレート繊維
5日前
続きを見る