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公開番号2024152454
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023066659
出願日2023-04-14
発明の名称難燃性繊維シート
出願人日本バイリーン株式会社
代理人
主分類D06M 23/12 20060101AFI20241018BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】
電化製品の内部空間に存在する電子部品や金属部品同士などの間隙への追従性に富み押し込み易いことで、当該間隙へ充填し易い難燃性繊維シートの提供を第一の課題とする。
【解決手段】
「繊維シートに、難燃剤をシラン系樹脂で被覆してなる難燃剤カプセルとバインダとを含んだ難燃性バインダが付与されている、難燃性繊維シート」において、難燃性繊維シートの質量に占める難燃性バインダの質量の百分率を調整することで、電化製品の内部空間に存在する電子部品や金属部品同士の間隙へ充填し易い、難燃性繊維シートを提供できることを見出した。
具体的には、当該百分率が1.0質量%より多いことによって、当該間隙へ富み押し込み易い難燃性繊維シートを提供できること、また、当該百分率が27.0質量%未満であることによって、当該間隙への追従性に富む難燃性繊維シートを提供できることを見出した。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
繊維シートに、難燃剤をシラン系樹脂で被覆してなる難燃剤カプセルとバインダとを含んだ難燃性バインダが付与されている、難燃性繊維シートであって、
前記難燃性繊維シートの質量に占める前記難燃性バインダの質量の百分率は、1.0質量%より多く27.0質量%未満である、
難燃性繊維シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は難燃性繊維シートに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、テレビなどの映像機器、オーディオ機器、パソコン、空調機器、冷蔵庫、洗濯機などの電化製品の内部空間に存在する、電子部品や金属部品同士の間隙といった、各種間隙を充填して、防じん性やパッキン性の付与、緩衝性の付与、吸音性などを付与するために、当該間隙に緩衝材を充填することが行われている。そして、軽量かつ柔軟で前述した間隙への充填性に優れるよう、繊維シートを備えてなる緩衝材が採用されている。
【0003】
また、上述の緩衝材は高温となった電子部品や金属部品などの高温となった部材と、接触した状態で使用されることがある。そのため、上述の緩衝材には難燃性が求められる。一般的に、緩衝材へ難燃性を付与する方法として、緩衝材を構成する繊維シートへ、リン酸系難燃剤、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、水酸化金属塩などの難燃剤とバインダとを含んだ、難燃性バインダを付与する方法が採られている。
【0004】
このような、難燃性バインダが付与された繊維シート(以降、難燃性繊維シートと称する)として、特開2012-17538(特許文献1)に開示されている難燃性繊維シートが知られている。特許文献1には、繊維シートに一般的な難燃剤とバインダとを含んだ難燃性バインダを付与してなる難燃性繊維シートを、高温となった電子部品や金属部品と接触して使用した場合、電子部品や金属部品に腐食(白色化)を生じさせるという知見が開示されている。そして、当該問題を解決するため特許文献1の発明は、難燃剤として、難燃剤をシラン系樹脂で被覆してなる難燃剤カプセルを採用したことを特徴としている。
【0005】
加えて、特許文献1の発明は、難燃剤カプセルが繊維シート質量の60~80質量%添加されていることによって、難燃性を満足する難燃性繊維シートを実現したことを特徴としている。なお、当該難燃性繊維シートでは、当該難燃性繊維シートの質量に占める難燃性バインダの質量の百分率は、37.5質量%よりも多い(繊維シート100質量部に対し付与されている難燃性バインダは60質量部よりも重いものであるため、100×60/(100+60)=37.5質量%よりも多くなる)ものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-17538
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1が開示するような従来技術にかかる難燃性繊維シート(難燃性繊維シートの質量に占める、難燃性バインダの質量の百分率が37.5質量%よりも多い難燃性繊維シート)は、難燃性バインダの担持量が多いことで剛性が高いものであった。そのため、充填しようとする間隙の形状に追従し難い(追従性に劣る)難燃性繊維シートとなり、その結果、当該間隙へ充填する際には力を込める必要があった。
【0008】
一方、上述のように追従し易い(追従性に富む)難燃性繊維シートを提供するため、難燃性繊維シートの質量に占める難燃性バインダの質量の百分率を低減した場合には、柔らかくコシのない難燃性繊維シートとなった。そのため、充填しようとする間隙へ押し込み難い難燃性繊維シートとなり、その結果、当該間隙へ充填するのにコツや時間を要した。
【0009】
以上の問題をうけ、本発明では、電化製品の内部空間に存在する電子部品や金属部品同士などの間隙への追従性に富み押し込み易いことで、当該間隙へ充填し易い難燃性繊維シートの提供を第一の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は「繊維シートに、難燃剤をシラン系樹脂で被覆してなる難燃剤カプセルとバインダとを含んだ難燃性バインダが付与されている、難燃性繊維シートであって、
前記難燃性繊維シートの質量に占める前記難燃性バインダの質量の百分率は、1.0質量%より多く27.0質量%未満である、
難燃性繊維シート。」である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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