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公開番号2024128107
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2024112994
出願日2024-07-13
発明の名称湧水取水装置及び方法
出願人個人
代理人
主分類E03B 3/06 20060101AFI20240912BHJP(上水;下水)
要約【課題】地下水湧水を利用する水道や天然水採取装置への雨水や浅部の質の悪い表流水の混入を阻止する水質改善と、建設工事難度改善と、維持清掃作業の軽減を実現する。
【解決手段】採取水量に余る水を取水構造からオーバーフローさせることにより地下水湧水の水圧を雨水など地表水の地下へ浸透する水圧より高い状態を維持して、湧水の湧き出す流速を地表水の地下へ浸透する流速より速い状態を維持することにより水道管内や給水装置への雨水や浅部の質の悪い表流水層の湧水の混入を阻止する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
湧水の取水装置であって、中空体よりなる取水構造と、前記取水構造内の水を外部に流出するための出水口と、
前記出水口に連通接続された導水構造と、を備え、
前記取水構造内の空気を排除して前記取水構造内に水を充満させると共に余剰の水をオーバーフローさせて前記取水構造から排出することを特徴とする取水装置。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
さらに、前記取水構造近傍の湧水流路の上流部位の地表面の透水性を阻害する耐水層を備えることを特徴とする請求項1に記載の取水装置。
【請求項3】
請求項1乃至2の何れか一項に記載の取水装置を利用して採取したことを特徴とする水。
【請求項4】
請求項1乃至2の何れか一項に記載の取水装置を利用する方法であって、
前記取水構造内の空気を排除して前記取水構造内に水を充満させると共に余剰の水をオーバーフローさせて前記取水構造から排出する工程と、
前記導水構造から水を取得する工程と、
を含むことを特徴とする方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は清浄帯水層から湧水を採取するための取水装置及び方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
飲料水は、水質基準が定められている。水道水は河川・湖沼等の原水を沈殿分離した後、さらに塩素殺菌処理を行う浄水化処理が施されている。しかし、近年、水質汚染の進行から、殺菌剤の量が増し、消毒副生成物、残留塩素による臭気・味の悪化している現状である。
【0003】
一方、森林域から流れ出した湧水、自然水や天然水、名水と呼ばれる地下水でお茶を点てると美味しいとの伝承が、清浄性が高く、清浄帯水層が存在し、自然環境のよい地域に数多く伝えられている。そのまま若しくは加熱滅菌してリットル単位のペットボトルに詰め、ミネラル・ウォータ等の名水は牛乳よりも高価で売れている現状である。
しかしながら、これらの水源は一度に大量の雨が降ったときは、表流水の汚染物、粘土コロイドなどが取水口へ流れ込むため、水を濁らす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭62-296022(第1図)
特開2002-224675号公報[0016](図6)
【発明の概要】
【0005】
地層の深層部における地下清湧水の活用を図ることができる浅層帯域廃水の流入防止、清水帯水層への通水を阻害する砂利、盛石した上へ土を入れて打ち固める工法が特許文献1に開示されている。
山間部の自然流下する湧水の活用を図ることができる除菌装置、施設が特許文献2に開示されている。しかしながら、特許文献2に開示のものは、水源部工事が難しく、表流水の混入が難しいため、維持管理が難しく、浄水化処理や除菌装置13の使用を欠かせない。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図1は従来技術特許文献2の図6を援用する図であり、図2は図1の水源部分の詳細を示す図である。
従来、山中の谷間等の高所の自然流下する湧水を水道に利用する施設は樋や取水配管によって導水されている湧水原水を沈殿槽28や貯水マスで沈殿分離して異物除去する。配管29詰り防止ため、沈殿槽は高所に設置する。沈殿槽は通常が大きな重い丈夫なコンクリート製ヒューム管であり、図3は道のない山中急斜面の上にヒューム管からなる沈殿槽二基を併用し、図4の升など取水構造、取水配管は地下水が取れる深さまでの地層に埋めて設置する実例を示す。
【0007】
しかし、山中には深く掘削することが難しい。また地下水に自噴性がある場合や湧水力が大きい場合には、深く掘削しない。図4の取水升周囲の地層が薄く、取水升からの取水配管(図2、図3)は沈殿槽28に直結し、地下水湧水の水圧が十分である場合も、集まった湧水は直ぐに沈殿槽に流れ込むため、取水升内部に水位が低く、蓋を閉めた取水升内部に空洞があり、降雨等による表流水、高濁水や野生動物の糞尿、死骸による汚染物を升上流部位の地層と、升の蓋の隙間から直接に升内部に侵入して、湧水の汚染を阻止できない。沈殿槽を密閉できなく、虫などの侵入、繁殖を阻止できない。
【0008】
また、図1に示された水道構造には、蛇口30などの給水量に余る湧水は沈殿槽28からオーバーフローされ、汚染されて沈殿された湧水が必要な給水量と比べ、大量に沈殿槽からのオーバーフロー8(図5)により捨てられ、かつ、水量と比例する大量の土砂とゴミが沈殿槽(図3)に無駄に沈殿され、沈殿槽内部に残され、それらを清掃ために、急斜面に登る危険と作業量が大きい。
【0009】
本願発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みて創案されたものであって、地下水湧水を利用する水道や天然水採取装置への雨水や浅部の質の悪い表流水層の湧水の混入を阻止する水質改善と、建設工事難度改善と、沈殿槽を無くして、その維持清掃作業を無くなることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
採取水量に余る水を湧水が湧き出す地下の湧き出す箇所に直結する取水構造からオーバーフローさせることにより地下水湧水の水圧を雨水など地表水の地下へ浸透する水圧より高い状態を維持して、湧水の湧き出す流速を地表水の地下へ浸透する流速より速い状態を維持することにより水道管内や給水装置への雨水や浅部の質の悪い表流水層の湧水の混入を阻止する。
湧水は地下水圧により地下水を地層の透水層から地面に押しだされるものであり、本発明はその地下水圧を利用するための構造を備えることにより課題を解決する。
上記構造の一つは取水構造から湧水を空気に触れないままに給水口まで導水する導水構造である。地下水圧の損失を防ぐため、上記構造のもう一つは湧水を取水構造の上流部位の地面に漏れることを阻止又は妨害する耐水構造である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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