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公開番号2024128096
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2024112549,2021539289
出願日2024-07-12,2020-08-07
発明の名称針先プロテクタとそれを用いた針組立体
出願人ニプロ株式会社
代理人弁理士法人笠井中根国際特許事務所,個人,個人
主分類A61M 5/158 20060101AFI20240912BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】射出成形などの樹脂の型成形によって安定して製造することが可能とされた新規な針先プロテクタと、それを用いた新規な針組立体を提供すること。
【解決手段】穿刺針A-16に対して針軸方向に移動することで穿刺針A-16の針先A-20を覆う周壁を備えた樹脂製の針先プロテクタA-10であって、周壁A-54は先端側に筒状部を有しており、周壁A-54には筒状部A-58の基端側に筒状部A-58よりも肉厚寸法が大きな部分を含む厚肉部A-70が設けられて、成形時における樹脂材料の注入ゲート跡A-98が厚肉部A-70に設けられている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
穿刺針に対して針軸方向に移動することで該穿刺針の針先を覆う周壁を備えた樹脂製の針先プロテクタであって、
前記周壁は先端側に筒状部を有し、
該周壁には該筒状部の基端側に該筒状部よりも肉厚寸法が大きな部分を有する厚肉部が設けられて、成形時における樹脂材料の注入ゲート跡が該厚肉部に設けられている針先プロテクタ。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記厚肉部の外面に凹所が設けられている請求項1に記載の針先プロテクタ。
【請求項3】
前記注入ゲート跡が前記凹所の内面に設けられている請求項2に記載の針先プロテクタ。
【請求項4】
前記凹所の深さ寸法が前記周壁の先端側に向かって次第に小さくなっている請求項2又は3に記載の針先プロテクタ。
【請求項5】
前記凹所の開口端縁部が角のない湾曲断面形状とされている請求項2~4の何れか1項に記載の針先プロテクタ。
【請求項6】
前記周壁には前記筒状部の基端側に該筒状部よりも肉厚が大きな部分を含み且つ外寸が大きくされた拡開部があり、前記注入ゲート跡が該拡開部の外面に設けられている請求項1~5の何れか1項に記載の針先プロテクタ。
【請求項7】
穿刺針に対して針軸方向に移動することで該穿刺針の針先を覆う周壁を備えた樹脂製の針先プロテクタであって、
前記周壁は、筒状部と、該筒状部よりも外寸が大きい拡開部とを備え、
成形時における樹脂材料の注入ゲート跡が該拡開部に設けられている針先プロテクタ。
【請求項8】
前記注入ゲート跡が、前記穿刺針の基端側に設けられた針ハブに係合される係合部を外れた位置に設けられている請求項1~7の何れか1項に記載の針先プロテクタ。
【請求項9】
前記周壁が前記穿刺針の前記針先を覆った状態において該穿刺針の基端側に設けられた針ハブに係止されて該針先の再露出を阻止する係止片が設けられており、前記注入ゲート跡が該係止片を外れた位置に設けられている請求項1~8の何れか1項に記載の針先プロテクタ。
【請求項10】
前記周壁の外面は、軸直角方向の割型によって成形されて軸方向に延びるパーティングラインを有している請求項1~9の何れか1項に記載の針先プロテクタ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明(発明A)は、抜去された穿刺針の針先を覆う針先プロテクタと、針先プロテクタを備える針組立体に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、輸液や採血、血液透析などを行う際に用いられる留置針などの穿刺用針体の使用後の誤穿刺や頻回使用の防止、或いは、廃棄処理の容易化などの目的で、体内管腔から抜去された穿刺針の針先を保護する針先プロテクタが採用されている。針先プロテクタ及びそれを備える針組立体としては、例えば、特開2017-196060号公報(特許文献1)に開示されている。即ち、特許文献1のプロテクタ付き医療用針によれば、針管を血管等から引き抜く際に、プロテクタが針管に対して針先側へ移動し、患者から抜去された針管がプロテクタの内周へ収容されて、針管の針先が外部に露出しないようにされる。
【0003】
ところで、針先プロテクタは、樹脂によって形成される場合があり、この場合には、例えば射出成形などの型成形によって製造される。即ち、針先プロテクタの形状に対応する金型のキャビティに樹脂材料を充填して硬化させることにより、所定形状の針先プロテクタが製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-196060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、針先プロテクタは、穿刺針の周囲を囲んで覆う比較的に薄肉の周壁を有しており、針先プロテクタを型成形によって形成しようとすると、圧力損失による樹脂材料の充填不良などが問題になる場合があった。また、医療従事者の使用方法や使用される患者側の視点に立つと、改良の余地があった。
【0006】
発明Aの解決課題は、安全性が高く、射出成形などの樹脂の型成形によって安定して製造することが可能な、新規な針先プロテクタを提供することにある。
【0007】
また、発明Aは、穿刺用針体を構成する穿刺針の針先を保護する針先プロテクタとして上記の針先プロテクタを備える針組立体を提供することも、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、発明Aを把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、発明Aでは、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
【0009】
発明Aの第1の態様は、穿刺針に対して針軸方向に移動することで該穿刺針の針先を覆う周壁を備えた樹脂製の針先プロテクタであって、前記周壁は先端側に筒状部を有し、該周壁には該筒状部の基端側に該筒状部よりも肉厚寸法が大きな部分を有する厚肉部が設けられて、成形時における樹脂材料の注入ゲート跡が該厚肉部に設けられているものである。
【0010】
本態様の針先プロテクタには、成形に際して、周壁の厚肉部を成形する部分に樹脂材料の注入ゲートが設定されて、金型のキャビティにおいて断面積の大きい部分から小さい部分へ向かって樹脂材料が充填される。それ故、キャビティに樹脂材料を充填する際に、キャビティの断面積の変化による圧力損失が生じ難く、樹脂材料の充填不良を回避することができて、所定形状の針先プロテクタを安定して得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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