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公開番号2024127047
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023035891
出願日2023-03-08
発明の名称電子制御式機械時計
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類G04C 10/00 20060101AFI20240912BHJP(時計)
要約【課題】持続時間を長くでき、かつ、ムーブメントの大型化を抑制できる電子制御式機械時計の提供。
【解決手段】電子制御式機械時計は、ゼンマイと、輪列と、時刻を表示する指針と、輪列の回転周期を制御する調速機と、調速機を制御する制御手段と、ゼンマイの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、発電機の電気エネルギーを蓄電し、制御手段に電気エネルギーを供給する第1蓄電装置と、第1蓄電装置にスイッチを介して並列に接続され、電気エネルギーを蓄電可能な第2蓄電装置と、ゼンマイに蓄積される機械的エネルギー量を検出する検出手段とを備える。制御手段は、スイッチがオフ状態の場合に機械的エネルギー量が第1設定値を超えたことが検出されると、スイッチをオフ状態からオン状態に制御し、スイッチがオン状態の場合に機械的エネルギー量が第2設定値を下回ったことが検出されると、スイッチをオン状態からオフ状態に制御する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ゼンマイと、
前記ゼンマイの機械的エネルギーを伝達する輪列と、
前記輪列によって駆動されて時刻を表示する指針と、
前記輪列の回転周期を制御する調速機と、
前記調速機を制御する制御手段と、
前記ゼンマイの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、
前記発電機の電気エネルギーを蓄電し、前記制御手段に電気エネルギーを供給する第1蓄電装置と、
前記第1蓄電装置にスイッチを介して並列に接続され、電気エネルギーを蓄電可能な第2蓄電装置と、
前記ゼンマイに蓄積される機械的エネルギー量を検出する検出手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記スイッチがオフ状態の場合に、前記検出手段で前記機械的エネルギー量が第1設定値を超えたことが検出されると、前記スイッチをオフ状態からオン状態に制御し、
前記スイッチがオン状態の場合に、前記検出手段で前記機械的エネルギー量が第2設定値を下回ったことが検出されると、前記スイッチをオン状態からオフ状態に制御する
ことを特徴とする電子制御式機械時計。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電子制御式機械時計において、
前記第1設定値は、前記第2設定値より大きい
ことを特徴とする電子制御式機械時計。
【請求項3】
請求項1に記載の電子制御式機械時計において、
前記発電機は、ローターを備え、
前記第2設定値は、前記ローターの回転速度が基準速度以下となる値である
ことを特徴とする電子制御式機械時計。
【請求項4】
請求項1に記載の電子制御式機械時計において、
前記第2蓄電装置に蓄電される蓄電量は、前記第1蓄電装置に蓄電される蓄電量より大きい
ことを特徴とする電子制御式機械時計。
【請求項5】
請求項1に記載の電子制御式機械時計において、
クロック信号を出力する発振手段と、
前記発振手段の停止を検出する発振停止検出手段と、を備え、
前記制御手段は、前記発振停止検出手段で前記発振手段の停止を検出している場合は、前記スイッチをオフ状態に維持する
ことを特徴とする電子制御式機械時計。
【請求項6】
請求項1に記載の電子制御式機械時計において、
前記第2蓄電装置の電圧を検出する電圧検出手段を備え、
前記制御手段は、前記電圧検出手段で前記第2蓄電装置の電圧が所定値以下であることを検出している場合は、前記機械的エネルギー量が前記第1設定値を超えたことが検出されても前記スイッチをオフ状態に維持する
ことを特徴とする電子制御式機械時計。
【請求項7】
請求項1に記載の電子制御式機械時計において、
前記発電機は、前記輪列に接続されたローターを備え、
前記検出手段は、前記ローターの回転速度に基づいて前記機械的エネルギー量を検出する
ことを特徴とする電子制御式機械時計。
【請求項8】
ゼンマイと、
前記ゼンマイの機械的エネルギーを伝達する輪列と、
前記輪列によって駆動されて時刻を表示する指針と、
前記輪列の回転周期を制御する調速機と、
前記調速機を制御する制御手段と、
前記ゼンマイの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、
前記発電機の電気エネルギーを蓄電し、前記制御手段に電気エネルギーを供給する第1蓄電装置と、
前記第1蓄電装置に並列に接続され、電気エネルギーを蓄電可能な第2蓄電装置と、
前記第1蓄電装置と前記第2蓄電装置との間に配置され、前記第1蓄電装置と前記第2蓄電装置との接続状態を切り替えるスイッチと、を備え、
前記スイッチは、
前記ゼンマイの巻き上げ量が所定値を超えるとオフ状態からオン状態に切り替わり、前記第2蓄電装置を前記第1蓄電装置に接続し、
前記ゼンマイの巻き上げ量が所定値を下回るとオン状態からオフ状態に切り替わり、前記第2蓄電装置を前記第1蓄電装置から切断する
ことを特徴とする電子制御式機械時計。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子制御式機械時計に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ゼンマイが開放する時の機械的エネルギーによって発電機を駆動して発生させた電気エネルギーを蓄電装置に蓄え、この蓄電装置から供給された電気エネルギーにより回転制御装置を駆動して発電機の回転周期を制御することにより、輪列で運針される指針を正確に駆動して正確に時刻を表示する電子制御式機械時計が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の電子制御式機械時計では、ソーラー発電装置等の付加発電機および第2蓄電装置を備える付加電源装置を設け、蓄電装置の電圧が低下した場合に付加電源装置から電気エネルギーを供給することで、持続時間を延長することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000-214271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の電子制御式機械時計では、機械的エネルギーで発電する発電機とは別に、付加発電機等を備える付加電源装置を設けるため、時計のムーブメントが大型化するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の電子制御式機械時計は、ゼンマイと、前記ゼンマイの機械的エネルギーを伝達する輪列と、前記輪列によって駆動されて時刻を表示する指針と、前記輪列の回転周期を制御する調速機と、前記調速機を制御する制御手段と、前記ゼンマイの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、前記発電機の電気エネルギーを蓄電し、前記制御手段に電気エネルギーを供給する第1蓄電装置と、前記第1蓄電装置にスイッチを介して並列に接続され、電気エネルギーを蓄電可能な第2蓄電装置と、前記ゼンマイに蓄積される機械的エネルギー量を検出する検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記スイッチがオフ状態の場合に、前記検出手段で前記機械的エネルギー量が第1設定値を超えたことが検出されると、前記スイッチをオフ状態からオン状態に制御し、前記スイッチがオン状態の場合に、前記検出手段で前記機械的エネルギー量が第2設定値を下回ったことが検出されると、前記スイッチをオン状態からオフ状態に制御することを特徴とする。
【0007】
本開示の電子制御式機械時計は、ゼンマイと、前記ゼンマイの機械的エネルギーを伝達する輪列と、前記輪列によって駆動されて時刻を表示する指針と、前記輪列の回転周期を制御する調速機と、前記調速機を制御する制御手段と、前記ゼンマイの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、前記発電機の電気エネルギーを蓄電し、前記制御手段に電気エネルギーを供給する第1蓄電装置と、前記第1蓄電装置に並列に接続され、電気エネルギーを蓄電可能な第2蓄電装置と、前記第1蓄電装置と前記第2蓄電装置との間に配置され、前記第1蓄電装置と前記第2蓄電装置との接続状態を切り替えるスイッチと、を備え、前記スイッチは、前記ゼンマイの巻き上げ量が所定値を超えるとオフ状態からオン状態に切り替わり、前記第2蓄電装置を前記第1蓄電装置に接続し、前記ゼンマイの巻き上げ量が所定値を下回るとオン状態からオフ状態に切り替わり、前記第2蓄電装置を前記第1蓄電装置から切断することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態の電子制御式機械時計を示す正面図である。
実施形態の電子制御式機械時計の概略構成を示すブロック図である。
実施形態の時計の要部の概略構成を示す回路図である。
実施形態のスイッチ回路を示す回路図である。
実施形態のスイッチ回路の動作を説明する図である。
実施形態のスイッチ回路の動作を説明する図である。
ローターの回転速度とIC印加電圧のタイミングチャートである。
ゼンマイの出力トルクと、電源回路電圧の関係を示すグラフである。
変形例のスイッチの構成を示す図である。
変形例のスイッチの構成を示す図である。
変形例のスイッチの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態の電子制御式機械時計1を図面に基づいて説明する。
図1は、電子制御式機械時計1を示す正面図である。なお、以下の説明では、電子制御式機械時計1を時計1と略して説明する。図1に示すように、時計1は、ユーザーの手首に装着される腕時計であり、円筒状の外装ケース2を備え、外装ケース2の内周側に、文字板3が配置されている。外装ケース2の二つの開口のうち、表面側の開口は、カバーガラスで塞がれており、裏面側の開口は裏蓋で塞がれている。
【0010】
時計1は、外装ケース2内に収容された図示略のムーブメントと、時刻情報を表示する指針4とを備えている。指針4は、時針4A、分針4B、秒針4Cで構成される。文字板3には、カレンダー小窓3Aが設けられており、カレンダー小窓3Aから、日車6が視認可能となっている。また、文字板3には、時刻を指示するためのアワーマーク3Bや、パワーリザーブ針5で持続時間を指示する扇形のサブダイヤル3Cが設けられている。
(【0011】以降は省略されています)

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