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公開番号
2024126478
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-20
出願番号
2023034868
出願日
2023-03-07
発明の名称
機械部品および機械部品の製造方法
出願人
株式会社小松製作所
代理人
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20240912BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】白層剥離の発生を抑制することにより耐久性を向上させた機械部品および機械部品の製造方法を提供する。
【解決手段】機械部品である平歯車(1)は、0.12質量%以上0.28質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.70質量%以下の珪素と、0.20質量%以上0.95質量%以下のマンガンと、0.85質量%以上1.90質量%以下のクロムと、を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、マルテンサイト組織を有する鋼から構成され、表面の少なくとも一部を構成するように配置され、他の部分よりも炭素濃度が高い浸炭層(31)を備える。浸炭層(31)は、表面を構成するように配置され、1μm以上25μm以下の厚みを有し、マグネタイトとヘマタイトとを含む複合酸化膜(40)を含む。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
0.12質量%以上0.28質量%以下の炭素と、
0.15質量%以上0.70質量%以下の珪素と、
0.20質量%以上0.95質量%以下のマンガンと、
0.85質量%以上1.90質量%以下のクロムと、を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、マルテンサイト組織を有する鋼から構成され、
表面の少なくとも一部を構成するように配置され、他の部分よりも炭素濃度が高い浸炭層を備え、
前記浸炭層は、前記表面を構成するように配置され、1μm以上25μm以下の厚みを有し、マグネタイトとヘマタイトとを含む複合酸化膜を含む、機械部品。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
0.12質量%以上0.28質量%以下の炭素と、
0.15質量%以上0.70質量%以下の珪素と、
0.20質量%以上0.95質量%以下のマンガンと、
0.85質量%以上1.90質量%以下のクロムと、
0.15質量%以上0.45質量%以下のモリブデン、0.01質量%以上2.00質量%以下のニッケルおよび0.04質量%以上0.08質量%以下のニオブからなる群から選択される少なくとも1つと、を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、マルテンサイト組織を有する鋼から構成され、
表面の少なくとも一部を構成するように配置され、他の部分よりも炭素濃度が高い浸炭層を備え、
前記浸炭層は、前記表面を構成するように配置され、1μm以上25μm以下の厚みを有し、マグネタイトとヘマタイトとを含む複合酸化膜を含む、機械部品。
【請求項3】
前記浸炭層の厚みは500μm以上である、請求項1または請求項2に記載の機械部品。
【請求項4】
前記浸炭層の厚み方向における最大炭素濃度は0.6質量%以上である、請求項1または請求項2に記載の機械部品。
【請求項5】
前記浸炭層において、
厚み方向における最大炭素濃度は0.8質量%以上1.2質量%以下であり、
前記表面に垂直な断面における炭化物の最大粒径は1μm以下であり、
JIS G0551に規定される結晶粒度番号は12以上である、請求項1または請求項2に記載の機械部品。
【請求項6】
前記浸炭層において、
厚み方向における最大炭素濃度は1.1質量%以上1.8質量%以下であり、
前記表面に垂直な断面における炭化物の最大粒径は25μm以下であり、
JIS G0551に規定される結晶粒度番号は11以上である、請求項1または請求項2に記載の機械部品。
【請求項7】
前記浸炭層において、厚み方向における最大窒素濃度は0.7質量%以上1.2質量%以下である、請求項1または請求項2に記載の機械部品。
【請求項8】
前記機械部品は、作業機械のトランスミッション、アクスル、ファイナルドライブまたはスイングマシナリを構成する部品である、請求項1または請求項2に記載の機械部品。
【請求項9】
0.12質量%以上0.28質量%以下の炭素と、
0.15質量%以上0.70質量%以下の珪素と、
0.20質量%以上0.95質量%以下のマンガンと、
0.85質量%以上1.90質量%以下のクロムと、を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼材を準備する工程と、
前記鋼材を成形することにより成形体を得る工程と、
前記成形体を酸化性雰囲気中で加熱することにより前記成形体の表面にマグネタイトとヘマタイトとを含む複合酸化膜を形成する工程と、
前記複合酸化膜が形成された前記成形体を圧力1kPa以下の浸炭性雰囲気中で加熱することにより前記成形体の表面に他の部分よりも炭素濃度が高い浸炭層を前記複合酸化膜よりも大きい厚みで形成する工程と、
前記複合酸化膜および前記浸炭層が形成された前記成形体を焼入硬化する工程と、を備える、機械部品の製造方法。
【請求項10】
0.12質量%以上0.28質量%以下の炭素と、
0.15質量%以上0.70質量%以下の珪素と、
0.20質量%以上0.95質量%以下のマンガンと、
0.85質量%以上1.90質量%以下のクロムと、
0.15質量%以上0.45質量%以下のモリブデン、0.01質量%以上2.00質量%以下のニッケルおよび0.04質量%以上0.08質量%以下のニオブからなる群から選択される少なくとも1つと、を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼材を準備する工程と、
前記鋼材を成形することにより成形体を得る工程と、
前記成形体を酸化性雰囲気中で加熱することにより前記成形体の表面にマグネタイトとヘマタイトとを含む複合酸化膜を形成する工程と、
前記複合酸化膜が形成された前記成形体を圧力1kPa以下の浸炭性雰囲気中で加熱することにより前記成形体の表面に他の部分よりも炭素濃度が高い浸炭層を前記複合酸化膜よりも大きい厚みで形成する工程と、
前記複合酸化膜および前記浸炭層が形成された前記成形体を焼入硬化する工程と、を備える、機械部品の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械部品および機械部品の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
鋼から構成される機械部品においては、強度向上の観点から、他の部分よりも炭素濃度が高い浸炭層が表面を構成するように形成される場合がある。浸炭層を有し、焼入硬化された機械部品は、表層部の硬度が高い。一方、浸炭層以外の領域は、硬度が低く、優れた靭性を有する。その結果、浸炭層を有する機械部品は、強度と靭性とを両立することができる。
【0003】
浸炭層は、ガス浸炭によって形成されるのが一般的である。ガス浸炭においては、機械部品の表面で2分子の一酸化炭素(CO)が1分子の二酸化炭素(CO
2
)に変化する反応において生成する炭素(C)が、機械部品の表面に供給される。ガス浸炭は、低コストで浸炭を実施することが可能な点において、優れた処理方法である。一方、上記反応において二酸化炭素が生成するため、浸炭処理において多量の二酸化炭素が排出されるという問題点を有している。
【0004】
他の浸炭方法として、真空浸炭が知られている。真空浸炭においては、減圧(たとえば圧力1kPa以下の)雰囲気中において機械部品を加熱し、機械部品の表面においてアセチレン(C
2
H
2
)などの炭化水素が分解する反応で生成する炭素が機械部品の表面に供給される。真空浸炭は、ガス浸炭に比べて一般的に設備コストが大きくなるものの、処理時間の短縮や製造コストの低減、多量の二酸化炭素の排出を回避できるという利点を有している。真空浸炭に適した鋼、真空浸炭により浸炭層が形成されることにより優れた特性を有する機械部品、などが提案されている(たとえば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-080369号公報
国際公開第2020/144830号
特開2006-183095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献においても言及されているように、真空浸炭により浸炭層が形成された機械部品は、ガス浸炭により浸炭層が形成された機械部品に比べて表面における粒界酸化層の形成が抑制されるという特徴を有している。一般に、粒界酸化層の形成が抑制されることにより、機械部品の疲労強度(寿命)などの特性が向上するとされている。
【0007】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、真空浸炭により浸炭層が形成された機械部品においては、ガス浸炭により浸炭層が形成された機械部品に比べて短期間で、白層が発生し表面に剥離が生じる現象(白層剥離)が生じる場合がある。
【0008】
白層剥離の発生を抑制することにより耐久性を向上させた機械部品および機械部品の製造方法を提供することが、本開示の目的の1つである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の第1の局面における機械部品は、0.12質量%以上0.28質量%以下の炭素(C)と、0.15質量%以上0.70質量%以下の珪素(Si)と、0.20質量%以上0.95質量%以下のマンガン(Mn)と、0.85質量%以上1.90質量%以下のクロム(Cr)と、を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、マルテンサイト組織を有する鋼から構成され、表面の少なくとも一部を構成するように配置され、他の部分よりも炭素濃度が高い浸炭層を備える。浸炭層は、表面を構成するように配置され、1μm以上25μm以下の厚みを有し、マグネタイト(Fe
3
O
4
)とヘマタイト(Fe
2
O
3
)とを含む複合酸化膜を含む。
【0010】
本開示の第2の局面における機械部品は、0.12質量%以上0.28質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.70質量%以下の珪素と、0.20質量%以上0.95質量%以下のマンガンと、0.85質量%以上1.90質量%以下のクロムと、0.15質量%以上0.45質量%以下のモリブデン(Mo)、0.01質量%以上2.00質量%以下のニッケル(Ni)および0.04質量%以上0.08質量%以下のニオブ(Nb)からなる群から選択される少なくとも1つと、を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、マルテンサイト組織を有する鋼から構成され、表面の少なくとも一部を構成するように配置され、他の部分よりも炭素濃度が高い浸炭層を備える。浸炭層は、表面を構成するように配置され、1μm以上25μm以下の厚みを有し、マグネタイトとヘマタイトとを含む複合酸化膜を含む。
(【0011】以降は省略されています)
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