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公開番号
2024151271
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-24
出願番号
2023064521
出願日
2023-04-11
発明の名称
抵抗体及びその製造方法
出願人
大同特殊鋼株式会社
代理人
個人
主分類
C22C
19/05 20060101AFI20241017BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】適度な硬さ、適度な体積抵抗率及び適度な抵抗温度係数を兼ね備えた抵抗体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】抵抗体は、Ni基合金からなる。前記Ni基合金は、15.0≦Cr≦25.0mass%、1.0≦Al≦4.0mass%、1.0≦Cu≦3.0mass%、0≦Si≦1.5mass%、及び、0≦Mn≦1.5mass%を含み、残部がNi及び不可避的不純物からなる。前記抵抗体は、20℃におけるビッカース硬さが160Hv以上230Hv以下であり、20℃における体積抵抗率が125μΩ・cm以上150μΩ・cm以下であり、20~155℃における抵抗温度係数が-50ppm以上10ppm/℃以下である。このような抵抗体は、冷間成形体に対し、所定の条件下で熱処理することにより得られる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の構成を備えた抵抗体。
(1)前記抵抗体は、Ni基合金からなり、
前記Ni基合金は、
15.0≦Cr≦25.0mass%、
1.0≦Al≦4.0mass%、
1.0≦Cu≦3.0mass%、
0≦Si≦1.5mass%、及び、
0≦Mn≦1.5mass%
を含み、残部がNi及び不可避的不純物からなる。
(2)前記抵抗体は、
20℃におけるビッカース硬さが160Hv以上230Hv以下であり、
20℃における体積抵抗率が125μΩ・cm以上150μΩ・cm以下であり、
20~155℃における抵抗温度係数が-50ppm以上10ppm/℃以下である。
続きを表示(約 810 文字)
【請求項2】
厚さが3mm以下である請求項1に記載の抵抗体。
【請求項3】
原料を溶解及び鋳造し、
15.0≦Cr≦25.0mass%、
1.0≦Al≦4.0mass%、
1.0≦Cu≦3.0mass%、
0≦Si≦1.5mass%、及び、
0≦Mn≦1.5mass%
を含み、残部がNi及び不可避的不純物からなる鋳塊を得る溶解・鋳造工程と、
前記鋳塊に対して均質化熱処理を行い、熱処理体を得る均質化熱処理工程と、
前記熱処理体に対して熱間加工を行い、熱間成形体を得る熱間加工工程と、
前記熱間成形体に対して冷間加工を行い、冷間成形体を得る冷間加工工程と、
前記冷間成形体に対して、歪を除去し、かつ、γ’相の析出量及び短範囲規則相の形成量を制御するための熱処理を行い、請求項1に記載の抵抗体を得る熱処理工程と
を備えた抵抗体の製造方法。
【請求項4】
前記熱処理工程は、
前記冷間成形体を800℃以上1200℃以下の加熱温度にて30秒以上3時間以下保持し、その後、前記加熱温度から400℃までの温度区間を、請求項1に記載の抵抗体を得ることが可能な平均冷却速度で冷却する溶体化処理工程
を備えている請求項3に記載の抵抗体の製造方法。
【請求項5】
前記熱処理工程は、
前記冷間成形体を800℃以上1200℃以下の加熱温度にて30秒以上3時間以下保持し、その後、前記加熱温度から400℃までの温度区間を、空冷を超える平均冷却速度で冷却し、溶体化処理体を得る溶体化処理工程と、
前記溶体化処理体を200℃以上700℃以下の加熱温度にて30秒以上5時間以下保持し、請求項1に記載の抵抗体を得る焼鈍工程と
を備えている請求項3に記載の抵抗体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、適度な硬さ、適度な体積抵抗率及び適度な抵抗温度係数を兼ね備えた抵抗体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、電源装置、電気自動車などの高性能化・発展に伴い、精密抵抗材料、特に高体積抵抗率・低抵抗温度係数を有する抵抗材料の要求が高まっている。さらに、従来のSiパワーデバイスよりも動作可能温度が向上したSiCパワーデバイスの普及に伴い、抵抗材料にも150℃以上での特性安定性が求められるようになっている。そのため、このような抵抗材料に関し、従来から種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、
(a)所定量のCr、Al、Mn、及び、Siを含み、残部がNiからなる合金を溶製し、
(b)溶製材を所定の形状に加工し、
(c)加工材を900℃で30分間、溶体化処理する
ことにより得られる精密電気抵抗用合金が開示されている。
同文献には、精密電気抵抗用Ni-Cr-Al系合金に所定量のSiを添加すると、従来必要とされていた時効処理を省略することができ、溶体化処理のみで機械的性質及び電気的特性を調整できる点が記載されている。
【0004】
特許文献2には、
(a)Ni-25mass%Cr-3mass%Cu-3mass%Alを溶製し、
(b)溶製材に対して、均質化熱処理及び冷間加工し、
(c)冷間加工材を1000℃で1時間加熱した後、300℃/Hrで炉冷すること
により得られる精密抵抗合金が開示されている。
同文献には、このような方法により、比電気抵抗が114μΩ・cm(20℃)であり、比電気抵抗の温度係数(TCR)が+90×10
-6
/℃(0~50℃)である精密抵抗合金が得られる点が記載されている。
【0005】
特許文献3には、Ni-19mass%Cr-3mass%Al-1mass%Mnからなる抵抗線が開示されている。
同文献には、Ni-Cr系精密抵抗線に所定量のMnを添加すると、合金固有抵抗値が増大し、温度係数が低下する点が記載されている。
【0006】
特許文献4には、Ni-19mass%Cr-3mass%Mn-3mass%Al-1mass%Siからなる精密抵抗用Ni合金が開示されている。
同文献には、Ni-Mn-Cr-Al合金に所定量のSiを添加すると、抵抗温度係数を増大させることなく、固有電気抵抗が増大する点が記載されている。
【0007】
特許文献5には、Ni-4mass%Al-2mass%Cu-20mass%Crからなる電気抵抗合金が開示されている。
同文献には、この電気抵抗合金は、20℃、サーキュラーミルフィート当たりの抵抗が約900オームであり、抵抗の温度係数が7×10
-6
オーム/オーム/℃である点が記載されている。
【0008】
さらに、特許文献6には、Ni-20mass%Cr-1.5mass%Cu-1.5mass%Alからなる電気抵抗合金が開示されている。
同文献には、この電気抵抗合金は、抵抗が約668オーム(C.M.F.)であり、抵抗の温度係数が33×10
-6
オームである点が記載されている。
【0009】
従来、精密抵抗材料としては、抵抗温度係数が小さいCu-Mn系合金などからなる金属薄膜抵抗体が用いられてきた。しかしながら、従来のCu-Mn系合金は、体積抵抗率が小さいという問題があった。
一方、Ni-Cr-Al系合金は、一般に、抵抗温度係数が小さく、かつ、体積抵抗率が大きい。しかしながら、従来のNi-Cr-Al系合金は、製造条件が不適切であると、抵抗温度係数が大きくなる場合、あるいは、硬さが過度に高くなり、加工性が低下する場合があった。
さらに、適度な硬さ、適度な体積抵抗率及び適度な抵抗温度係数を兼ね備えた抵抗体が提案された例は、従来にはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特公昭44-028783号公報
特開平04-052243号公報
特公昭35-008458号公報
特公昭43-017499号公報
米国特許第2293878号明細書
米国特許第2638425号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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