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公開番号2024170244
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-06
出願番号2023087302
出願日2023-05-26
発明の名称オートクレーブ
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類C22B 3/02 20060101AFI20241129BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】 ショートパスを抑えることで各反応室の滞留時間を確保し、結果的に効率よく浸出処理を行なうことが可能なオートクレーブを提供する。
【解決手段】 円筒状の圧力容器1をその中心軸が水平方向を向くように横置きにし、上部が開口する複数の隔壁2によって圧力容器1の内部を該中心軸方向に並ぶ複数の反応室3a~3eに区画して各々に撹拌機4を備えた構造のオートクレーブ1であって、これら複数の隔壁2のうち少なくとも上流側半分の各々をその上流側の反応室から見たとき、該上流側の反応室に設けた撹拌機4の回転により生ずる接線方向の流れが、隣接する下流側の反応室を区画する隔壁2において略垂直に当たる側の上端部高さが部分的に高くなっており、好適には上記複数の隔壁2の各々の上端部は、中央部分が略矩形に切り欠かれることで部分的に低くなっている。
【選択図】 図6
特許請求の範囲【請求項1】
円筒状の圧力容器をその中心軸が水平方向を向くように横置きにし、上部が開口する複数の隔壁によって該圧力容器の内部を該中心軸方向に並ぶ複数の反応室に区画して各々に撹拌機を備えた構造のオートクレーブであって、前記複数の反応室のうち一方の末端に位置する最上流側の反応室に連続的に原料スラリーが供給されると共に他方の末端に位置する最下流側の反応室から浸出スラリーが抜出される構成であり、前記複数の隔壁のうち少なくとも上流側半分の各々をその上流側の反応室から見たとき、該上流側の反応室に設けた前記撹拌機の回転により生ずる接線方向の流れが、隣接する下流側の反応室を区画する隔壁において略垂直に当たる側の上端部高さが部分的に高くなっていることを特徴とするオートクレーブ。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記複数の隔壁の各々の上端部は、中央部分が略矩形に切り欠かれることで部分的に低くなっていることを特徴とする、請求項1に記載のオートクレーブ。
【請求項3】
前記最上流側の反応室にニッケル硫化物、コバルト硫化物、亜鉛硫化物、及びカドミウム硫化物のうちの少なくともいずれかを含む金属硫化物に水を加えて調製した前記原料スラリーが導入され、該原料スラリーは前記複数の隔壁の上端部をオーバーフローして順次下流側の反応室に移送されることで段階的に加圧酸化浸出処理が施されることを特徴とする、請求項2に記載のオートクレーブ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、オートクレーブに関し、特に高温高圧下において金属化合物の浸出処理を行なうオートクレーブに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
ニッケルに代表される非鉄金属の製錬では、粉粒状の金属化合物原料に水を加えて調製したスラリーを高温高圧下で処理して該金属化合物原料に含まれるニッケルなどの有価金属を回収する加圧浸出処理が行われており、この処理には円筒状の圧力容器をその中心軸が水平方向を向くように横置きにして複数の隔壁によって内部を複数の反応室に区画した構造のオートクレーブが用いられている。例えば、ニッケル製錬においては、原料としての硫化ニッケルを主成分とする微粉末状のニッケルマット及び微粉末状の硫黄を含む混合スラリーをオートクレーブに装入し、高圧空気を吹き込んで高温高圧下で加圧酸化浸出処理を行なうことにより、硫酸ニッケルを生成している。
【0003】
また、低Ni品位のニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸及び高圧蒸気を加えて高温高圧下で浸出処理して有価金属のニッケル及びコバルトを硫酸塩として浸出させる高圧酸浸出法(High Pressure Acid Leaching)や、この高圧酸浸出処理により生成したニッケル及びコバルトの硫酸塩に硫化剤を添加することにより生成されるニッケルコバルト混合硫化物(MS)のスラリーに高圧空気を吹き込んで高温高圧下で浸出処理して硫酸ニッケル及び硫酸コバルトを生成する加圧酸化浸出法においてもオートクレーブが用いられている。
【0004】
上記のオートクレーブにおいては、隔壁の上部が開口しており、この隔壁の上端部をスラリーがオーバーフローすることで、最上流側の反応室に導入した原料スラリーを順次下流側の反応室に移送できるようになっている。なお、隔壁には下部に通液口が設けられることがあり、この場合はスラリーに含まれる固形分が反応室の底部に堆積しても下流側の反応室に移送することが可能になる。このように、オートクレーブに装入された原料スラリーは、複数の反応室に順次移送されることで浸出処理が段階的に進行していくことになる。このため、オートクレーブにおいて効率よく浸出処理を行なうには、互いに隣接する上流側の反応室から下流側の反応室へのスラリーの移送に際して、該スラリーができるだけショートパスしないようにして各反応室における滞留時間を確保することが望ましい。そこで、上記の互いに隣接する反応室同士の間でショートパスが生じるのを抑制する様々な構造のオートクレーブが提案されている。
【0005】
例えば特許文献1には、隔壁の下部に設けた通液口の開口面積を規定することで常時オーバーフローが生じるようにし、これにより各反応室において所定の液保有量を確保する技術が開示されている。また、特許文献2には、隔壁の下部に設けた通液口に遮蔽部材を設けることで、撹拌機によって生じるスラリーの流れがそのまま通液口を通過してショートパスするのを防ぐ技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-049420号公報
特開2018-040047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1及び2の技術を採用することで、オートクレーブの隔壁の下部に設けた通液口においてスラリーがショートパスするのを効果的に抑制できると考えられるが、オートクレーブの各反応室には撹拌機が設けられており、浸出処理を行なう場合は更にスラリー中に空気や蒸気が吹き込まれるため、各反応室の液面は大きく波立っている。このため、隔壁の上端部をオーバーフローする際に一部のスラリーがショートパスして所望の滞留時間が確保されない問題が生ずることがあった。
【0008】
この場合の対策としては、オートクレーブの容量を大きくして各反応室の滞留時間を長くすることが考えられるが、オートクレーブは高圧容器であるため、法令上の制約により容器本体の改造は非常に困難であり、また設備の改造には多くのコストと手間がかかる。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の隔壁によって内部が複数の反応室に区画された構造のオートクレーブにおいて、その最上流側の反応室に装入した金属化合物スラリーがこれら隔壁をオーバーフローすることにより順次下流側の反応室に移送される際に生じ得るショートパスの問題を多大なコストや手間をかけることなく抑え、これにより各反応室の滞留時間を確保して該金属化合物の浸出処理の効率を高めることが可能なオートクレーブを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明が提供するオートクレーブは、円筒状の圧力容器をその中心軸が水平方向を向くように横置きにし、上部が開口する複数の隔壁によって該圧力容器の内部を該中心軸方向に並ぶ複数の反応室に区画して各々に撹拌機を備えた構造のオートクレーブであって、前記複数の反応室のうち一方の末端に位置する最上流側の反応室に連続的に原料スラリーが供給されると共に他方の末端に位置する最下流側の反応室から反応後スラリーが抜出される構成であり、前記複数の隔壁のうち少なくとも上流側半分の各々をその上流側の反応室から見たとき、該上流側の反応室に設けた前記撹拌機の回転により生ずる接線方向の流れが、隣接する下流側の反応室を区画する隔壁において略垂直に当たる側の上端部高さが部分的に高くなっていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、オートクレーブ内におけるスラリーのショートパスを抑えることができるので、浸出処理の効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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