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公開番号2024171237
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-11
出願番号2023088205
出願日2023-05-29
発明の名称肌焼鋼
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20241204BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】浸炭時の結晶粒粗大化を抑制可能な肌焼鋼について提案する。
【解決手段】C:0.10~0.35質量%、Si:0.01~2.00質量%、Mn:0.20~1.90質量%、P:0.1質量%以下、S:0.5質量%以下、Cr:0.20~2.00質量%、Al:0.010~0.090質量%、N:0.0010~0.0250質量%およびNb:0.010~0.100質量%を含み、残部はFe及び不純物からなる成分組成を有し、Nb偏析度(CNb/C0Nb)の標準偏差σNbがσNb≦75を満足する肌焼鋼。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
C:0.10~0.35質量%、
Si:0.01~2.00質量%、
Mn:0.20~1.90質量%、
P:0.1質量%以下、
S:0.5質量%以下、
Cr:0.20~2.00質量%、
Al:0.010~0.090質量%、
N:0.0010~0.0250質量%および
Nb:0.010~0.100質量%
を含み、残部はFe及び不純物からなる成分組成を有し、Nb偏析度(C
Nb
/C0
Nb
)の標準偏差σ
Nb
が次式(1)を満足する肌焼鋼。
σ
Nb
≦75 …(1)
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記成分組成はさらに、以下のA~C群のいずれか1以上の群より選ばれる1種以上を含有する請求項1に記載の肌焼鋼。
A群
Mo:0.35質量%以下、
Cu:1.00質量%以下、
Ni:1.00質量%以下、
V:0.10質量%以下、
B:0.0100質量%以下
B群
Sn:0.100質量%以下、
Sb:0.100質量%以下
C群
Ca:0.300質量%以下、
Se:0.300質量%以下、
Te:0.300質量%以下、
Pb:0.30質量%以下、
Bi:0.30質量%以下

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建産機や自動車分野で用いられる機械構造用部品に供する肌焼鋼に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
浸炭焼入れ焼戻しは鋼部品の疲労特性を向上させる熱処理であり、自動車用の歯車をはじめとし様々な部品に適用されている。上記の浸炭は高温長時間で処理されるため、オーステナイト結晶粒が粗大に成長する場合がある。オーステナイト結晶粒の粗大化は疲労特性に悪影響を与えるため、これの防止が重要である。
【0003】
オーステナイト結晶粒の粗大化を防止する技術として、鋼中に微細析出物を分散させ結晶粒界の移動を阻止させる方法がある。例えば、特許文献1では、Ti及びNbを含有する円相当径10nm未満の炭化物及び炭窒化物の密度と、Ti及びSを含有する円相当径200nm以上の析出物の密度を規定した浸炭処理時の異常粒成長が抑制可能な肌焼鋼が提案されている。また、特許文献2では、熱処理条件を規定することでCrやMoといった元素を拡散させ熱間加工後の組織における偏析を軽減し、高温で浸炭処理を行っても結晶粒の粗大化が生じない肌焼鋼の製造方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-160979号公報
特開2016-74951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、効率的な部品製造のために、熱間鍛造の冷間鍛造への移行および冷間鍛造成形量の増大、さらには浸炭処理の高温化に伴う浸炭処理時間の短縮などが進められており、結晶粒の粗大化抑制が困難なケースが増えている。このような背景において、特許文献1や特許文献2に記載の技術では結晶粒の粗大化を安定して抑制することが難しいところに課題を残していた。
【0006】
本発明は、上記の実情に鑑み開発されたものであり、浸炭時の結晶粒粗大化を抑制可能な肌焼鋼について提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者らは、上記の目的を達成すべく、鋼の浸炭時における結晶粒成長に及ぼす浸炭前組織の影響を鋭意研究した結果、浸炭前の鋼組織においてピン止め効果を有する析出物を形成する、合金元素の偏析が小さいほど、浸炭時の結晶粒粗大化を抑制可能であることを知見した。本発明は、この知見に由来するものであり、その要旨は次の通りである。
【0008】
1.C:0.10~0.35質量%、
Si:0.01~2.00質量%、
Mn:0.20~1.90質量%、
P:0.1質量%以下、
S:0.5質量%以下、
Cr:0.20~2.00質量%、
Al:0.010~0.090質量%、
N:0.0010~0.0250質量%および
Nb:0.010~0.100質量%
を含み、残部はFe及び不純物からなる成分組成を有し、Nb偏析度(C
Nb
/C0
Nb
)の標準偏差σ
Nb
が次式(1)を満足する肌焼鋼。
σ
Nb
≦75 …(1)
【0009】
2.前記成分組成はさらに、
Mo:0.35質量%以下、
Cu:1.00質量%以下、
Ni:1.00質量%以下、
V:0.10質量%以下、
B:0.0100質量%以下
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する前記1に記載の肌焼鋼。
【0010】
3.前記成分組成はさらに、
Sn:0.100質量%以下および
Sb:0.100質量%以下
のうちから選ばれる1種または2種を含有する前記1または2に記載の肌焼鋼。
(【0011】以降は省略されています)

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