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公開番号2024122304
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023029772
出願日2023-02-28
発明の名称ボルト
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240902BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】優れた耐水素脆性及び優れた低温靭性を有するボルトを提供する。
【解決手段】本開示によるボルトは、質量%で、C:0.15~0.30%、Si:0.01~0.50%、Mn:0.50~1.20%未満、P:0.020%以下、S:0.020%以下、Cu:0.10~0.60%、Ni:0.10~0.60%、Cr:0~0.20%、Mo:0.01~0.60%、Sn:0.010~0.500%、Al:0.005~0.060%、N:0.0010~0.0080%、B:0.0002~0.0050%、及び、Ti:0.005~0.100%、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、式(1)で定義されるYが3.00以上である。
Y=([Mn]GB+[Mo]GB)/([Mn]+[Mo]) (1)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ボルトであって、
化学組成が、質量%で、
C:0.15~0.30%、
Si:0.01~0.50%、
Mn:0.50~1.20%未満、
P:0.020%以下、
S:0.020%以下、
Cu:0.10~0.60%、
Ni:0.10~0.60%、
Cr:0~0.20%
Mo:0.01~0.60%、
Sn:0.010~0.500%、
Al:0.005~0.060%、
N:0.0010~0.0080%、
B:0.0002~0.0050%、及び、
Ti:0.005~0.100%、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
前記化学組成中の原子%でのMn含有量を[Mn]とし、前記化学組成中の原子%でのMo含有量を[Mo]とし、
前記ボルトの旧オーステナイト粒界での原子%でのMn含有量を[Mn]
GB
とし、前記旧オーステナイト粒界での原子%でのMo含有量を[Mo]
GB
としたとき、
式(1)で定義されるYが3.00以上である、
ボルト。
Y=([Mn]
GB
+[Mo]
GB
)/([Mn]+[Mo]) (1)
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
ボルトであって、
化学組成が、質量%で、
C:0.15~0.30%、
Si:0.01~0.50%、
Mn:0.50~1.20%未満、
P:0.020%以下、
S:0.020%以下、
Cu:0.10~0.60%、
Ni:0.10~0.60%、
Cr:0~0.20%、
Mo:0.01~0.60%、
Sn:0.010~0.500%、
Al:0.005~0.060%、
N:0.0010~0.0080%、
B:0.0002~0.0050%、及び、
Ti:0.005~0.100%、を含有し、
前記化学組成はさらに、第1群及び第2群からなる群から選択される1種以上を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
前記化学組成中の原子%でのMn含有量を[Mn]とし、前記化学組成中の原子%でのMo含有量を[Mo]とし、
前記ボルトの旧オーステナイト粒界での原子%でのMn含有量を[Mn]
GB
とし、前記旧オーステナイト粒界での原子%でのMo含有量を[Mo]
GB
としたとき、
式(1)で定義されるYが3.00以上である、
ボルト。
[第1群]
V:0.050%以下、及び、
Nb:0.030%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0050%以下、及び、
希土類元素:0.0200%以下、からなる群から選択される1種以上
Y=([Mn]
GB
+[Mo]
GB
)/([Mn]+[Mo]) (1)
【請求項3】
請求項2に記載のボルトであって、
前記化学組成は、前記第1群を含有する、
ボルト。
【請求項4】
請求項2に記載のボルトであって、
前記化学組成は、前記第2群を含有する、
ボルト。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ボルトに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
ボルトは、産業機械、自動車、橋梁及び建築物等の締結手段として用いられる。近年、産業機械及び自動車の高性能化、及び、建築物等の大型化に伴い、直径が20mmを超える太径のボルトが多用されている。
【0003】
上述の用途のうち、橋梁や建築物等は、海浜地域に建てられたり、寒冷地に建てられたりする場合がある。海浜地域は塩分の多い腐食環境である。また、寒冷地では、融雪塩や凍結防止剤が使用される場合がある。融雪塩や凍結防止剤は、ボルトを腐食する。つまり、寒冷地も腐食環境である場合が多い。
【0004】
上述の腐食環境では、水素脆化が起こりやすい。したがって、腐食環境で用いられるボルトでは、優れた耐水素脆性が求められる。
【0005】
耐水素脆性を高める技術が、特開2008-274367号公報(特許文献1)に提案されている。
【0006】
特許文献1に開示されたボルトは、質量%で、C:0.15~0.6%、Si:0.05~0.5%、Mn及びCr:合計で0.5~3.5%、P:0.05%以下、S:0.03%以下、Cu:0.3%未満、Ni:1%未満、O:0.01%以下、及び、Sn:0.05~0.50%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、Cu/Sn比が1以下である組成を有する。この文献では、Snを含有することで耐水素脆性を高めることができる、と特許文献1には記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2008-274367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ボルトは上述のように寒冷地で用いられる場合がある。そのため、ボルトには、優れた耐水素脆性だけでなく、優れた低温靭性も求められる。しかしながら、特許文献1では、低温靭性について検討されていない。
【0009】
本発明の目的は、優れた耐水素脆性及び優れた低温靭性を有するボルトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示によるボルトは、
化学組成が、質量%で、
C:0.15~0.30%、
Si:0.01~0.50%、
Mn:0.50~1.20%未満、
P:0.020%以下、
S:0.020%以下、
Cu:0.10~0.60%、
Ni:0.10~0.60%、
Cr:0~0.20%
Mo:0.01~0.60%、
Sn:0.010~0.500%、
Al:0.005~0.060%、
N:0.0010~0.0080%、
B:0.0002~0.0050%、及び、
Ti:0.005~0.100%、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
前記化学組成中の原子%でのMn含有量を[Mn]とし、前記化学組成中の原子%でのMo含有量を[Mo]とし、
前記ボルトの旧オーステナイト粒界での原子%でのMn含有量を[Mn]
GB
とし、前記旧オーステナイト粒界での原子%でのMo含有量を[Mo]
GB
としたとき、
式(1)で定義されるYが3.00以上である。
Y=([Mn]
GB
+[Mo]
GB
)/([Mn]+[Mo]) (1)
(【0011】以降は省略されています)

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