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公開番号2024126097
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034264
出願日2023-03-07
発明の名称通信装置及び通信システム
出願人矢崎総業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H04W 40/12 20090101AFI20240912BHJP(電気通信技術)
要約【課題】アドホックネットワークにおいて、通信の安定性を確保しつつ、通信遅延を効果的に削減することが可能な通信装置及び通信システムを提供する。
【解決手段】通信装置10aは、アドホックネットワークにおいて、リング状の固定ルートを形成する複数の通信装置10a~10hに含まれて、送信部21、取得部33、算出部35、及び経路選定部37を備える。取得部33は、自装置と、通信データの宛先となる固定ルート内又は前記固定ルート外の通信装置との間の通信経路を複数取得する。算出部35は、取得した各通信経路における通信遅延及び不安定性の程度を示す評価値を算出する。経路選定部37は、算出した評価値に基づいて、複数の通信経路のうち、評価値が最も低い通信経路を選定する。送信部21は、通信経路内で自装置に隣接する通信装置に通信データを送信して、通信経路内の各通信装置に通信データを中継させる。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
アドホックネットワークにおいて、リング状の固定ルートを形成する複数の通信装置に含まれる通信装置であって、
自装置と、通信データの宛先となる、前記固定ルート内又は前記固定ルート外の通信装置との間の通信経路を複数取得する取得部と、
取得した各通信経路における通信遅延及び不安定性の程度を示す評価値を算出する算出部と、
算出した前記評価値に基づいて、前記複数の通信経路のうち、前記評価値が最も低い通信経路を選定する経路選定部と、
選定した前記通信経路にオーバーヒアルートが含まれる場合、少なくとも、前記オーバーヒアルートを利用する前記通信経路内の通信装置を識別する情報を、前記通信データに設定する設定部と、
前記通信経路内で前記自装置に隣接する通信装置に前記通信データを送信して、前記通信経路内の各通信装置に前記通信データを中継させる送信部と、
を備える通信装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記算出部は、前記通信経路のホップ数と、前記通信経路に含まれる各通信装置の通信発生数及び通信成功率とに基づいて、前記評価値を算出し、
前記ホップ数は、前記通信経路内で通信装置間の通信が行われる回数であり、
前記通信発生数は、前記通信経路に含まれる各通信装置が、規定期間内に通信を行った回数であり、
前記通信成功率は、前記通信経路に含まれる各通信装置が、前記規定期間内に、前記通信経路内で隣接する通信装置との間で通信が成功した割合である請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記通信経路に沿って、各通信装置の前記通信発生数を合計した値を、前記ホップ数に加算することにより、第1の値を取得し、
前記算出部は、前記第1の値に通信数の期待値を乗算することにより、前記評価値として、第2の値を取得し、
前記通信数の期待値は、前記通信経路に沿って、各通信装置の前記通信成功率を乗算した値の逆数で表される請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記設定部は、選定した前記通信経路内の各通信装置を識別する情報を、前記通信データを中継する順番に、前記通信データに設定する請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記固定ルート内の各通信装置の通信発生数及び通信成功率を含む装置情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記通信発生数は、前記固定ルート内の各通信装置が、前記規定期間内に通信を行った回数であり、
前記通信成功率は、前記固定ルート内の各通信装置が、前記規定期間内に、前記固定ルート又はオーバーヒアルートを介して隣接する通信装置との間で通信が成功した割合であり、
前記算出部は、前記装置情報を参照して、前記評価値を算出する請求項2に記載の通信装置。
【請求項6】
前記固定ルート又は前記オーバーヒアルートを介して前記自装置に隣接する通信装置から、前記隣接する通信装置が有する装置情報を定期的に受信する受信部と、
受信した前記装置情報に含まれる、前記固定ルート内の他の通信装置の通信発生数及び通信成功率に基づいて、前記記憶部に記憶した前記装置情報に含まれる、前記固定ルート内の他の通信装置の通信発生数及び通信成功率を更新する更新部と、
を更に備える請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記更新部は、前記規定期間毎に、前記自装置の通信発生数及び前記通信成功率を取得して、前記記憶部に記憶した前記装置情報に含まれる、前記自装置の通信発生数及び通信成功率を更新する請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記送信部は、前記記憶部に記憶した前記装置情報を、前記隣接する通信装置に定期的に送信し、
前記更新部は、前記規定期間毎に、前記自装置が、前記隣接する通信装置との間で、前記装置情報の送信に成功した割合を、前記通信成功率として取得する請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
アドホックネットワークにおいて、リング状の固定ルートを形成する複数の通信装置に含まれる第1通信装置と、
通信データの宛先となる、前記固定ルート内又は前記固定ルート外の第2通信装置と、
を備え、
前記第1通信装置は、
自装置と前記第2通信装置との間の通信経路を複数取得する取得部と、
取得した各通信経路における通信遅延及び不安定性の程度を示す評価値を算出する算出部と、
算出した前記評価値に基づいて、前記複数の通信経路のうち、前記評価値が最も低い通信経路を選定する経路選定部と、
選定した前記通信経路にオーバーヒアルートが含まれる場合、少なくとも、前記オーバーヒアルートを利用する前記通信経路内の通信装置を識別する情報を、前記通信データに設定する設定部と、
前記通信経路内で前記自装置に隣接する通信装置に前記通信データを送信して、前記通信経路内の各通信装置に前記通信データを中継させる送信部と、
を備える通信システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及び通信システムに関する。
続きを表示(約 1,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、基地局、アクセスポイントなどのインフラストラクチャを利用せずに、複数の装置が、無線ネットワークを形成するアドホックネットワークが知られている。
【0003】
アドホックネットワークでは、送信装置が受信装置と直接通信できない場合、当該ネットワークに属する他の装置が中継装置となって、送信装置の代わりに、受信装置に向けて、通信データを送信する。
【0004】
特許文献1に開示されたアドホックネットワークでは、複数の装置が、リング状に接続されて、固定ルートを形成する。固定ルート内の各装置には、固定ルート外の1つ以上の装置が接続可能である。
【0005】
このような構成において、固定ルート内又は固定ルート外の各装置は、送信装置又は受信装置になり得る。送信装置が、受信装置と直接通信できない場合、通信データは、固定ルートを介して中継される。
【0006】
固定ルート内の中継装置が、固定ルート内で中継されている通信データを、オーバーヒア(傍受)する場合、固定ルート内にオーバーヒアルートが形成される。この場合、通信データの通信経路として、オーバーヒアルートを利用することにより、固定ルート内の中継経路を短縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2022-82848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、オーバーヒアルートは、固定ルートよりも通信が不安定である。このため、通信データの通信経路として、オーバーヒアルートを利用する場合、通信データの中継が成功しない可能性がある。この場合、通信データの再送などにより、通信遅延が発生する。
【0009】
したがって、アドホックネットワークにおいて、通信遅延を効果的に削減するためには、更なる改善が望まれていた。
【0010】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、アドホックネットワークにおいて、通信の安定性を確保しつつ、通信遅延を効果的に削減することが可能な通信装置及び通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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