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公開番号2024125924
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023034063
出願日2023-03-06
発明の名称電熱式キューポラシステム
出願人有限会社 ベイテック
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C21B 11/10 20060101AFI20240911BHJP(鉄冶金)
要約【課題】 CO2ガスの発生を抑えた電熱式キューポラシステムを提供する。
【解決手段】 この電熱式キューポラシステムは、溶解炉として三相クリプトール炉を備え、三相クリプトール炉101の下部にクリプトール粒ベッド部105が設けられ、クリプトール粒ベッド部105に、電熱エネルギーをキャリアガスに乗せて投入し、クリプトール粒ベッド部105上に存在する溶解原料を溶解させるものである。三相クリプトール炉101には、クリプトール粒ベッド部105上に溶解原料を装入する原料装入手段3と、三相クリプトール炉101から排出されるキャリアガスを回収して循環使用するガス循環手段4を備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
電熱式のキューポラシステムであって、
溶解炉の下部にクリプトール粒ベッド部と、
前記クリプトール粒ベッド部にキャリアガスを供給するガス供給手段と、を備え、
電熱エネルギーを前記キャリアガスに乗せて投入し、前記クリプトール粒ベッド部上に存在する溶解原料を溶解させることを特徴とする、
電熱式キューポラシステム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記溶解炉から排出される前記キャリアガスを回収して、キャリアガスを循環使用するガス循環手段をさらに備えることを特徴とする、
請求項1記載の電熱式キューポラシステム。
【請求項3】
前記ガス循環手段は、
入口側にダストフィルターを有し前記キャリアガスを循環させるブロワを有する、
請求項2記載の電熱式キューポラシステム。
【請求項4】
前記ブロワは、
ルーツブロワで、前記ダストフィルターの上流側にガスクーラーが設けられている、
請求項3記載の電熱式キューポラシステム。
【請求項5】
前記溶解炉に設けられ前記クリプトール粒ベッド部上に、溶解原料を装入する原料装入手段をさらに備え、
前記原料装入手段は、外気の混入を遮断した状態での装入を可能とする断続装入式であることを特徴とする、
請求項1記載の電熱式キューポラシステム。
【請求項6】
前記原料装入手段は、
蓋が開閉可能に設けられ原料が投入される原料投入シュートと、
前記原料投入シュート内部をシュート上部室とシュート下部室とに分割する遮断弁と、
前記シュート上部室を排気する排気ポンプと、
前記シュート上部室からの排気と前記シュート上部室への循環ガスの導入とを切り替える電磁弁手段とを備える、
請求項5記載の電熱式キューポラシステム。
【請求項7】
前記溶解炉は、
筒形の炉殻の内部に炉体耐火物を設け、3つの給電端子部を前記炉殻の内側に120°間隔で配置し、前記炉体耐火物及び前記給電端子部の内側にクリプトール粒を充填してクリプトール粒ベッド部とする三相クリプトール炉であり、
前記クリプトール粒ベッド部の上方に、溶解原料を装入する原料装入部が配置され、
前記給電端子部は、前記クリプトール粒ベッド部の外周に接触する電極板と、一端部が前記電極板に結合され他端部が前記炉殻の外側に突出している給電ロッドと、を有し、
前記ガス供給手段が、前記クリプトール粒ベッド部を通って上方に排出されるように、前記給電ロッドを用いてガスを供給するものである、
請求項1記載の電熱式キューポラシステム。
【請求項8】
前記ガス供給手段は、
前記給電端子部に設けられ前記炉殻と前記電極板との間に空隙部を形成する支え枠と、
前記給電ロッドに設けられ前記空隙部にガスを供給するガス通路と、
前記電極板に設けられ前記空隙部から前記クリプトール粒ベッド部に前記ガスを供給する複数の小孔と、を有する、
請求項7記載の電熱式キューポラシステム。
【請求項9】
前記キャリアガスは、酸化性ガス以外のガスである、
請求項1または4記載の電熱式キューポラシステム。
【請求項10】
前記キャリアガスは、N
2
ガス、Arガスなどの不活性ガス、またはH
2
ガスなどの還元性ガスである、
請求項1記載の電熱式キューポラシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電熱式キューポラシステムに関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来国内外を問わず、鋳鉄鋳物の製造に用いられる溶解炉としては、連続溶解炉としてキューポラと、バッチ式溶解炉であるアーク炉や誘導炉が主に用いられている。これらの炉の中で、キューポラは原料溶解の熱源としてのコークスが用いられるため、コークス燃焼の際、地球温暖化の原因となるCO
2
ガスを大量に発生し、現在世界的目標である生産活動の脱CO
2
ガス化行動の阻害要因として強く指摘されている。
【0003】
この理由により鋳物業界ではキューポラを誘導式電気炉に置き換える方向に進みつつあるが、キューポラと誘導炉では原料の相違や溶解から鋳造までの生産方式の相違などのため、溶解炉のみでなく、その前後の設備の変更も必要になり、多大の資金と時間を投下しなければならない。
【0004】
ところで、溶解炉には、アーク炉や誘導炉の他に、炭素や黒鉛を素材とするクリプトール粒の集合体に、交流電流を通してクリプトール粒の接触抵抗によるジュール熱によって発生する高熱を利用する、単相電流による単相クリプトール炉が知られている。また、このような単相クリプトール炉が改良され、三相交流を用いた三相クリプトール炉も開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
そして、発明者らは、上記のクリプトール炉についてさらに研究を進め、クリプトール粒ベッド部に熱エネルギーの搬送媒体としてガスを供給することで、クリプトール粒ベッド部の均熱性を確保することができる三相クリプトール炉を開発し、先に出願している(特願2022-180233号)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭59-225283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、従来のキューポラではコークス燃焼の際にCO
2
が大量に発生するという課題がある。また、従来のキューポラを誘導式電気炉に置き換える場合、設備の変更も必要になり、多大の資金と時間を投下しなければならないという課題がある。
【0008】
この課題を解決するため、従来型のキューポラの基本構造は変えず、部分的改造によってコークスの使用量を大幅に減らすことができる電熱式キューポラという新型キューポラとすることが考えられる。
【0009】
そして、発明者らは、先にした特許出願(特願2022-180233号参照)のクリプトール炉の原理をキューポラに利用することで、これらの課題を解決できると考えた。
【0010】
すなわち、従来のキューポラでは、炉の最下部にベッドコークスと言われるコークスのみを大量に充填した部分があり、そこに空気を吹き込みながらコークスを燃焼させて原料を溶解していることころ、上記のクリプトール炉の原理を利用して、熱エネルギーの搬送媒体としてガスを用いることで、クリプトール粒域の均熱性を確保できるとともに、燃焼によるCO
2
の発生を抑えながらも、効率よく原料の溶解を可能にすることできると考えた。
(【0011】以降は省略されています)

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