TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024092681
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-08
出願番号2022208787
出願日2022-12-26
発明の名称鋼材の熱処理方法
出願人大同特殊鋼株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C21D 1/74 20060101AFI20240701BHJP(鉄冶金)
要約【課題】水素を含む雰囲気下で加熱処理された鋼材の水素脆性を防止もしくは抑制しつつ、加熱処理から冷却までの一連の熱処理を生産性高く行うことができる鋼材の熱処理方法を提供する。
【解決手段】鋼材Wを搬送する搬送手段32~36と、加熱手段を備えて鋼材の加熱を行う加熱室20と、加熱室20よりも搬送方向下流側に位置し、冷却手段を備えて鋼材Wの冷却を行う冷却室24と、加熱室20と冷却室24との間に位置し、加熱室20の開口を閉塞する開閉扉45と、冷却室24の開口を閉塞する開閉扉96aとにより、加熱室20および冷却室24からそれぞれ区画された中間室22と、を備えた連続式熱処理炉10を用い、水素を含む雰囲気の加熱室20にて加熱処理された直後の高温状態の鋼材Wを、不活性ガス雰囲気下の中間室22に所定時間滞留させた後、冷却室24に搬送して所定温度までの冷却を行う。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
鋼材を搬送する搬送手段と、
加熱手段を備えて前記鋼材の加熱を行う加熱室と、
前記加熱室よりも搬送方向下流側に位置し、冷却手段を備えて前記鋼材の冷却を行う冷却室と、
前記加熱室と前記冷却室との間に位置し、前記加熱室の搬送方向下流側の開口を閉塞する開閉扉と、前記冷却室の搬送方向上流側の開口を閉塞する開閉扉とにより、前記加熱室および前記冷却室からそれぞれ区画された中間室と、
を備えた連続式熱処理炉を用い、
水素を含む雰囲気の前記加熱室にて加熱処理された直後の高温状態の前記鋼材を、不活性ガス雰囲気下の前記中間室に所定時間滞留させた後、前記冷却室に搬送して所定温度までの冷却を行う、鋼材の熱処理方法。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記中間室において前記鋼材を2分以上滞留させる、請求項1に記載の鋼材の熱処理方法。
【請求項3】
前記中間室に搬送された前記鋼材が200℃に冷却されるまでの平均冷却速度が20℃/分以下となるように前記冷却室にて前記鋼材の冷却を行う、請求項2に記載の鋼材の熱処理方法。
【請求項4】
前記鋼材が線材コイルであって、
前記冷却室に設けた前記線材コイルの上端に被せられる蓋部と、前記線材コイルの直下から前記線材コイルの内径穴に冷却用ガスを送り込むガス送込装置と、を用いて、前記線材コイルの冷却を行う、請求項1~3の何れかに記載の鋼材の熱処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、鋼材の熱処理方法に関し、詳しくは加熱から冷却までを連続的に行う連続式熱処理炉を用いた鋼材の熱処理方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
鋼材を生産性高く熱処理するための手段として、加熱から冷却までを連続的に行う連続熱処理炉が用いられている(例えば下記特許文献1参照)。
ここで鋼材の熱処理に際しては、その目的に応じて様々なガスが用いられる。例えば、焼鈍処理に際し鋼材表面の酸化を防止するため水素を含む雰囲気下で加熱処理が実施される場合がある。
【0003】
しかしながら水素を含む雰囲気下で加熱処理された鋼材については、水素が鋼材中へ侵入することで延性や靱性が著しく損なわれる水素脆性が問題となる。
鋼材中における水素の残存を防ぐ方法としては、加熱処理後の冷却において緩やかに(冷却速度を抑えて)冷却する方法や、一連の熱処理を終えた鋼材に対し、別途の脱水素処理(一般的には約200℃で1~3時間程度加熱する)を行う方法などが知られているが、これらの方法はいずれも生産性、製造コストの点で問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-15953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような事情を背景とし、水素を含む雰囲気下で加熱処理された鋼材の水素脆性を防止もしくは抑制しつつ、加熱処理から冷却までの一連の熱処理を生産性高く行うことができる鋼材の熱処理方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
而して本発明は、
鋼材を搬送する搬送手段と、
加熱手段を備えて前記鋼材の加熱を行う加熱室と、
前記加熱室よりも搬送方向下流側に位置し、冷却手段を備えて前記鋼材の冷却を行う冷却室と、
前記加熱室と前記冷却室との間に位置し、前記加熱室の搬送方向下流側の開口を閉塞する開閉扉と、前記冷却室の搬送方向上流側の開口を閉塞する開閉扉とにより、前記加熱室および前記冷却室からそれぞれ区画された中間室と、
を備えた連続式熱処理炉を用い、
水素を含む雰囲気の前記加熱室にて加熱処理された直後の高温状態の前記鋼材を、不活性ガス雰囲気下の前記中間室に所定時間滞留させた後、前記冷却室に搬送して所定温度までの冷却を行うことを特徴とする。
【0007】
従来の連続式熱処理炉を用いた熱処理方法にあっては、加熱処理後に実施される冷却室での冷却速度を速くすると鋼中に水素が残存してしまうところ、本発明によれば、加熱処理された直後の高温状態の鋼材を中間室に一時滞留させることで脱水素(鋼中の水素の放出)が促進されるため、その後に行う冷却室での冷却の速度を従来よりも高めることができる。このため本発明によれば、水素を含む雰囲気下で加熱された鋼材の水素脆性を防止もしくは抑制しつつ、加熱処理から冷却までの一連の熱処理を生産性高く行うことができる。
【0008】
ここで本発明では、前記中間室において前記鋼材を2分以上滞留させることができる。
【0009】
また本発明では、前記中間室に搬送された前記鋼材が200℃に冷却されるまでの平均冷却速度が20℃/分以下となるように、前記冷却室にて前記鋼材の冷却を行うことができる。
【0010】
また本発明では、前記鋼材が線材コイルの場合、前記冷却室に設けた前記線材コイルの上端に被せられる蓋部と、前記線材コイルの直下から前記線材コイルの内径穴に冷却用ガスを送り込むガス送込装置と、を用いて、前記線材コイルの冷却を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

大同特殊鋼株式会社
溶解炉
13日前
大同特殊鋼株式会社
浸炭用鋼
1か月前
大同特殊鋼株式会社
熱処理方法
1か月前
大同特殊鋼株式会社
横型鍛造装置
1か月前
大同特殊鋼株式会社
棒材計数装置
1か月前
大同特殊鋼株式会社
渦流探傷装置
7日前
大同特殊鋼株式会社
鋼材及び金型
6日前
大同特殊鋼株式会社
コンベア装置
26日前
大同特殊鋼株式会社
投射用金属粉末
1か月前
大同特殊鋼株式会社
工具鋼の製造方法
1か月前
大同特殊鋼株式会社
鋼線材の皮削り工具
12日前
大同特殊鋼株式会社
表面疵の深さ推定方法
7日前
大同特殊鋼株式会社
抵抗体及びその製造方法
1か月前
大同特殊鋼株式会社
被検ワークのマスキング方法
1か月前
大同特殊鋼株式会社
酸窒化用鋼および酸窒化部品
1か月前
大同特殊鋼株式会社
窒化用鋼および浸硫窒化部品
1か月前
大同特殊鋼株式会社
溶解設備および溶解設備の操業方法
13日前
大同特殊鋼株式会社
冷却装置および線材コイルの冷却方法
1か月前
日本製鉄株式会社
転炉精錬方法
3か月前
株式会社プロテリアル
鋼材の製造方法
2か月前
日本製鉄株式会社
転炉吹錬方法
6か月前
日本製鉄株式会社
溶鋼の製造方法
2か月前
日本製鉄株式会社
溶銑の製造方法
2か月前
日本製鉄株式会社
溶鋼の製造方法
5か月前
日本製鉄株式会社
溶銑の脱珪方法
6か月前
日本製鉄株式会社
電気炉の精錬方法
5か月前
株式会社不二越
熱処理システム
5か月前
株式会社不二越
熱処理システム
3か月前
日本製鉄株式会社
溶鋼の脱窒処理方法
5か月前
大同特殊鋼株式会社
肌焼鋼の製造方法
5か月前
株式会社不二越
熱処理システム
2か月前
大同特殊鋼株式会社
工具鋼の製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
溶鋼の脱窒処理方法
1か月前
株式会社神戸製鋼所
高炉用羽口
4か月前
日本製鉄株式会社
高炉の操業方法
1か月前
株式会社小熊鉄工所
鎮静剤製造設備
1か月前
続きを見る