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公開番号2024124308
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023170410
出願日2023-09-29
発明の名称放射性同位体標識診療薬剤
出願人国立大学法人金沢大学
代理人弁理士法人眞久特許事務所
主分類A61K 51/08 20060101AFI20240905BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】腫瘍への集積効率、滞留性に優れたラジオセラノスティクス用薬剤の提供。
【解決手段】下記式(II)で表される化合物を含む、放射性同位体標識診療薬剤。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024124308000010.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">78</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
(X1はハロゲン、Mは金属、X1とMとの少なくとも1つは放射性同位体元素。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記化学式(I)
TIFF
2024124308000009.tif
78
170
(式(I)中、X

は放射性同位体ハロゲン元素又はそれの非放射性同位体ハロゲン元素であり、Mは放射性同位体金属元素又はそれの非放射性同位体金属元素であって、X

とMとの少なくとも何れかが放射性同位体元素である。n1は2~4の数である。)で示される放射性同位体標識プローブ診断薬化合物及び/又は放射性同位体標識プローブ治療薬化合物を、有することを特徴とする放射性同位体標識診療薬剤。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記放射性同位体標識プローブ診断薬化合物と前記放射性同位体標識プローブ治療薬化合物との組み合わせを有するラジオセラノスティクス薬剤であることを特徴とする請求項1に記載の放射性同位体標識診療薬剤。
【請求項3】
前記ラジオセラノスティクス薬剤が、
前記式(I)中、X

は診断用の前記放射性同位体ハロゲン元素であり、Mは前記非放射性同位体金属元素である前記放射性同位体標識プローブ診断薬化合物と、
前記式(I)中、X

は前記非放射性同位体ハロゲン元素であり、Mは治療用の前記放射性同位体金属元素である前記放射性同位体標識プローブ治療薬化合物と
の組み合わせ、
前記式(I)中、X

は治療用の前記放射性同位体ハロゲン元素であり、Mは前記非放射性同位体金属元素である前記放射性同位体標識プローブ治療薬化合物と、
前記式(I)中、X

は前記非放射性同位体ハロゲン元素であり、Mは診断用の前記放射性同位体金属元素である前記放射性同位体標識プローブ診断薬化合物と
の組み合わせ、
前記式(I)中、X

は診断用の第一の前記放射性同位体ハロゲン元素であり、Mは前記非放射性同位体金属元素である前記放射性同位体標識プローブ治療薬化合物と、
前記式(I)中、X

は治療用の第二の前記放射性同位体ハロゲン元素であり、Mは前記非放射性同位体金属元素である前記放射性同位体標識プローブ治療薬化合物と
の組み合わせ、若しくは
前記式(I)中、X

は前記非放射性同位体ハロゲン元素であり、Mは第一の診断用の前記放射性同位体金属元素である前記放射性同位体標識プローブ治療薬化合物と、
前記式(I)中、X

は前記非放射性同位体ハロゲン元素であり、Mは第二の治療用の前記放射性同位体金属元素である前記放射性同位体標識プローブ診断薬化合物と
の組み合わせ
であることを特徴とする請求項2に記載の放射性同位体標識診療薬剤。
【請求項4】
前記放射性同位体ハロゲン元素又はそれの非放射性同位体ハロゲン元素が、臭素、ヨウ素、及びアスタチンから選ばれ、前記放射性同位体金属元素又はそれの非放射性同位体金属元素が、銅、ガリウム、インジウム、ルテチウム、アクチニウム、ビスマス及び鉛から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の放射性同位体標識診療薬剤。
【請求項5】
前記放射性同位体ハロゲン元素が、
76
Br及び/又は
77
Brである前記臭素と、
123
I、
124
I、
125
I及び/又は
131
Iである前記ヨウ素と、
211
Atである前記アスタチンとから選ばれる少なくとも何れかであり、前記放射性同位体金属元素が、
64
Cu及び/又は
67
Cuである前記銅と、
67
Ga及び/又は
68
Gaである前記ガリウムと、
111
Inである前記インジウムと、
177
Luである前記ルテチウムと、
225
Acである前記アクチニウムと、
212
Bi及び/又は
213
Biである前記ビスマスと、
212
Pbである前記鉛とから選ばれる少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1に記載の放射性同位体標識診療薬剤。
【請求項6】
前記放射性同位体標識プローブ診断薬化合物が体内動態検討用であり、前記放射性同位体標識プローブ治療薬化合物が体内放射線治療用であることを特徴とする請求項1に記載の放射性同位体標識診療薬剤。
【請求項7】
前記放射性同位体標識プローブ診断薬化合物及び/又は前記放射性同位体標識プローブ治療薬化合物と、アルブミン阻害剤とを、有することを特徴とする請求項1に記載の放射性同位体標識診療薬剤。
【請求項8】
前記アルブミン阻害剤が、前記放射性同位体標識プローブ診断薬化合物及び/又は前記放射性同位体標識プローブ治療薬化合物に含有され又は組み合わせられていることを特徴とする請求項7に記載の放射性同位体標識診療薬剤。
【請求項9】
前記アルブミン阻害剤が、アルブミン結合サイトIIへの結合化合物であることを特徴とする請求項7に記載の放射性同位体標識診療薬剤。
【請求項10】
前記アルブミン阻害剤が、(X

-)(X

-)Ph-(O)
n2
-(CH)
n3
-CO-OH(但し、X

-及びX

-は、同一又は異なり、非放射性同位体ハロゲン原子、水素、アミノ基、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、アダマンチル基、又は隣り合って縮環を成す基、-Ph-はフェニレン基、n2は0~1の数、n3は1~4の数)で表されるフェニル基含有脂肪酸、ジアゼパム、イブプロフェン、及び7-アリル-1,3-ジメチル-2,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-1H-プリン-2,6-ジオン-8-イル-3-チオプロピオン酸、並びにそれらの薬学的に許容される塩から選ばれる前記アルブミン結合サイトIIへの結合化合物であることを特徴とする請求項7に記載の放射性同位体標識診療薬剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、核医学診断と核医学治療とを組み合わせて使用するラジオセラノスティクス薬剤に応用可能な放射性同位体標識診療薬剤に関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
核医学診断は、透過性が高いγ線などの診断可能な放射線を放出する放射性同位核種や陽電子(β

)を放出するポジトロン核種で標識されたプローブ診断薬化合物を投与して腫瘍原発巣や進行状態を診断するというものである。腫瘍原発巣に産生されるタンパク質などの腫瘍標的受容体に結合する腫瘍標的親和性基とγ線を放出する放射性標識核種又は陽電子を放出するポジトロン核種とを有するプローブ診断薬化合物を投与して、診断可能なγ線や陽電子が電子と結合した際に放出される消滅放射線を検出するディテクターで検知して専用のシンチカメラで画像化するSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography:単光子放出断層撮像法)やPET(Positron Emission Tomography:ポジトロン断層撮影法)として実用化されている。
【0003】
一方、核医学治療は、細胞障害性が高いα線やβ

線を放出する放射性同位体核種で標識されたプローブ治療薬化合物を投与して、腫瘍原発巣又は転移病巣を縮小若しくは腫瘍細胞を死滅させて治療するというものである。腫瘍原発巣又は転移病巣で腫瘍細胞から産生されるタンパク質などの腫瘍標的受容体に結合する腫瘍標的親和性基とα線やβ

線を放出する放射性核種とを有するプローブ治療薬化合物を投与して、腫瘍原発巣又は転移病巣に集積させ、飛程の短いα線やβ

線を体内から腫瘍細胞に選択的に照射して、近隣の正常細胞に殆ど乃至然程ダメージを与えることなく、腫瘍細胞を選択的に減少乃至死滅させ、少ない副作用で、抗腫瘍効果を得るというものである。
【0004】
核医学診断は診断を主眼とし、核医学治療は治療を主眼としている。しかし、核医学治療による腫瘍治療では、治療開始前に、様々な検査や診断を行い、適切な治療法を決定しなければならない。
【0005】
そのため近年、性質の異なる放射性核種を利用して、同一骨格又は類似骨格を有する化合物で診断と治療とを行えるように、核医学診断と核医学治療とを組み合わせたラジオセラノスティクスという診断・治療法が用いられるようになってきた。ラジオセラノスティクスによれば、診断に用いる診断用の放射性核種を含有する化合物によって、先ず患者毎に、治療効果や副作用の予測、用量の設定を行うことができ、一方、治療に用いる同一骨格又は類似骨格を有するもので治療用の別な放射性核種を含有する化合物によって、治療効果が高く副作用が低く、適切な用量を投与して、患者の負担軽減と効果的治療を図った個別化医療を行うことができる。
【0006】
現在、臨床で行われているラジオセラノスティクスでは、神経内分泌腫瘍の診断・治療に対し
111
In-DTPA-Octreotide(オクトレオスキャン(登録商標))と
177
Lu-DOTATATE(ルタテラ(登録商標))が、褐色細胞腫の診断・治療に[
123
I]meta-iodobenzylguanidine(MIBG)(ミオMIBG-I 123(ミオMIBGは登録商標))と[
131
I]MIBG(ライアットMIBG-I 131)が使用されている。このように、ラジオセラノスティクスに使用できる核種が放射性ハロゲン同士、または放射性金属同士に限定されてしまっている。
【0007】
そこで、本発明者らは、従来技術として非特許文献1において、ジェネレーター産生PET用核種
68
Gaとα線放出核種
211
Atを組み合わせたラジオセラノスティクスの可能性を検討した。それには、下記化学式(Com-1)及び(Com-2)
TIFF
2024124308000001.tif
69
170
で示すように、癌血管新生部位や癌細胞に過剰に発現しているα

β

インテグリンに対して高い親和性を示すリガンドであるRGDペプチド(Arg-Gly-Asp:アルギニン-グリシン-アスパラギン酸ペプチド)を有し非放射性ヨウ素置換又は放射性ヨウ素置換(
123
I:半減期=13時間;SPECT用核種、
124
I:半減期=4.2日;PET用核種、
125
I:半減期=59日;基礎研究用及びオージェ電子治療用核種、又は
131
I:半減期=8.0日;β

線放出治療用及びSPECT用核種)又は放射性アスタチン(
211
At:半減期:7.2時間;強い癌細胞傷害性で他のハロゲン元素と類似した性質を有するα線放出ハロゲン元素)置換ベンジル基を有しCyclo(Arg-Gly-Asp-D-Phe-Lys-)骨格にDOTA配位子がリジンを介して結合している化合物について、非放射性ガリウム又は放射性ガリウム(
67
Ga:半減期=3.3日;SPECT用核種、又は
68
Ga:半減期=68分;PET用核種)を配位させてラジオセラノスティクスの可能性を評価したことが、開示されている。
【0008】
非特許文献1では、ヒト脳腫瘍細胞株U87MG細胞を担癌したマウスにおける体内分布を検討したところ、図10に示すように、
68
Gaの代替として放射性同位体標識プローブ診断薬化合物である
67
Ga標識ALB非含有化合物(Com-1)(同図上段参照)、
211
Atの代替として放射性同位体標識プローブ治療薬化合物であるである
125
I標識ALB非含有化合物(Com-2)(同図下段参照)とは何れも同程度に、他の臓器と比較して腫瘍へ有意に集積していた。このことから、これらプローブ診断薬化合物・治療薬化合物は、ラジオセラノスティクスにおける有用性が示唆された。
【0009】
しかし、同図の通り、これら
67
Ga標識ALB非含有化合物(Com-1)と
125
I標識ALB非含有化合物(Com-2)とは、腫瘍でも体内分布が高々5%ID/gしかないうえ、24時間経過後の腫瘍への保持の程度がかなり低下していることから、腫瘍への更なる集積と保持時間の増加とが望まれていた。
【0010】
しかも、ラジオセラノスティクスにおいては、腫瘍へ集積と保持とを向上させるだけでなく、これら診断や治療に用いられるもので半減期が数時間から数日程度と短い放射性同位体元素でも導入が速やかかつ高純度で行わなければならない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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