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公開番号2024123648
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023031246
出願日2023-03-01
発明の名称固体酸化物形燃料電池システム
出願人大阪瓦斯株式会社
代理人弁理士法人R&C
主分類H01M 8/0267 20160101AFI20240905BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】空気極側空間の出口側で比較的高温となる部位を効果的に冷却して、燃料電池セルでの温度分布が拡大することを抑制して熱応力による燃料電池セルの破損を防止する。
【解決手段】燃料極7の表面とインターコネクタ12の燃料極7の側の表面との間には、燃料極7へ供給される燃料が通流する燃料極側空間32が形成されると共に、空気極8の表面とインターコネクタ12の空気極8の側の表面との間には、空気極8へ供給される空気A1が通流する空気極側空間22が形成され、固体電解質層9の面に沿う方向に冷却用空気A2を通流する冷却用空気流路42が、空気極側空間22とは別に備えられ、冷却用空気流路42が、冷却用空気A2の通流方向を空気極側空間22を通流する空気A2の通流方向と異なる方向となる形態で形成されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
固体電解質層の一方側の面に相対して燃料極を設け、他方側の面に相対して空気極を設けて構成される固体酸化物形の燃料電池セルを前記燃料電池セル同士の間にインターコネクタを介在させた状態で複数積層して形成されるセルスタックを備え、
前記燃料極の表面と前記インターコネクタの前記燃料極の側の表面との間には、前記燃料極へ供給される燃料が通流する燃料極側空間が形成されると共に、前記空気極の表面と前記インターコネクタの前記空気極の側の表面との間には、前記空気極へ供給される空気が通流する空気極側空間が形成される固体酸化物形燃料電池システムであって、
前記固体電解質層の面に沿う方向に冷却用空気を通流する冷却用空気流路が、前記空気極側空間とは別に備えられ、
前記冷却用空気流路が、冷却用空気の通流方向を前記空気極側空間を通流する空気の通流方向と異なる方向となる形態で、形成されている固体酸化物形燃料電池システム。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記固体電解質層の面に直交する方向視において、
前記冷却用空気流路は、前記空気極側空間への空気の入口である空気入口側領域よりも前記空気極側空間からの空気の出口である空気出口側領域において前記冷却用空気による冷却効果が高くなる形態で形成されている請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
【請求項3】
前記固体電解質層の面に直交する方向視において、
前記冷却用空気流路は、前記冷却用空気流路を通流する冷却用空気の通流方向と前記空気極側空間を通流する空気の通流方向とが互いに対向流となる形態で、形成されている請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
【請求項4】
前記固体電解質層の面に直交する方向視において、
前記冷却用空気流路は、前記空気出口側領域と重畳する流路部位を通流する冷却用空気の流量が前記空気入口側領域と重畳する流路部位を通流する冷却用空気の流量よりも多くなる形態で、形成されている請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
【請求項5】
前記固体電解質層の面に直交する方向視において、
前記冷却用空気流路は、前記空気出口側領域と重畳する流路部位を通流する冷却用空気の流路面積が前記空気入口側領域と重畳する流路部位を通流する冷却用空気の流路面積よりも多くなる形態で、形成されている請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
【請求項6】
前記冷却用空気流路は、前記インターコネクタのうち、前記インターコネクタの前記燃料極の側の表面及び前記インターコネクタの前記空気極の側の表面を除く部位に、形成されている請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
【請求項7】
前記燃料電池セルの雰囲気温度を計測可能な温度計測部を備え、
運転を制御する制御装置が、前記温度計測部にて計測される計測温度が、予め決定される温度上限閾値を超える場合に、前記計測温度の前記温度上限閾値からの乖離幅が大きいほど、前記冷却用空気流路を通流する前記冷却用空気の流量を増加する冷却用空気流量調整制御を実行する請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解質層の一方側の面に相対して燃料極を設け、他方側の面に相対して空気極を設けて構成される固体酸化物形の燃料電池セルを前記燃料電池セル同士の間にインターコネクタを介在させた状態で複数積層して形成されるセルスタックを備え、前記燃料極の表面と前記インターコネクタの前記燃料極の側の表面との間には、前記燃料極へ供給される燃料が通流する燃料極側空間が形成されると共に、前記空気極の表面と前記インターコネクタの前記空気極の側の表面との間には、前記空気極へ供給される空気が通流する空気極側空間が形成される固体酸化物形燃料電池システムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に燃料電池のセルスタックを長期運転すると、徐々に劣化が進み、その分セルスタック内部での発熱量(抵抗発熱)が増える。燃料電池は高温ほど劣化の進行速度が速くなるため、長期運転のためには温度制御(冷却)をする必要がある。
固体酸化物形燃料電池の温度制御の方法として、特許文献1では、出力を抑制する、或いは空気流量を増加する方法が示されている。
他の温度制御方法として、特許文献2では、燃料利用率を上げ、余剰燃料を減らすことで温度上昇を抑える方法も示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-273252号公報
特開2013-164928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示の技術の如く、出力を抑制する場合、得られる発電量が減るという経済的な問題があり、上記特許文献2に開示の技術の如く、燃料利用率を上昇させる場合、燃料極の酸化リスクが上がるという問題があった。
【0005】
更に、特許文献1に開示の技術の如く、空気流量を増加する場合、平板型のセルスタックにおいては、セルスタックの面方向に空気を流す構造が採用される。当該構造においては、一般的に空気極側空間の入口側から出口側へ向かって温度が上昇し、最高温度部は出口側に位置する。これは、燃料ガスと空気とが並行流、対向流、直交流のいずれのセルスタックで同様の傾向となる。
当該構造において、空気流量の増加を行った場合、空気極側空間の入口側ばかり冷却され、出口側の最高温度部位を効果的に冷やすことができない。これにより、面方向での温度分布(最低温度と最高温度との差)が拡大し、熱応力による破損リスクが増大したり、空気流量を増やすために大型のブロアが必要となったりするなどの問題が生じる。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、空気極側空間の出口側で比較的高温となる部位を効果的に冷却して、燃料電池セルでの温度分布が拡大することを抑制して熱応力による燃料電池セルの破損を防止しつつ、安定して長期運転(温度制御)できる固体酸化物形燃料電池システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための固体酸化物形燃料電池システムは、
固体電解質層の一方側の面に相対して燃料極を設け、他方側の面に相対して空気極を設けて構成される固体酸化物形の燃料電池セルを前記燃料電池セル同士の間にインターコネクタを介在させた状態で複数積層して形成されるセルスタックを備え、
前記燃料極の表面と前記インターコネクタの前記燃料極の側の表面との間には、前記燃料極へ供給される燃料が通流する燃料極側空間が形成されると共に、前記空気極の表面と前記インターコネクタの前記空気極の側の表面との間には、前記空気極へ供給される空気が通流する空気極側空間が形成される固体酸化物形燃料電池システムであって、その特徴構成は、
前記固体電解質層の面に沿う方向に冷却用空気を通流する冷却用空気流路が、前記空気極側空間とは別に備えられ、
前記冷却用空気流路が、冷却用空気の通流方向を前記空気極側空間を通流する空気の通流方向と異なる方向となる形態で、形成されている点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、固体電解質層の面に沿う方向に冷却用空気を通流する冷却用空気流路が、空気極側空間とは別に備えられているから、出力に直接的に関係する空気極側空間へ導かれる空気及び燃料極側空間へ導かれる燃料ガスの流量を変化することなく、冷却用空気流路へ導かれる冷却用空気の流量を調整することで、燃料電池セルを良好に冷却できる。即ち、出力を変更することなく、燃料電池セルの冷却の程度を調整できる。
更には、冷却用空気流路が、冷却用空気の通流方向を空気極側空間を通流する空気の通流方向と異なる方向となる形態で形成されているから、例えば、冷却用空気流路を、空気極側空間への空気の入口である空気入口側領域よりも空気極側空間からの空気の出口である空気出口側領域において冷却用空気による冷却効果が高くなる形態で形成することで、従来のように空気極側空間に導かれる空気流量を調整して燃料電池セルを冷却する構成に比べ、冷却され難い空気極側空間の空気の出口側を積極的に冷却できる。これにより、燃料電池セルの空気極側空間の空気の流れ方向での温度分布を低減して熱応力を抑制でき、当該熱応力による燃料電池セルの損傷の発生を抑制できる。
以上より、空気極側空間の出口側で比較的高温となる部位を効果的に冷却して、燃料電池セルでの温度分布が拡大することを抑制して熱応力による燃料電池セルの破損を防止できる固体酸化物形燃料電池システムを実現できる。
【0009】
固体酸化物形燃料電池システムの更なる特徴構成は、
前記固体電解質層の面に直交する方向視において、
前記冷却用空気流路は、前記空気極側空間への空気の入口である空気入口側領域よりも前記空気極側空間からの空気の出口である空気出口側領域において前記冷却用空気による冷却効果が高くなる形態で形成されている点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、冷却用空気流路は、空気極側空間への空気の入口である空気入口側領域よりも空気極側空間からの空気の出口である空気出口側領域において冷却用空気による冷却効果が高くなる形態で形成されているから、比較的冷却効果が表れ難い空気出口側領域を、冷却用空気により積極的に冷却することができる。これにより、燃料電池セルの空気極側空間の空気の流れ方向での温度分布を低減して熱応力を抑制でき、当該熱応力による燃料電池セルの損傷の発生を抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

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