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公開番号
2024122534
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-09
出願番号
2023030122
出願日
2023-02-28
発明の名称
有機ハイドロゲル
出願人
環テックス株式会社
,
国立大学法人東京工業大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
65/00 20060101AFI20240902BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】新規有機ハイドロゲル及びその製造方法の提供。
【解決手段】
本発明は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)及び2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(PDC)を含む有機ハイドロゲル、並びにその製造方法を提供する。
【選択図】図9
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)及び2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(PDC)を含む有機ハイドロゲル。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
有機ハイドロゲルの重量に対し、6重量%~10重量%のPDCを含む、請求項1に記載の有機ハイドロゲル。
【請求項3】
ポリビニルアルコール(PVA)を更に含む、請求項1又は2に記載の有機ハイドロゲル。
【請求項4】
有機極性溶媒を更に含む、請求項3に記載の有機ハイドロゲル。
【請求項5】
前記有機極性溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、i-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2-メチル-1-プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、又はその水溶液、或いはそれらの混合物である、請求項4に記載の有機ハイドロゲル。
【請求項6】
ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)及び2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(PDC)を含む有機ハイドロゲルを製造するための方法であって、
PEDOT:PSS分散液にPDCを添加することを含む方法。
【請求項7】
有機ハイドロゲルの重量に対し、6重量%~10重量%のPDCが添加される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記PEDOT:PSS分散液は、ポリビニルアルコール(PVA)を含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記PDCが添加されたPEDOT:PSS分散液の分散媒を有機極性溶媒に置換することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記有機極性溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、i-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2-メチル-1-プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、又はその水溶液、或いはそれらの混合物である、請求項9に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ハイドロゲル及びその製造方法に関する。より具体的には、PEDOT:PSS及びPDCを含む新規有機ハイドロゲル及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリスチレンスルホン酸(以下、PEDOT:PSSと称することがある)は、高い導電性、優れた電気化学的特性、可撓性といった特性を有する導電性物質として注目されている。
【0003】
PEDOT:PSSの強度や導電性の向上等を目的として、ポリビニルアルコール(以下、PVAと称することがある)等のポリマーや、エチレングリコール(以下、EGと称することがある)及びエタノール等の溶媒を用いてゲル化することが報告されている。PVAは、水分保持機能、柔軟性、導電性を付与し、EGは、PVAの水酸基とPEDOT:PSSのスルホン酸基の間の水素結合を強化することにより柔軟性、多孔性、機械的強度を付与することができる(特許文献1、非特許文献1、2)。更に導電性又は機械的特性などの点で匹敵又は優れる新たな有機ハイドロゲルの出現が所望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-15890号公報
特開2005-278549号公報
特開2011-229426号公報
【非特許文献】
【0005】
Qifan Liu et al., Adv. Mater. Technol. 2021, 6, 2000919 [DOI: 10.1002/admt.202000919]
Qinfeng Rong et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2017, 56, 14159-14163 [DOI: 10.1002/anie.201708614]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、新規有機ハイドロゲル及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、鋭意研究の結果、PEDOT:PSSに2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(PDC)を添加し混合することにより導電性又は機械的特性などの点で好ましい物性を有する有機ハイドロゲルが生成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本願は以下の発明を包含する。
(1)ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)及び2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(PDC)を含む有機ハイドロゲル。
(2)有機ハイドロゲルの重量に対し、6重量%~10重量%のPDCを含む(1)に記載の有機ハイドロゲル。
(3)ポリビニルアルコール(PVA)を更に含む(1)又は(2)に記載の有機ハイドロゲル。
(4)有機極性溶媒を更に含む(1)~(3)のいずれか1項に記載の有機ハイドロゲル。
(5)前記有機極性溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、i-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2-メチル-1-プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、又はその水溶液、或いはそれらの混合物である(4)に記載の有機ハイドロゲル。
(6)ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)及び2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(PDC)を含む有機ハイドロゲルを製造するための方法であって、
PEDOT:PSS分散液にPDCを添加することを含む方法。
(7)有機ハイドロゲルの重量に対し、6重量%~10重量%のPDCが添加される、(6)に記載の方法。
(8)前記PEDOT:PSS分散液は、ポリビニルアルコール(PVA)を含む、(6)又は(7)に記載の方法。
(9)前記PDCが添加されたPEDOT:PSS分散液の分散媒を有機極性溶媒に置換することを更に含む、(6)~(8)のいずれか1項に記載の方法。
(10)前記有機極性溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、i-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2-メチル-1-プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、又はその水溶液、或いはそれらの混合物である(9)に記載の方法。
【発明の効果】
【0009】
PEDOT:PSSとPDCを水素結合させることにより新規有機ハイドロゲルを作製することができる。得られた有機ハイドロゲルは良好な機械的特性又は導電性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
PVA、PEDOT:PSS、及びPDCを一定の割合で含む分散液からゲルが形成される様子を示す。
FT-IRスペクトル測定によるゲル化機構の確認。
有機ハイドロゲル膜の修復能の観察。
有機ハイドロゲル膜の押圧実験。
有機ハイドロゲルのDSC曲線の測定。
有機ハイドロゲル繊維の作成。前駆液をPTFEチューブからEG水溶液に注入した状態。
有機ハイドロゲル繊維の引張実験。
有機ハイドロゲル繊維におけるPDC含有量(重量%)と導電率の関係。
有機ハイドロゲル繊維の伸展率と電流値の関係。
有機ハイドロゲル繊維の屈曲角度と電流値の関係。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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