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公開番号2024121907
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023029138
出願日2023-02-28
発明の名称流量センサ
出願人株式会社キーエンス
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類G01F 1/00 20220101AFI20240902BHJP(測定;試験)
要約【課題】導入時のユーザの負担を軽減しながら、空圧機器の診断を迅速かつ的確に行えるようにする。
【解決手段】流量センサAは、配管における作動気体の流量を測定するための流量測定素子11、12と、配管における作動気体の圧力を測定するための圧力測定素子66と、流量測定素子に11、12より測定した流量と圧力測定素子66により測定した圧力との組み合わせに基づき空圧機器の動作を示す特徴量を決定し、決定した特徴量に基づいて空圧機器の動作を評価する評価部73とを備えている。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
空圧機器に接続されるとともに作動気体の流路を形成する配管における作動気体の流量を測定するための流量測定素子と、
前記配管における作動気体の圧力を測定するための圧力測定素子と、
前記流量測定素子により測定した流量と前記圧力測定素子により測定した圧力との組み合わせに基づき前記空圧機器の動作を示す特徴量を決定し、当該特徴量に基づいて前記配管が接続された空圧機器の動作を評価する評価部と、を備える流量センサ。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の流量センサにおいて、
前記配管は、複数種の前記空圧機器のうち、任意の一の前記空圧機器に接続可能に構成され、
前記評価部は、前記配管に接続された前記空圧機器の種別に応じた特徴量を決定し、当該特徴量に基づいて前記配管に接続された前記空圧機器の動作を評価する、流量センサ。
【請求項3】
請求項2に記載の流量センサにおいて、
前記配管に接続された前記空圧機器の種別の選択をユーザから受け付ける受付部をさらに備え、
前記評価部は、前記受付部で受け付けた前記空圧機器の種別に応じた特徴量を決定し、当該特徴量に基づいて前記配管に接続された前記空圧機器の動作を評価する、流量センサ。
【請求項4】
請求項2に記載の流量センサにおいて、
複数種の前記空圧機器には、作動気体としての空気をノズルから噴出させるエアブロー装置が含まれており、
前記評価部は、前記配管に前記エアブロー装置が接続されている場合、前記エアブロー装置が有するノズルから噴出する圧縮空気の質量流量であるブロー量を前記特徴量として決定し、当該ブロー量に基づいて前記エアブロー装置の動作を評価する、流量センサ。
【請求項5】
請求項4に記載の流量センサにおいて、
前記評価部は、前記ブロー量が所定ブロー量以下となり、かつ、前記圧力測定素子により測定した圧力が基準圧以上である場合には、前記ノズルの詰まりであると評価する一方、前記ブロー量が所定ブロー量以下となり、かつ、前記圧力測定素子により測定した圧力が基準圧未満である場合には、前記エアブロー装置に供給される圧縮空気の圧力低下であると評価する、流量センサ。
【請求項6】
請求項2に記載の流量センサにおいて、
複数種の前記空圧機器には、エアシリンダー装置が含まれており、
前記評価部は、前記配管に前記エアシリンダー装置が接続されている場合、リーク量と前記エアシリンダー装置の推力余裕度とを前記特徴量として決定し、当該リーク量と推力余裕度とに基づいて前記エアシリンダー装置の動作を評価する、流量センサ。
【請求項7】
請求項6に記載の流量センサにおいて、
前記評価部は、前記エアシリンダー装置の停止時における前記リーク量が所定リーク量以上である場合には、前記エアシリンダー装置が有するパッキンの劣化であると評価する、流量センサ。
【請求項8】
請求項2に記載の流量センサにおいて、
複数種の前記空圧機器には、作動気体としての圧縮空気の噴出によって負圧力を発生させる吸着搬送装置が含まれており、
前記評価部は、前記配管に前記吸着搬送装置が接続されている場合、吸着速度と吸着力とを前記特徴量として決定し、当該吸着速度と吸着力とに基づいて前記吸着搬送装置の動作を評価する、流量センサ。
【請求項9】
請求項8に記載の流量センサにおいて、
前記評価部は、吸着時における前記吸着力が所定力以下の場合には、前記吸着搬送装置が有する吸着パッドの劣化であると評価する、流量センサ。
【請求項10】
請求項8に記載の流量センサにおいて、
前記評価部は、吸着時、前記流量測定素子により測定した流量が所定流量以下の場合には、前記吸着搬送装置に供給される圧縮空気の圧力低下または前記吸着搬送装置が有する流路の詰まりであると評価する、流量センサ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、空圧機器に接続された配管内を流通する作動気体の流量を測定可能な流量センサに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
例えば各種製品を製造する製造現場では、エアブロー装置、エアシリンダー装置、ワークの吸着搬送装置、ワークの着座装置等のような空圧機器が使用されている。一般的に、空圧機器には圧縮空気が供給される配管が接続されており、この配管には、圧縮空気の供給元が接続されている。
【0003】
また、配管内を流通する気体の流量を測定する流量センサとしては、例えば特許文献1に開示されているようなセンサが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-109360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、空圧機器を使用した製造設備では、供給される空気圧の低下や空圧機器の劣化等に起因して製造条件が変わりやすく、製造条件が初期に設定された許容範囲外になると装置の停止を招いて損失に繋がる。
【0006】
そこで、空圧機器を診断する診断システムをユーザが独自に組んで運用することが考えられるが、診断システムの導入時の準備及び設定には多大な時間と費用がかかる。また、既存の診断システムでは、1つの物理量だけで診断しており、不具合の有無を迅速かつ的確に判断できない場合が考えられる。すなわち、部材を駆動するエアシリンダー装置の診断を行う場合には、移動時間を計測し、計測した移動時間に基づいて不具合の有無を診断する方法があるが、移動時間の変化は圧縮空気のリーク量が増えると急速に進むため、不具合の発生を迅速に把握できない。
【0007】
また、吸着搬送装置の診断を行う場合には、圧力を計測し、計測した圧力に基づいて不具合の有無を診断する方法がある。しかし、圧縮空気の配管の圧力損失が増加すると圧力の時間的な変化は遅くなるが、吸着部における真空圧(吸着力)は変化せず、また、配管にリークが発生しても吸着部における真空圧はわずかしか変化しないので、不具合の有無を的確に判断するのが難しい。また、エアブロー装置の診断を行う場合には、大流量になればなるほど圧力損失が大きくなり、製造条件も大きく変わるため、不具合の有無を的確に判断するのが難しい。
【0008】
本開示は、かかる点に鑑みたものであり、その目的とするところは、導入時のユーザの負担を軽減しながら、空圧機器の診断を迅速かつ的確に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本態様に係る流量センサは、空圧機器に接続されるとともに作動気体の流路を形成する配管における作動気体の流量を測定するための流量測定素子と、前記配管における作動気体の圧力を測定するための圧力測定素子と、前記流量測定素子により測定した流量と前記圧力測定素子により測定した圧力との組み合わせに基づき前記空圧機器の動作を示す特徴量を決定し、当該特徴量に基づいて前記配管が接続された空圧機器の動作を評価する評価部とを備えている。
【0010】
本流量センサによれば、空圧機器に接続された配管内の流路を流通する作動気体の流量と圧力を測定することが可能になる。空圧機器の動作を評価する評価部が本流量センサに設けられているので、空圧機器を診断するための診断システムをユーザが別途組むことなく、本流量センサを用いて空圧機器の診断が行えるようになり、従って、空圧機器の診断システムの導入負担が軽減される。また、配管における作動気体の流量を測定するための流量測定素子と配管における作動気体の圧力を測定するための圧力測定素子とを備えているので、評価部は流量と圧力を組み合わせて空圧機器の動作を示す特徴量を決定することができ、決定した特徴量に基づいて空圧機器の動作を評価することができる。これにより、従来の1つの物理量だけで診断する場合に比べて、迅速かつ的確な診断が行える。
(【0011】以降は省略されています)

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