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公開番号2024121420
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-06
出願番号2023028523
出願日2023-02-27
発明の名称シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C08L 25/04 20060101AFI20240830BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】金属等の他の材料との密着性に優れる、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物を提供する。中でも銅層との密着性に優れる、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(A)シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂、(B)アミン変性樹脂、(C)(B)アミン変性樹脂以外のスチレン系エラストマー、及び(D)ポリフェニレンエーテルを含む、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物であって、前記(A)~(D)の合計100質量%に対して、前記(C)(B)アミン変性樹脂以外のスチレン系エラストマーを6質量%以上30質量%以下含み、該シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物中の窒素原子の含有量が0.0025質量%以上0.90質量%以下である、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂、
(B)アミン変性樹脂、
(C)(B)アミン変性樹脂以外のスチレン系エラストマー、及び
(D)ポリフェニレンエーテルを含む、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物であって、
前記(A)~(D)の合計100質量%に対して、前記(C)(B)アミン変性樹脂以外のスチレン系エラストマーを6質量%以上30質量%以下含み、
該シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物中の窒素原子の含有量が0.0025質量%以上0.90質量%以下である、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記(A)~(D)の合計100質量%に対して、前記(A)シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂を50質量%以上含む、請求項1に記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項3】
前記(A)~(D)の合計100質量%に対して、前記(B)アミン変性樹脂を5質量%以上30質量%以下含む、請求項1又は2に記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項4】
前記(A)~(D)の合計100質量%に対して、前記(D)ポリフェニレンエーテルを0.5質量%以上30質量%以下含む、請求項1~3のいずれか1つに記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項5】
前記(A)シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂のMFRが、1g/10min以上30g/10min以下である、請求項1~4のいずれか1つに記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項6】
前記(B)アミン変性樹脂が、アミン変性スチレン含有樹脂及びアミン変性ポリフェニレンエーテルから選ばれる少なくとも一種である、請求項1~5のいずれか1つに記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項7】
前記アミン変性スチレン含有樹脂が、アミン変性スチレン系エラストマーである、請求項6に記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項8】
前記(B)アミン変性樹脂が、窒素原子を0.03質量%以上3.0質量%以下含む、請求項1~7のいずれか1つに記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項9】
前記(D)ポリフェニレンエーテルが、未変性のポリフェニレンエーテル及び前記(B)アミン変性樹脂以外の変性ポリフェニレンエーテルから選ばれる少なくとも一種である、請求項1~8のいずれか1つに記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1つに記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物からなるシート。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂(以下、SPSともいう。)は、機械的強度、耐熱性、電気特性、吸水寸法安定性、及び耐薬品性等の優れた性能を有する。そのため、SPSは、電気・電子機器材料、車載・電装部品、家電製品、各種機械部品、産業用資材等の様々な用途に使用される樹脂として非常に有用である。
更に、SPSはスチレンモノマーを重合して得られる炭化水素樹脂であり、誘電損失が極めて小さく、絶縁性も有するため、前記用途の中でも電気・電子機器材料として使用することが検討されている。
【0003】
特許文献1には、優れた機械的な性質のみならず、優れた耐衝撃性を有するシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物を得ることを目的として、シンジオタクチックポリスチレン、水素添加スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン/ブタジエン/スチレン-無水マレイン酸、シンジオタクチックポリスチレン-無水マレイン酸、ポリフェニレンオキシド、及びジアミン化合物からなることを特徴とするシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2004-516353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、電子機器・情報端末の高性能化・高機能化と情報通信技術の進歩により、通信には高周波の信号が用いられるようになっている。そのため、高周波数の信号を用いた場合においても、伝送損失の少ない回路基板を製造することのできる材料が求められており、SPSは誘電損失が極めて小さく、絶縁性も有するため、このような電子回路基板への展開が期待されている。
その一方で、電子回路に用いられる配線の複雑化に伴い、微細な配線であっても剥離しにくい、銅等の金属配線との優れた接着性を有する回路基板が求められている。
本発明は、金属等の他の材料との密着性に優れる、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物を提供することを課題とする。中でも銅層との密着性に優れる、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討の結果、シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂に、アミン変性樹脂等の成分を組み合わせたシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物が、上記課題を解決し得ることを見出した。すなわち、本発明は、以下の[1]~[13]に関する。
【0007】
[1](A)シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂、(B)アミン変性樹脂、
(C)(B)アミン変性樹脂以外のスチレン系エラストマー、及び(D)ポリフェニレンエーテルを含む、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物であって、前記(A)~(D)の合計100質量%に対して、前記(C)(B)アミン変性樹脂以外のスチレン系エラストマーを6質量%以上30質量%以下含み、該シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物中の窒素原子の含有量が0.0025質量%以上0.90質量%以下である、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
[2]前記(A)~(D)の合計100質量%に対して、前記(A)シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂を50質量%以上含む、上記[1]に記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
[3]前記(A)~(D)の合計100質量%に対して、前記(B)アミン変性樹脂を5質量%以上30質量%以下含む、上記[1]又は[2]に記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
[4]前記(A)~(D)の合計100質量%に対して、前記(D)ポリフェニレンエーテルを0.5質量%以上30質量%以下含む、上記1~3のいずれか1つに記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
[5]前記(A)シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂のMFRが、1g/10min以上30g/10min以下である、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
[6]前記(B)アミン変性樹脂が、アミン変性スチレン含有樹脂及びアミン変性ポリフェニレンエーテルから選ばれる少なくとも一種である、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
[7]前記アミン変性スチレン含有樹脂が、アミン変性スチレン系エラストマーである、上記[6]に記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
[8]前記(B)アミン変性樹脂が、窒素原子を0.03質量%以上3.0質量%以下含む、上記[1]~[7]のいずれかに記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
[9]前記(D)ポリフェニレンエーテルが、未変性のポリフェニレンエーテル及び前記(B)アミン変性樹脂以外の変性ポリフェニレンエーテルから選ばれる少なくとも一種である、[1]~[8]のいずれか1つに記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物。
[10]上記[1]~[9]のいずれか1つに記載のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物からなるシート。
[11]上記[10]に記載のシートからなる樹脂層の少なくとも一面に金属層を有する、積層体。
[12]前記金属層が、銅、金、銀、及びこれらを含む合金から選ばれる少なくとも一種を含む金属層である、上記[11]に記載の積層体。
[13]上記[11]又は[12]に記載の積層体を電子回路基板用に用いる、電子回路基板用積層体。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、金属等の他の材料との密着性に優れる、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1~4及び比較例1~4の評価に用いた銅箔の樹脂シートに接する面(銅層の樹脂層に接する面)の表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率:5千倍)である。
実施例1~4及び比較例1~4の評価に用いた銅箔の樹脂シートに接する面(銅層の樹脂層に接する面)の表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率:5万倍)及びその写真を二値化した画像である。
実施例1~4及び比較例1~4の評価に用いた銅箔(銅層)の断面の走査型電子顕微鏡写真(倍率:5千倍)である。
実施例1~4及び比較例1~4の評価に用いた銅箔(銅層)の断面の走査型電子顕微鏡写真(倍率:3万倍)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物]
本発明のシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)は、(A)シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂、(B)アミン変性樹脂、(C)(B)アミン変性樹脂以外のスチレン系エラストマー、及び(D)ポリフェニレンエーテルを含む、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物であって、前記(A)~(D)の合計100質量%に対して、前記(C)(B)アミン変性樹脂以外のスチレン系エラストマーを6~30質量%含み、該シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物中の窒素原子の含有量が0.0025質量%~0.90質量%である、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物である。
以下、各項目について、詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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