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公開番号
2024125902
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-19
出願番号
2023034028
出願日
2023-03-06
発明の名称
潤滑油膜の劣化評価方法、発錆監視装置、発錆監視システム、及びこれらに用いられる潤滑油組成物
出願人
出光興産株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
17/00 20060101AFI20240911BHJP(測定;試験)
要約
【課題】潤滑油膜の劣化評価方法、及び潤滑油組成物が塗布された対象物の発錆を監視する発錆監視装置、発錆監視システム、及びこれらに用いられる潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】発錆監視システム10は、発錆監視装置100と、潤滑油組成物が適用される実部品200とを主に備える。発錆監視装置100は、実際に潤滑油組成物が適用される実部品に取り付けられるACM型腐食センサ110と、ACM型腐食センサ110から流れる電流を測定する電流計120とを主に備える。ACM型腐食センサ110は、絶縁層111と、導電層112と、導電層112の上に設けられた銅箔113とを主に備える。絶縁層111は、例えばエポキシ樹脂系絶縁ペーストから成り、実部品200上に接触して取り付けられる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
実際に潤滑油組成物が適用される実部品にセンサを取り付けるステップと、
前記センサに電流計を接続するステップと、
前記センサに前記潤滑油組成物を塗油するステップと、
前記実部品を曝露すべき所定の環境に、前記実部品に取り付けられた前記センサを曝露するステップと、
前記電流計に流れる電流値を検出するステップと
を備える潤滑油膜の劣化評価方法。
続きを表示(約 700 文字)
【請求項2】
前記電流値が所定値以上となる期間が所定期間以上であるときに、前記潤滑油膜が劣化したと評価するステップをさらに備える請求項1に記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
【請求項3】
前記センサはACMセンサである、請求項1又は2に記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
【請求項4】
前記実部品と前記センサとの接触面積は、1cm
2
以上である、
請求項1から3のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
【請求項5】
前記潤滑油組成物は、基油に、酸化防止剤、金属不活性化剤、及び防錆剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含む防錆油である、請求項1~4のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
【請求項6】
前記潤滑油組成物は、前記センサに0.1μm以上10μm以下の厚みで塗布される、請求項1~5のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
【請求項7】
前記実部品は気孔を有する金属材料を含む部品である、請求項1~6のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
【請求項8】
前記実部品は多孔質金属材料を含む部品である、請求項1~7のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
【請求項9】
前記実部品は焼結により製作される多孔質体である、請求項1~8のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
【請求項10】
前記実部品は焼結により形成された焼結部品である、請求項1~9のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油膜の劣化評価方法、及び潤滑油組成物が塗布された対象物の発錆を監視する発錆監視装置、発錆監視システム、及びこれらに用いられる潤滑油組成物に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
大気腐食センサ、例えばACM(Atmospheric Corrosion Monitor)型腐食センサを鋼製基板上に接合し、これに塗布された潤滑油組成物の劣化度を評価する、潤滑油組成物の劣化度評価方法が知られている。大気腐食センサの表面に塗布された潤滑油組成物が劣化すると大気腐食センサに微弱な電流が流れ、この電流を検出して潤滑油組成物の劣化度を推定する。これにより、防錆油のような薄膜状に塗布される潤滑油組成物の劣化度を評価する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-83254号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、実際に発錆を観測したい物品の構成が鉄製基板の構成と異なると、実際の物品が発錆したときに、鉄製基板が発錆していないことがある。このような物品の発錆を観測するために、鉄製基板を用いても、発錆を正確に監視することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、潤滑油膜の劣化評価方法、及び潤滑油組成物が塗布された対象物の発錆を監視する発錆監視装置、発錆監視システム、及びこれらに用いられる潤滑油組成物を提供する。具体的な本発明の態様としては、下記[1]~[20]のとおりである。
[1]
実際に潤滑油組成物が適用される実部品にセンサを取り付けるステップと、
前記センサに電流計を接続するステップと、
前記センサに前記潤滑油組成物を塗油するステップと、
前記実部品を曝露すべき所定の環境に、前記実部品に取り付けられた前記センサを曝露するステップと、
前記電流計に流れる電流値を検出するステップと
を備える潤滑油膜の劣化評価方法。
[2]
前記電流値が所定値以上となる期間が所定期間以上であるときに、前記潤滑油膜が劣化したと評価するステップをさらに備える態様1に記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
[3]
前記センサはACMセンサである、態様1又は2に記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
[4]
前記実部品と前記センサとの接触面積は、1cm2以上である、
態様1から3のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
[5]
前記潤滑油組成物は、基油に、酸化防止剤、金属不活性化剤、及び防錆剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含む防錆油である、態様1~4のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
[6]
前記潤滑油組成物は、前記センサに0.1μm以上10μm以下の厚みで塗布される、態様1~5のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
[7]
前記実部品は気孔を有する金属材料を含む部品である、態様1~6のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
[8]
前記実部品は多孔質金属材料を含む部品である、態様1~7のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
[9]
前記実部品は焼結により製作される多孔質体である、態様1~8のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
[10]
前記実部品は焼結により形成された焼結部品である、態様1~9のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
[11]
前記所定の環境は、前記実部品を単体で保管する環境である、態様1~10のいずれかに記載の潤滑油膜の劣化評価方法。
[12]
実際に潤滑油組成物が適用される実部品に取り付けられるセンサと、
前記センサから流れる電流を測定する電流計と
を備える発錆監視装置であって、
前記センサは、絶縁層と導電層とを備え、
前記絶縁層は前記実部品に接触して取り付けられ、前記導電層は、前記実部品との間に前記絶縁層を挟むように、前記絶縁層に取り付けられ、
前記導電層と前記実部品との間の絶縁抵抗は10MΩ以上である
発錆監視装置。
[13]
前記実部品は気孔を有する金属材料を含む部品である、態様12に記載の発錆監視装置。
[14]
前記実部品は多孔質金属材料を含む部品である、態様12又は13に記載の発錆監視装置。
[15]
前記実部品は焼結により制作される多孔質体である、態様12~14のいずれかに記載の発錆監視装置。
[16]
前記実部品は焼結により形成された焼結部品である、態様12~15のいずれかに記載の発錆監視装置。
[17]
前記実部品と前記絶縁層との接触面積は、1cm2以上である、態様12~16のいずれかに記載の発錆監視装置。
[18]
前記導電層の幅は2mm以上であり、隣接する前記導電層との間隔は2mm以上であり、前記絶縁層の幅は2mm以上であり、又は前記絶縁層の厚さは20μm以上である、態様12~17のいずれかに記載の発錆監視装置。
[19]
【発明の効果】
【0006】
本発明の好適な一態様である、潤滑油膜の劣化評価方法、及び潤滑油組成物が塗布された対象物の発錆を監視する発錆監視装置、発錆監視システム、及びこれらに用いられる潤滑油組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明による発錆監視システムの一例を示す概略図である。
本発明による発錆監視システムの一例を示す概略図である。
本発明による発錆監視システムの一例を示す概略図である。
従来の鋼板センサと本発明による発錆監視システムにおける湿度と電流値との関係を示すグラフである。
防錆油が適用されない従来の鋼板センサと本発明による発錆監視システムの電流値を示すグラフである。
短期防錆油が適用された従来の鋼板センサと本発明による発錆監視システムの電流値を示すグラフである。
長期防錆油が適用された従来の鋼板センサと本発明による発錆監視システムの電流値を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[発錆監視システム]
まず、図1を用いて、本発明の一実施形態による発錆監視システム10について説明する。図1(A)は、発錆監視システム10をACM型腐食センサ110側から見た平面概略図であり、図1(B)は、ACM型腐食センサ110のB-B断面を示す断面概略図である。なお、本明細書、特許請求の範囲、及び図面では、発錆を腐食ともいい、防錆を防食ともいう。
【0009】
本発明による発錆監視システム10は、発錆監視装置100と、潤滑油組成物が適用される実部品200とを主に備える。
【0010】
発錆監視装置100は、実際に潤滑油組成物が適用される実部品に取り付けられるACM型腐食センサ110と、ACM型腐食センサ110から流れる電流を測定する電流計120とを主に備える。
(【0011】以降は省略されています)
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