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公開番号2024145716
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058193
出願日2023-03-31
発明の名称金属加工油組成物
出願人出光興産株式会社,国立大学法人 岡山大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C10M 171/00 20060101AFI20241004BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】金属加工性に優れた、新規な金属加工油組成物が求められている。
【解決手段】基油(A)及び有機酸金属塩(B)を含有し、40℃における動粘度が0.90~4.00mm2/sであり、50℃における体積抵抗率が2.0×10-1TΩ・m未満である、金属加工油組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基油(A)及び有機酸金属塩(B)を含有し、
40℃における動粘度が0.90~4.00mm

/sであり、
50℃における体積抵抗率が2.0×10
-1
TΩ・m未満である、
金属加工油組成物。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記金属加工油組成物の引火点が70℃以上である、請求項1に記載の金属加工油組成物。
【請求項3】
前記金属加工油組成物の40℃における動粘度が1.00~3.00mm

/sである、請求項1又は2に記載の金属加工油組成物。
【請求項4】
基油(A)の40℃における動粘度が0.90~4.00mm

/sである、請求項1~3のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
【請求項5】
基油(A)が、鉱油、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、及びα-オレフィンを主成分として含有するα-オレフィン系合成油から選ばれる1種以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
【請求項6】
基油(A)が、炭素数10~30のノルマルパラフィン、及び、炭素数10~30のα-オレフィンを主成分として含有するα-オレフィン系合成油から選ばれる1種以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
【請求項7】
有機酸金属塩(B)を構成する金属が、Zn、Ba,Ca、Na、及びKから選ばれる1種以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
【請求項8】
有機酸金属塩(B)が、金属スルホネート、金属サリシレート、金属フェネート、及び有機酸亜鉛塩から選ばれる1種以上を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
【請求項9】
有機酸金属塩(B)が、金属スルホネート、金属サリシレート、及び金属フェネートから選ばれる1種以上を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
【請求項10】
有機酸金属塩(B)が、有機酸亜鉛塩を含み、
前記金属加工油組成物の40℃における動粘度が、1.10~2.70mm

/sであり、
前記金属加工油組成物の50℃における体積抵抗率が、8.0×10
-2
TΩ・m以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属加工油組成物、及び当該金属加工油組成物を用いた放電加工方法に関する。
続きを表示(約 5,000 文字)【背景技術】
【0002】
潤滑油組成物は、各種装置内の摺動部の潤滑用途や、エンジン等の発熱機器の冷却用途、金属加工時の加工性向上のための金属加工用途等の様々な場面で使用されている。
例えば、特許文献1には、放電により生じた放電痕の累積により被加工物を加工するための放電加工液として、40℃での動粘度が1.0~3.0mm

/sの低粘度油と、40℃で固体の数平均分子量400~1200のテルペン樹脂及び/又は石油樹脂とからなり、樹脂成分が0.5~20重量%含まれてなる放電加工液に関する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平6-155165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況下、金属加工性に優れた、新規な金属加工油組成物が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様において、基油及び有機酸金属塩を含有し、動粘度及び体積抵抗率を所定の範囲に調整した金属加工油組成物を提供する。具体的には、本発明の一態様として、例えば、下記態様[1]~[15]を提供する。
[1]基油(A)及び有機酸金属塩(B)を含有し、
40℃における動粘度が0.90~4.00mm

/sであり、
50℃における体積抵抗率が2.0×10
-1
TΩ・m未満である、
金属加工油組成物。
[2]前記金属加工油組成物の引火点が70℃以上である、上記[1]に記載の金属加工油組成物。
[3]前記金属加工油組成物の40℃における動粘度が1.00~3.00mm

/sである、上記[1]又は[2]に記載の金属加工油組成物。
[4]基油(A)の40℃における動粘度が0.90~4.00mm

/sである、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
[5]基油(A)が、鉱油、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、及びα-オレフィンを主成分として含有するα-オレフィン系合成油から選ばれる1種以上である、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
[6]基油(A)が、炭素数10~30のノルマルパラフィン、及び、炭素数10~30のα-オレフィンを主成分として含有するα-オレフィン系合成油から選ばれる1種以上である、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
[7]有機酸金属塩(B)を構成する金属が、Zn、Ba,Ca、Na、及びKから選ばれる1種以上である、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
[8]有機酸金属塩(B)が、金属スルホネート、金属サリシレート、金属フェネート、及び有機酸亜鉛塩から選ばれる1種以上を含む、上記[1]~[7]のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
[9]有機酸金属塩(B)が、金属スルホネート、金属サリシレート、及び金属フェネートから選ばれる1種以上を含む、上記[1]~[7]のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
[10]有機酸金属塩(B)が、有機酸亜鉛塩を含み、
前記金属加工油組成物の40℃における動粘度が、1.10~2.70mm

/sであり、
前記金属加工油組成物の50℃における体積抵抗率が、8.0×10
-2
TΩ・m以下である、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
[11]有機酸金属塩(B)の金属原子換算での含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、60質量ppm以上である、上記[1]~[10]のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
[12]基油(A)及び有機酸金属塩(B)の合計含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、70質量%以上である、上記[1]~[11]のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
[13]水の含有量が、前記金属加工油組成物の全量基準で、1.0質量%未満である、上記[1]~[12]のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
[14]前記金属加工油組成物が、金属加工対象物とワイヤ電極との間に当該金属加工油組成物を介在させ、金属加工対象物の金属とワイヤ電極との間で放電することで当該金属加工対象物を加工する、ワイヤ放電加工油組成物である、上記[1]~[13]のいずれか一項に記載の金属加工油組成物。
[15]上記[1]~[14]のいずれか一項に記載の金属加工油組成物を、金属加工対象物とワイヤ電極との間に介在させ、金属加工対象物の金属とワイヤ電極との間で放電することで当該金属加工対象物を加工する工程を有する、放電加工方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の好適な一態様の金属加工油組成物は、優れた金属加工性を有し、特に、放電加工における加工速度を向上させ、加工面を平滑にし得る。そのため、本発明の一態様の金属加工油組成物は、金属加工に適用されることが好ましく、放電加工(特にワイヤ放電加工)にも好適に使用し得る。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に記載された数値範囲については、上限値及び下限値を任意に組み合わせることができる。例えば、数値範囲として「好ましくは30~100、より好ましくは40~80」と記載されている場合、「30~80」との範囲や「40~100」との範囲も、本明細書に記載された数値範囲に含まれる。また、例えば、数値範囲として「好ましくは30以上、より好ましくは40以上であり、また、好ましくは100以下、より好ましくは80以下である」と記載されている場合、「30~80」との範囲や「40~100」との範囲も、本明細書に記載された数値範囲に含まれる。
加えて、本明細書に記載された数値範囲として、例えば「60~100」との記載は、「60以上(60又は60超)、100以下(100又は100未満)」という範囲であることを意味する。
【0008】
〔金属加工油組成物の構成〕
本発明の一態様の金属加工油組成物は、基油(A)(以下「成分(A)」ともいう)及び有機酸金属塩(B)(以下「成分(B)」ともいう)を含有し、40℃における動粘度が0.90~4.00mm

/sである、50℃における体積抵抗率が2.0×10
-1
TΩ・m未満である。
本発明の一態様の金属加工油組成物は、基油(A)と共に、有機酸金属塩(B)を含有しているため、放電加工の際の仕事関数を低くでき、広い加工間隙を形成することができる。このため、放電加工で発生した加工屑やガスの排出が容易となり、短絡や異常放電が発生しにくく、加工速度が上がると共に、安定した加工を行うことができ、被加工物の加工面を平滑に加工することができる。したがって、本発明の一態様の金属加工油組成物は、形彫放電加工、ワイヤカット放電加工等のいわゆる放電系と呼ばれる電気加工に好適に用いることができる。
このような構成を有する本発明の一態様の金属加工油組成物は、優れた金属加工性を有し、特に、放電加工における加工速度を向上させ、被加工物の加工面を平滑にし得るため、放電加工での金属加工性も向上させることができる。
【0009】
本発明の一態様の金属加工油組成物の40℃における動粘度は、金属加工性を向上させた金属加工油組成物とする観点、特に、放電加工に用いた際の加工速度を向上させ、加工面を平滑にし得る金属加工油組成物とする観点から、0.90mm

/s以上、0.95mm

/s以上、1.00mm

/s以上、1.05mm

/s以上、1.10mm

/s以上、1.15mm

/s以上、又は1.20mm

/s以上とすることが好ましく、さらに、1.50mm

/s以上、1.60mm

/s以上、1.70mm

/s超、1.72mm

/s以上、1.75mm

/s以上、1.77mm

/s以上、1.80mm

/s以上、1.82mm

/s以上、1.85mm

/s以上、又は1.87mm

/s以上としてもよく、また、4.00mm

/s以下、3.70mm

/s以下、3.50mm

/s以下、3.20mm

/s以下、3.00mm

/s以下、2.70mm

/s以下、2.50mm

/s未満、2.40mm

/s以下、2.30mm

/s以下、2.20mm

/s以下、2.10mm

/s以下、又は2.00mm

/s以下とすることが好ましく、また、1.97mm

/s以下、1.95mm

/s以下、1.92mm

/s以下、又は、1.90mm

/s以下としてもよい。
なお、本明細書において、動粘度は、JIS K2283:2000に準拠して測定された値を意味する。
【0010】
本発明の一態様の金属加工油組成物の50℃における体積抵抗率は、金属加工性を向上させた金属加工油組成物とする観点、特に、放電加工に用いた際の加工速度を向上させ、加工面を平滑にし得る金属加工油組成物とする観点から、2.0×10
-1
TΩ・m未満、1.0×10
-1
TΩ・m以下、8.0×10
-2
TΩ・m以下、6.0×10
-2
TΩ・m以下、4.0×10
-2
TΩ・m以下、2.0×10
-2
TΩ・m以下、1.0×10
-2
TΩ・m以下、8.0×10
-3
TΩ・m以下、6.0×10
-3
TΩ・m以下、4.0×10
-3
TΩ・m以下、2.0×10
-3
TΩ・m以下、1.0×10
-3
TΩ・m以下、8.0×10
-4
TΩ・m以下、6.0×10
-4
TΩ・m以下、4.0×10
-4
TΩ・m以下、2.0×10
-4
TΩ・m以下、1.0×10
-4
TΩ・m以下、8.0×10
-5
TΩ・m以下、6.0×10
-5
TΩ・m以下、4.0×10
-5
TΩ・m以下、2.0×10
-5
TΩ・m未満、又は1.0×10
-5
TΩ・m以下とすることが好ましく、また、1.0×10
-10
TΩ・m以上、1.0×10
-9
TΩ・m以上、1.0×10
-8
TΩ・m以上、又は1.0×10
-7
TΩ・m以上としてもよい。
なお、本明細書において、体積抵抗率は、JIS C2101に準拠して、油温50℃で250V/mmの電圧を印加し、印加してから1分経過後の電流値より求めた値を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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