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公開番号2024140065
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023051052
出願日2023-03-28
発明の名称コークスの製造方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C10B 57/04 20060101AFI20241003BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】石炭中に元々存在する金属酸化物に起因するコークスの反応劣化を抑制できるコークスの製造方法を提供する。
【解決手段】成型炭及び粉炭を含む配合炭を乾留してコークスを製造する、コークスの製造方法であって、成型炭における灰分の含有率、及び成型炭の灰分における金属の含有率又は金属酸化物の含有率を求め、粉炭における灰分の含有率、及び粉炭の灰分における金属の含有率又は金属酸化物の含有率を求め、求められた成型炭における灰分の含有率及び金属の含有率又は金属酸化物の含有率から算出されるCAshbq(質量%)が、求められた粉炭における灰分の含有率及び金属の含有率又は金属酸化物の含有率から算出されるCAshp(質量%)よりも大きくなるように、成型炭及び粉炭における金属の含有率又は金属酸化物の含有率を調整した配合炭を乾留する、コークスの製造方法。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
成型炭及び粉炭を含む配合炭を乾留してコークスを製造する、コークスの製造方法であって、
前記成型炭における灰分の含有率、及び、前記成型炭の前記灰分における金属の含有率又は金属酸化物の含有率を求め、
前記粉炭における灰分の含有率、及び、前記粉炭の前記灰分における金属の含有率又は金属酸化物の含有率を求め、
求められた前記成型炭における前記灰分の含有率及び前記金属の含有率又は前記金属酸化物の含有率から算出されるCAsh
bq
(質量%)、及び、求められた前記粉炭における前記灰分の含有率及び前記金属の含有率又は前記金属酸化物の含有率から算出されるCAsh

(質量%)が、以下の(1)式を満たすように、前記成型炭及び前記粉炭における前記金属の含有率又は前記金属酸化物の含有率を調整した配合炭を乾留する、コークスの製造方法。
CAsh
bq
(質量%)>CAsh

(質量%)・・・(1)
ここで、CAsh
bq
(質量%)は以下の(6)式により算出されると共に、CAsh

(質量%)は以下の(4)式により算出され、
CAsh
bq
(質量%)=Ash
bq
(質量%)×(a×Na


bq
(質量%)+b×K


bq
(質量%)+c×CaO
bq
(質量%)+d×MgO
bq
(質量%)+e×Fe


3bq
(質量%))/100 ・・・(6)
CAsh

(質量%)=Ash

(質量%)×(a×Na



(質量%)+b×K



(質量%)+c×CaO

(質量%)+d×MgO

(質量%)+e×Fe


3p
(質量%))/100 ・・・(4)
Ash
bq
(質量%)は前記成型炭における前記灰分の含有率、Ash

(質量%)は前記粉炭における前記灰分の含有率、
Na


bq
(質量%)は前記成型炭の前記灰分におけるNa

O含有率、Na



(質量%)は前記粉炭の前記灰分におけるNa

O含有率、



bq
(質量%)は前記成型炭の前記灰分におけるK

O含有率、K



(質量%)は前記粉炭の前記灰分におけるK


発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭を成型して製造される成型炭及び成型していない粉状の粉炭を含む配合炭をコークス炉に装入して乾留する、コークスの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
高炉の操業を効率良く行うためには、高強度のコークスを用いて高炉操業を行うことが好ましい。これは、コークスが高炉内で粉化すると、発生粉により高炉の通気性が悪化し、効率的な操業が難しくなることが理由である。更に、コークスは高炉内でCO

と反応して多孔質化するため、脆弱化する。つまり、高炉内でコークスの反応量が増加すると、コークスの反応後の強度が低下するため、CO

と反応した後の強度(以下、「反応後強度」と言う。)が高いことが求められる。
【0003】
また、近年、地球温暖化への対応のため、CO

排出量の削減が求められている。このため、高炉操業に用いるコークスの使用量を低減することは、鉄鋼業におけるCO

排出削減のために重要である。製造する溶銑1トンあたりに消費するコークスの量は、コークス比と言われ、コークスの反応後強度が高いほど、コークス比が低減することが報告されている。
【0004】
コークスの反応後強度を高める方法としては、CO

との反応によるコークスの脆弱化(以下、「コークスの反応劣化」と言う。)を抑制するために、コークスの反応量を少なくする方法が知られている。例えば、コークス中に存在する金属成分(灰分)は、コークスの炭素質とCO

ガスとの反応を促進する触媒として作用することが知られている。そのため、触媒作用を有する金属成分の含有量を減らすことでCO

との反応量を減らし、反応に起因するコークスの反応劣化を抑制する方法が知られている。コークス中の金属成分の含有量を減らすためには、金属成分の含有量の低い石炭を用いることが一般的だが、石炭中の金属成分は、石炭の無機質分(灰となる成分)中に含まれるため、採掘された石炭から無機質分を除くためのコストを要し、金属成分の含有量の低い石炭は高価となる。また、金属成分の含有量が少ない石炭は、資源的にも賦存量が限られているという問題もある。
【0005】
コークスの反応劣化を抑止する別の方法としては、CO

と反応しても反応後強度の低下が起こりにくいようにする方法が開発されている。この方法は、高反応性かつ高強度のコークスを得るための技術として検討されてきた。具体的に、反応を促進する金属成分を石炭に添加してCO

との反応性を上げつつ、反応性の増加に起因するコークスの脆弱化を抑制させると共に、脆弱化する部分を補強する方法が開発されている。
【0006】
ここで、特許文献1には、触媒金属と石炭とを混合した粒をあらかじめ製造し、その粒を粉状の石炭に加えて乾留することで、添加した触媒金属が濃縮された粒の部分において反応を促進しつつ、触媒金属を添加していない部分では反応を促進させずにコークスの強度を維持する方法が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、ガス化反応を促進する触媒金属を混合した部分を核として、その外側に強度の高い材料(気孔壁強化材)を配置した造粒物(疑似粒子)を作製し、その造粒物を石炭に添加して乾留することで、コークスを得る方法が開示されている。この方法は、造粒物の核の部分で主としてガス化反応が起こるようにしつつ、強度を維持する構造を持つようにすることで、コークスの反応後強度を維持するとの思想に基づいている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2005-232348号公報
特開2003-147370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術においては、コークスのガス化反応を促進する触媒金属について、配合炭に積極的に添加する方法が開示されている。しかし、石炭中に元々存在する触媒金属に起因する反応劣化の抑制に関する方法や、触媒金属の含有量が多い石炭を用いた場合でも反応後強度を維持することが可能となるコークスの製造方法については開発が進められていない。
【0010】
特許文献1に開示された方法は、触媒金属の含有量が多い場合でもコークスの反応後強度を維持可能な技術であるものの、触媒金属を積極的に石炭に添加し、触媒金属が濃縮された状態とすることを特徴とする。このため、通常のコークスの製造において、触媒金属の含有量が元々多い石炭を使用する場合には適用することはできていない。そして、特許文献1に開示された方法により、石炭中に元々存在する触媒金属によるコークスの反応劣化を軽減できる効果を得られるか否かは、確認できない。また、特許文献1の実施例においては、触媒金属を添加させない場合、通常のコークス強度よりも反応後強度が低い例も散見される。これは、触媒金属を添加した場合にコークス強度が維持できなくなる場合があることを示唆するものである。つまり、高反応性コークスの製造を目的とする特許文献1の方法は、通常のコークスを製造する場合の反応劣化の問題点の解決に、そのまま適用できないことが示唆される。
(【0011】以降は省略されています)

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