TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024132892
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2024018625
出願日2024-02-09
発明の名称コークスの平均粒径の予測方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C10B 57/04 20060101AFI20240920BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】コークスMSの予測精度を向上する。
【解決手段】一次式で定義される線形回帰式を用いてコークスの平均粒径を予測する予測方法であって、線形回帰式は、コークス炉の炉温の回帰係数である炉温回帰係数と、石炭の銘柄毎の配合率の回帰係数である物理回帰係数及び統計回帰係数と、を含み、第1の方法又は第2の方法に基づき、物理回帰係数を求め、コークスの平均粒径を目的変数、コークス炉の炉温及び石炭の銘柄毎の配合率を説明変数とした、線形回帰式に基づく回帰分析を実施することにより、炉温回帰係数及び統計回帰係数を求め、第1の方法は、石炭の揮発分及び石炭の収縮率の関係と、石炭の収縮率及びコークスの平均粒径の関係とに基づき、前記の物理回帰係数を求める方法であり、第2の方法は、実測した石炭の収縮率とコークスの平均粒径との関係から前記の物理回帰係数を求める方法である。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
一次式で定義される線形回帰式を用いてコークスの平均粒径を予測する予測方法であって、
前記の線形回帰式は、コークス炉の炉温の回帰係数である炉温回帰係数と、石炭の銘柄毎の配合率の回帰係数である物理回帰係数及び統計回帰係数と、を含み、
第1の方法又は第2の方法に基づき、前記の物理回帰係数を求め、
コークスの平均粒径を目的変数、コークス炉の炉温及び石炭の銘柄毎の配合率を説明変数とした、前記の線形回帰式に基づく回帰分析を実施することにより、前記の炉温回帰係数及び前記の統計回帰係数を求め、
前記第1の方法は、石炭の揮発分及び石炭の収縮率の関係と、石炭の収縮率及びコークスの平均粒径の関係とに基づき、前記の物理回帰係数を求める方法であり、
前記第2の方法は、実測した石炭の収縮率とコークスの平均粒径との関係から前記の物理回帰係数を求める方法である、
ことを特徴とするコークスの平均粒径の予測方法。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
以下の式(A)に基づく回帰分析を実施することにより、前記の線形回帰式を構築することを特徴とする請求項1に記載のコークスの平均粒径の予測方法。
JPEG
2024132892000016.jpg
23
170
ただし、yはコークスの平均粒径 [mm]であり、ω
i,physics
は物理回帰係数[mm/質量%]であり、φ
i
は配合炭全体を100質量%としたときの各銘柄の配合率[質量%]であり、Tはコークス炉の炉温[℃]である。
また、ω
temp
、ω
i,statistics
及びbは求めるべき未知数であり、ω
temp
が炉温回帰係数[mm/℃]であり、ω
i,statistics
が統計回帰係数[mm/質量%]であり、bが切片である。
【請求項3】
前記の式(A)に基づく回帰分析を、ベイズの定理にしたがって実施することを特徴とする請求項2に記載のコークスの平均粒径の予測方法。
【請求項4】
前記第1の方法により求められる物理回帰係数[mm/質量%]は、石炭の揮発分と石炭の収縮率との回帰式の傾きであるα

、石炭の収縮率とコークスの平均粒径との回帰式の傾きであるα

及び石炭の銘柄毎の揮発分であるC

[質量%]の乗算値に、0.01を乗じた値である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載のコークスの平均粒径の予測方法。
【請求項5】
前記第2の方法により求められる物理回帰係数[mm/質量%]は、石炭の収縮率の実測値であるd

[%]と、石炭の収縮率とコークスの平均粒径との回帰式の傾きであるα

との乗算値に、0.01を乗じた値である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載のコークスの平均粒径の予測方法。
【請求項6】
以下の式(B)又は(C)に基づく回帰分析を実施することにより、前記の線形回帰式を構築することを特徴とする請求項1に記載のコークスの平均粒径の予測方法。
JPEG
2024132892000017.jpg
50
170
ただし、yはコークスの平均粒径 [mm]であり、ω
i,physics
は物理回帰係数[mm/質量%]であり、φ
i
は配合炭全体を100質量%としたときの各銘柄の配合率[質量%]であり、Tはコークス炉の炉温[℃]である。
また、ω
temp
、Δη
ij
,
deviation
、η
j,group
及びbは求めるべき未知数であり、ω
temp
が炉温回帰係数[mm/℃]であり、bが切片である。Δη
ij
,
deviation
が銘柄毎の回帰係数の偏差であり、η
j,group
がグループ統計回帰係数であり、統計回帰係数[mm/質量%]はこれらのΔη
ij
,
deviation
及びη
j,group
からなる。
【請求項7】
ベイズの定理にしたがってグループ統計回帰係数η
j,group
を推定して、このグループ統計回帰係数η
j,group
を平均値とする分布を統計回帰係数[mm/質量%]の事前分布として設定する処理を少なくとも含む設定ステップと、
前記設定ステップの後に、前記の式(B)に基づく回帰分析を、ベイズの定理にしたがって実施する回帰分析ステップと、
を有することを特徴とする請求項6に記載のコークスの平均粒径の予測方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コークスの平均粒径の予測方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
高炉用のコークスには、炉内通気性等を維持するためのスペーサとしての役割があり、コークスに求められる重要な品質管理指標として、コークスの平均粒径(以下、「コークスMS」ともいう)がある。
【0003】
コークスMSの予測方法として、ラボ試験等の実験結果を活用したメカニズム(物理現象)に基づく手法(以下、物理的手法ともいう)、統計データに基づく機械学習を利用する方法(以下、統計的手法ともいう)が知られている。しかしながら、以下に説明するように、いずれの方法も一長一短があり、予測精度が十分ではなかった。
【0004】
物理的手法は、信頼性の高い品質予測式を構築できる反面、実験を行っていない条件・変数では当該品質予測式による適切な予測結果が得られず、また、ラボ試験で取得した効果係数を実プロセスに適用する場合には何等かの補正が必要となる場合がある。そのため、実プロセスに適用しても十分な予測精度が得られない場合がある。
【0005】
統計的手法は、実プロセスの結果を基礎にしていることから、各製鉄所の実態に応じた係数を取得することができ、データの蓄積を継続することで、精度の向上が期待される。
しかしながら、説明変数が多い場合には、過学習となるため、予測精度が低下する。すなわち、闇雲に考え得るすべての要素を説明変数に選び、これらの説明変数に基づく機械学習を行うと、過剰に訓練データに適合したモデルが構築されてしまい、コークスMSの予測精度が低下するおそれがある。また、実績データが少ない場合には、データ数が不足し、予測精度が低下するおそれがある。
例えば、石炭の銘柄毎の配合率を説明変数として、コークスMSの予測式を構築する場合には、以下の問題が考えられる。
・使用を開始した石炭が、使用実績の少ない銘柄もしくは使用実績の無い銘柄である場合、データが蓄積されるまでの間、その予測式の精度は不確かにならざるを得ない。
・データの蓄積により精度の向上は期待できるが、製造設備の変更・劣化や同一銘柄内の石炭の長期的な性状変化(例えば、石炭の採掘場所が同一であっても、長期的には、石炭の性状が変化する場合がある)を考えると、説明変数として約2年以上前のデータを利用することは望ましくないため、利用できるデータ数に限りがある。
【0006】
機械学習などの統計データを用いた予測方法として、特許文献1及び2にはニューラルネットワーク(NN)を利用したコークス強度の推定方法が提案されている。この推定方法において、目的変数をコークスMSに変更し、機械学習を行うことにより、コークスMSを予測することも可能である。しかしながら、ニューラルネットワーク(NN)の場合、周知の通りモデルがブラックボックスとなるため、銘柄毎の品質変化代の把握が困難である。
すなわち、現時点の条件からコークスMSを予測することはできても、石炭の銘柄毎の使用比率が変化したときのコークスMSの変化量については、条件ごとに計算する必要がある。したがって、石炭の銘柄の選択・配合率の決定の自由度が高い配合設計、需給上での銘柄毎の必要量の算定にニューラルネットワーク(NN)を用いることは、利便性が低い、という課題がある。
【0007】
かかる課題を解決する方法として、特許文献3には、ニューラルネットワークを用いたモデルと配合計画とを一体化したシステムが提案されている。しかしながら、特許文献3のシステムは、全体として複雑であり、導入時のコストが非常に高位となる。
【0008】
特許文献4には、クラスタ分析を用いて石炭の銘柄をいくつかのクラスタに分類し、クラスタの配合比率及びコークスの品位値をそれぞれ入力及び出力とした教師データを生成するとともに、この生成した教師データを用いた機械学習によりモデルを作成し、コークスの品位を予測する方法が提案されている。この方法は、クラスタ分析によって入力データの次元を削減することで、過学習を回避している点に特徴がある。しかしながら、この方法では、クラスタの配合比率によってコークスの品質が予測されるため、同一クラスタ内の銘柄の差異については考慮されない。すなわち、同一クラスタ内の銘柄の優劣を把握できず、コークス品位に及ぼす影響がクラスタ内で大きく異なる場合には、予測精度が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平9-165579号公報
特開平9-304376号公報
特許第3385912号
特開2022-41892号公報
特開2020-172605号公報
特開2005-232349号公報
【非特許文献】
【0010】
Nomura and Arima, Fuel 105 (2013) 176-183[2022年12月28日検索],インターネット <URL:https://doi.org/10.1016/j.fuel.2012.06.074>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

日本製鉄株式会社
鋼材
23日前
日本製鉄株式会社
鋼材
2日前
日本製鉄株式会社
鋼矢板
1か月前
日本製鉄株式会社
ボルト
27日前
日本製鉄株式会社
接合構造
2日前
日本製鉄株式会社
構造部材
16日前
日本製鉄株式会社
チタン材
9日前
日本製鉄株式会社
浸漬ノズル
3日前
日本製鉄株式会社
耐火構造物
17日前
日本製鉄株式会社
耐火構造物
17日前
日本製鉄株式会社
クランク軸
17日前
日本製鉄株式会社
鉄道架線柱
23日前
日本製鉄株式会社
耐火構造物
17日前
日本製鉄株式会社
非調質ボルト
6日前
日本製鉄株式会社
転炉精錬方法
1か月前
日本製鉄株式会社
連続鋳造装置
1か月前
日本製鉄株式会社
連続鋳造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
連続鋳造装置
1か月前
日本製鉄株式会社
表面処理鋼板
2日前
日本製鉄株式会社
管用ねじ継手
24日前
日本製鉄株式会社
油井用金属管
23日前
日本製鉄株式会社
鋼管用ねじ継手
2日前
日本製鉄株式会社
溶銑の製造方法
17日前
日本製鉄株式会社
溶鋼の製造方法
2日前
日本製鉄株式会社
鋼の連続鋳造方法
23日前
日本製鉄株式会社
モールドパウダー
1か月前
日本製鉄株式会社
金属材の冷却方法
23日前
日本製鉄株式会社
低P鋼の溶製方法
23日前
日本製鉄株式会社
鋼の連続鋳造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
合金鉄粉の回収方法
2日前
日本製鉄株式会社
溶融金属の精錬方法
2日前
日本製鉄株式会社
焼結装置の運転方法
16日前
日本製鉄株式会社
連続鋳造用浸漬ノズル
24日前
日本製鉄株式会社
高強度コイルの製造方法
6日前
日本製鉄株式会社
被圧延材の蛇行制御方法
5日前
日本製鉄株式会社
高強度コイルの製造方法
6日前
続きを見る