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公開番号
2024119312
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-03
出願番号
2023026117
出願日
2023-02-22
発明の名称
鋼の連続鋳造方法
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類
B22D
11/22 20060101AFI20240827BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】鋳片の縦割れ発生の防止が十分であり、かつ凝固遅れBO発生を十分に防止できる、連続鋳造用モールドフラックスと連続鋳造用鋳型を用いた鋼の連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】連続鋳造用鋳型として、鋳型冷却水路(冷却スリット)形状(幅および深さ),鋳型冷却水路端の鋳型表面からの距離、鋳型銅板の熱伝導率、鋳型冷却水流速、鋳型冷却水温、のいずれかもしくは複数の因子を鋳型上部と鋳型下部とで異ならせることによって、鋳型上部である溶鋼湯面近傍の冷却能力を鋳型下部の冷却能力よりも高めた連続鋳造用鋳型を用い、モールドフラックスとして、CaO’/SiO
2
質量比が0.9~2.0であり、Fを5質量%以上含み、アルカリ金属酸化物のうち、Li
2
Oを1質量%以上15質量%以下含有し、凝固点が900℃以上1300℃以下であるモールドフラックスを適用する鋼の連続鋳造方法。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
連続鋳造用鋳型として、鋳型冷却水路(冷却スリット)形状(幅および深さ),鋳型冷却水路端の鋳型表面からの距離、鋳型銅板の熱伝導率、鋳型冷却水流速、鋳型冷却水温、のいずれかもしくは複数の因子を鋳型上部と鋳型下部とで異ならせることによって、鋳型上部である溶鋼湯面近傍の冷却能力を鋳型下部の冷却能力よりも高めた連続鋳造用鋳型を用いた連続鋳造機を使用し、
モールドフラックスとして、CaO’/SiO
2
質量比が0.9~2.0であり、Fを5質量%以上含み、アルカリ金属酸化物のうち、Li
2
Oを1質量%以上15質量%以下含有し、凝固点が900℃以上1300℃以下であるモールドフラックスを組み合わせて適用することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
ここで、CaO’は(1)式および(2)式より求められる。
CaO’(質量%)=T.CaO-CaF
2
’×0.718 …(1)
CaF
2
’(質量%)=(F-Li
2
O×1.27-Na
2
O×0.613-K
2
O×0.403)×2.05 …(2)
(但し、(2)式右辺がマイナスの場合は(2)式左辺を0%とする。)
F:モールドフラックス中Fの含有率(質量%)、
モールドフラックスの成分含有量評価結果のうち、Cを除く成分の合計含有量を100質量%として、各成分の含有量を定める。T.CaO、Li
2
O、Na
2
O、K
2
Oは、モールドフラックス中のCa、Li、Na、Kがいずれもすべて酸化物であるとして算出した酸化物含有量(質量%)を意味する。
続きを表示(約 800 文字)
【請求項2】
前記連続鋳造用鋳型として、連続鋳造機の設定鋳造速度Vcに応じて(3)式で求められる熱流束Qを与えたとき、(4)式によって算出される鋳型表面温度T
s
が、鋳型上部において鋳型下部よりも20℃以上低い連続鋳造用鋳型を用いた連続鋳造機を使用することを特徴とする請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
TIFF
2024119312000008.tif
26
168
TIFF
2024119312000009.tif
29
168
Re=V
w
d/(η/ρ) (5)
Pr=ηC
P
/λ
w
(6)
d=4A/L (7)
ここで、Q:熱流束[W/m
2
]、Vc:設定鋳造速度[m/min]、T
s
:鋳型表面温度[℃]、T
w
:冷却水温度[℃]、X:鋳型冷却水路端の鋳型表面からの距離[m]、λ
m
:鋳型銅板熱伝導率[W/(m・K)]、λ
w
:冷却水熱伝導率[W/(m・K)]、A:鋳型冷却水路(冷却スリット)断面積[m
2
]、L:鋳型冷却水路(冷却スリット)周長[m]、
Re:鋳型冷却水路(冷却スリット)内冷却水レイノルズ数[-]、
Pr:鋳型冷却水路(冷却スリット)内冷却水プラントル数[-]、
d:相当直径[m]、
V
w
:鋳型冷却水路(冷却スリット)内の冷却水流速[m/s]、η:水の粘度[Pa・s]、ρ:水の密度[kg/m
3
]、C
P
:水の比熱[J/(kg・K)]
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼の連続鋳造方法に関するものであり、特に、モールドフラックスを用いた鋼の連続鋳造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
連続鋳造プロセスでは、タンディッシュからの溶鋼を水冷銅鋳型へ供給し、鋳型内の溶鋼表面に添加したモールドフラックスを鋳型内潤滑・溶鋼の保温・不純物の回収・鋳型内抜熱(鋳型内熱流束)の制御に用いる方法が実用化されている。鋳型内における溶鋼の凝固過程で、鋳片の表面割れの起因となる不均一凝固が生じ、これの抑制のために緩冷却化が指向される。この具体的な方法として、(1)鋳型の熱伝導率あるいは熱伝達係数を下げ鋳型表面温度を上げ鋳片表面との温度差を低減する方法、(2)鋳型と鋳片の間に流入したモールドフラックスが形成するフラックスフィルムの結晶化を促進し、輻射伝熱の低減および結晶化に伴うエアギャップの形成による伝導伝熱の遮蔽を図る方法の二つが知られている。
【0003】
(1)に該当する公知技術には、特許文献1(鋳型上部に低熱伝導率のシートを配置する方法)、特許文献2(鋳型上部の冷却スリットを溶鋼側表面から後退させる方法)、特許文献3(鋳型上下で冷却水系を分離し上部の冷却を緩和する方法)、特許文献4(鋳型上部に空孔を配置する方法)、特許文献5(鋳型の水平方向に複数の冷却水系を設け上部の冷却を緩和する方法)、特許文献6(鋳型上部表面に低熱伝導率の溶射層を設ける方法)、特許文献7(鋳型上部に発熱体を埋設する方法)など多くの事例がある。これらの技術は伝導伝熱だけを考慮した場合には一定の効果が期待できるものの、鋳型表面温度の上昇は、鋳型表面への鋳片の焼き付きや鋳型表面の亀裂や銅板の変形等、鋳型寿命を低下させる問題を誘起するため、実用化には高いハードルがある。また、鋳型表面温度の上昇はモールドフラックスの結晶化を阻害することから上記(2)の方法にとってはかえって逆効果となりうる点が問題である。
【0004】
(2)に該当する公知技術には、モールドフラックスのフィルム中にCuspidineやmeliliteを晶析出させる手法がある(特許文献8,9,10)。これらの手法は鋳片の緩冷却化および割れ防止に効果があり、広く実用化されている。フラックスフィルムの結晶化は割れの抑制に有効であるものの、過度な結晶化は鋳型内潤滑不良を引き起こすだけでなく、鋳片抜熱低下によるバルジングやブレークアウト(BO)検知の懸念が高まり、良好な操業を阻害する因子にもなる。すなわち、鋳片の割れを抑制するにはフラックスフィルムの結晶相を単に晶析出させるのではなく、鋳型上部で瞬時に晶析出しつつ、鋳型下部にわたって適切な結晶化率を満たすモールドフラックスが望ましい。これを志向するものとして結晶化速度や凝固点を調整したモールドフラックスが開発されている(特許文献11,12,13)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭61-195742号公報
特開昭61-195746号公報
特開平01-143742号公報
特開平02-197352号公報
特開平02-200353号公報
特開平08-267182号公報
特開2000-202583号公報
特開平11-320058号公報
特開2000-158105号公報
特開2010-214387号公報
特開2006-247744号公報
特開2020-146719号公報
特開2021-74782号公報
【非特許文献】
【0006】
日本機械学会編,「JSME テキストシリーズ 伝熱工学」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
凝固点を高く設計したモールドフラックスは結晶化率が高くなり、鋳型上部でフィルムの結晶化が促進されるが鋳型下部でフィルムの結晶化が過度に生じる。一方で低凝固点化は鋳型と鋳片との間でモールドフラックスの液相が存在するので、鋳型内潤滑や凝固殻の成長促進に有効であるが、鋳型上部において十分な緩冷却能を得られない。すなわち、凝固点および結晶化率双方の観点から、両者が鋼の鋳造において適切な一方、その結晶化の制御はモールドフラックスの組成設計のみに頼っており、鋳型表面温度の制御と組み合わせて結晶化制御の自由度を高め、その効果を最大化するという思想はなかった。
【0008】
前述したように、鋳片表面の割れを防止するには鋳型内熱流束を制御することが肝要である。これには、上述の(1)および(2)のように鋳型とモールドフラックスそれぞれの手段があるが、従来はこれら2つの手段機構の相互作用が論じられることなく、単体での発明にとどまっていた。
【0009】
本発明は、鋳型の冷却能とフラックスフィルムを介した鋳型内抜熱制御の相互作用を考慮しつつ、両者を適正に組み合わせて実施することにより、従来に比べてより理想的な鋳型内抜熱を実現するものであり、鋼の連続鋳造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
鋳片の割れ抑制には緩冷却化が有効であるが、厳密には鋳型上部で緩冷却化することが望ましい。鋳型下部にかけては凝固殻の成長を促進するために、鋳型内抜熱を促進することが望ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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