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公開番号2024135288
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023045906
出願日2023-03-22
発明の名称合金鉄粉の回収方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C22B 1/00 20060101AFI20240927BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】合金鉄粉からの油分除去エネルギーを低減し、かつ油分除去率および固液分離速度を高めることが可能な、合金鉄粉の回収方法を提供する。
【解決手段】油分が付着し、かつ、合金鉄粉と非磁着物を含む混合物から油分を分離して合金鉄粉を回収する方法であって、混合物と、水とを、粘度が0.003~1.00Pa・Sの範囲内となるよう混合してスラリーを生成するスラリー化工程と、スラリーに第1揮発性疎水性溶剤を添加した後、混合し、第1エマルジョンを形成する第1エマルジョン化工程と、第1エマルジョンから、磁力選別により粉体相を分離して回収する第1磁選工程と、第1磁選工程で得られた粉体相中に残存している第1揮発性疎水性溶剤を揮発除去する残留溶剤除去工程と、残留溶剤除去工程で得られた粉体相を含むスラリーから、湿式分級にて、合金鉄粉を分離回収する合金鉄粉回収工程と、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
油分が付着し、かつ、合金鉄粉と非磁着物を含む混合物から前記油分を分離して前記合金鉄粉を回収する合金鉄粉の回収方法であって、
前記混合物と、水とを、粘度が0.003~1.00Pa・Sの範囲内となるよう混合してスラリーを生成するスラリー化工程と、
前記スラリーに第1揮発性疎水性溶剤を添加した後、混合し、第1エマルジョンを形成する第1エマルジョン化工程と、
前記第1エマルジョンから、磁力選別により粉体相を分離して回収する第1磁選工程と、
前記第1磁選工程で得られた前記粉体相を、前記第1揮発性疎水性溶剤の沸点超の水温である温水槽に投入し、前記粉体相中に残存している前記第1揮発性疎水性溶剤を揮発除去する残留溶剤除去工程と、
前記残留溶剤除去工程で得られた前記粉体相を含むスラリーから、湿式分級にて、合金鉄粉を分離回収する合金鉄粉回収工程と、
を備えることを特徴とする、合金鉄粉の回収方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
油分が付着し、かつ、合金鉄粉と非磁着物を含む混合物から前記油分を分離して前記合金鉄粉を回収する合金鉄粉の回収方法であって、
前記混合物と、水とを、粘度が0.003~1.00Pa・Sの範囲内となるよう混合してスラリーを生成するスラリー化工程と、
前記スラリーに第1揮発性疎水性溶剤を添加した後、混合し、第1エマルジョンを形成する第1エマルジョン化工程と、
前記第1エマルジョンから、磁力選別により粉体相を分離して回収する第1磁選工程と、
前記第1磁選工程で得られた前記粉体相を、前記第1揮発性疎水性溶剤の沸点超の水温である温水槽に投入し、前記粉体相中に残存している前記第1揮発性疎水性溶剤を揮発除去する残留溶剤除去工程と、
前記残留溶剤除去工程で得られた前記粉体相を含むスラリーから、乾式分級にて、合金鉄粉を分離回収する合金鉄粉回収工程と、
を備え、
前記合金鉄粉回収工程は、
前記残留溶剤除去工程で得られた前記粉体相を含むスラリーを脱水機にて脱水する脱水工程と、
前記脱水工程で得られた前記粉体相を乾燥する乾燥工程と、
前記乾燥工程で得られた前記粉体相から、乾式分級にて、合金鉄粉を分離回収する分級工程と、
を含むことを特徴とする、合金鉄粉の回収方法。
【請求項3】
前記残留溶剤除去工程で得られた前記粉体相を含むスラリー内の固形物中の油分濃度が、1.5質量%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の合金鉄粉の回収方法。
【請求項4】
前記湿式分級が、液体サイクロン、磁選のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の合金鉄粉の回収方法。
【請求項5】
前記乾式分級が、遠心力型気流分級機、磁選、重液による比重分離のいずれかであることを特徴とする、請求項2に記載の合金鉄粉の回収方法。
【請求項6】
前記第1エマルジョン化工程と前記第1磁選工程からなる洗浄ステップを1回以上繰り返すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の合金鉄粉の回収方法。
【請求項7】
前記第1磁選工程と前記残留溶剤除去工程との間において、さらに、
前記第1磁選工程で得られた前記粉体相に、第2揮発性疎水性溶剤を添加した後、混合し、第2エマルジョンを形成する第2エマルジョン化工程と、
前記第2エマルジョンから磁力選別により第2粉体相を分離して回収する第2磁選工程と、
を備え、
前記洗浄ステップと、前記第2エマルジョン化工程と前記第2磁選工程からなるすすぎステップとを1つのカウンターフロー槽内にて行う向流型連続プロセスであることを特徴とする請求項6に記載の合金鉄粉の回収方法。
【請求項8】
前記第1揮発性疎水性溶剤の比重が、1.05超、2.0未満であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の合金鉄粉の回収方法。
【請求項9】
前記第1揮発性疎水性溶剤の常圧での沸点が95℃未満であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の合金鉄粉の回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、合金鉄粉の回収方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
製鉄業をはじめとする各種製造業では、親水性粒子を含む粉体が水または水溶液中で分散した混合物が大量に排出される。混合物は、含水スラリーの形態で排出されることが多い。混合物に含まれる粉体は多種多様であり、例えば製鉄業の分野であればスケール、ロール研磨屑等である。
【0003】
例えばスケールおよびロール研磨屑には、工業生産に際して不可避的に発生する油分と水分(例えば、圧延で使用する圧延油や潤滑油、冷却水)が混入する。このような油分と水分を含むスケールやロール研磨屑は、5~50%の水分と、数%の油分を含有する。そのため、リサイクルまたは効率的な使用等を目的として、スケール、ロール研磨屑などの合金鉄粉から油分および水分を除去する必要がある。
【0004】
油分を含む合金鉄粉(以下、含油粉体とも称する。)から油分を除去する方法として、従来では、ロータリーキルンなどで燃焼処理する方法が知られている。しかし、含油粉体の油分濃度は低いため、燃焼処理する場合には助燃燃料が必要となることから、多量のエネルギーを要するという問題があった。特に、含油粉体の油分濃度がより低い場合には、助燃燃料としてCOG(コークス炉ガス)、重油等のような高級(高価)なエネルギーが使用される場合があり、このような場合に上記の問題がより深刻になっていた。また、燃焼処理する場合には、CO

排出量も増えるので、近年特に課題となっているCO

削減にも反することとなる。
【0005】
また、油分の付着したスケール(以下、含油スケールとも称する)の場合、燃焼処理し油分を除去した後のスケールは、焼結工程等での鉄源として使用されることが多い。しかし、燃焼処理中にスケール中の主成分であるFeO(ウスタイト)およびFe



(マグネタイト)がFe



(ヘマタイト)まで酸化してしまい、焼結工程におけるコークス使用量を増加させてしまう問題があった。
【0006】
また、燃焼処理は助燃油などを使用するため、ランニングコストが高くなってしまう。さらに、燃焼処理は炉で実施するため、炉の高温耐性が必要となり設備費も高額となってしまう。
油分を含む合金鉄粉からの油分分離で必要なのは、合金粉体表面からの除去であるが、キルンなどでの燃焼処理は、上記のとおりランニングコスト、設備コストが高まる課題がある。さらに、燃焼処理は、助燃燃料を使用し、かつ、合金鉄粉の成分を酸化させてしまうため、CO

を多く排出する場合があり、カーボンニュートラル時代に適さない。
【0007】
また、レアメタル(Cr、Ni、Mo、V、Nb)を含む合金鉄粉と砥石粉と油分と水とを含むロール研摩屑に関しては、油分を含むスケールとともに、前述のロータリーキルンで燃焼して油分を除去して粉体を回収した後、得られた粉体を鉄源としてリサイクルすることが多い。ロール研磨屑から回収した粉体を鉄源としてリサイクルした場合、普通鋼などの低トランプエレメント鉄鋼材料の原料となり、ロール研磨屑に含まれるレアメタル成分はほぼ分離できなくなり、レアメタルが本来有する金属価値を利用することができなくなるという問題があった。
【0008】
このような問題に対し、燃焼処理を行わずに含油粉体から油分を分離する方法が種々検討されている。
【0009】
例えば、特許文献1では、油分の付着したスケールに抽出剤として有機溶剤を混合して攪拌することで、油分の付着したスケールから油分を有機溶剤に抽出し、比重差を利用して遠心力を作用させ、溶剤相と水相とスケール相に分離する方法が開示されている。
【0010】
特許文献2では、スケールを含むエマルジョンに対して、液体サイクロンにて遠心力を作用させて、含油粉体を含む混合物から油分を分離して、粉体を回収するという方法が開示されている。
(【0011】以降は省略されています)

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