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公開番号
2024100279
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-26
出願番号
2023004151
出願日
2023-01-13
発明の名称
鋼材
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
アセンド弁理士法人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20240719BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】水素の侵入を抑制可能な鋼材を提供する。
【解決手段】本開示の鋼材は、質量%で、C:0.01~0.25%、Si:0.005~0.300%、Mn:0.20~0.80%、P:0.030%以下、S:0.040%以下、Cr:0.01~0.30%、Cu:0.04~0.35%、Ni:0.04~0.35%、Al:0.001~0.120%、N:0.0150%以下、O:0.0100%以下、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、鋼材の長手方向及び径方向を含む断面のうち、鋼材の表面から径方向に1000μm、長手方向に1000μmの矩形観察領域において、Cu偏析度σが、0.050以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
鋼材であって、
化学組成が、質量%で、
C:0.01~0.25%、
Si:0.005~0.300%、
Mn:0.20~0.80%、
P:0.030%以下、
S:0.040%以下、
Cr:0.01~0.30%、
Cu:0.04~0.35%、
Ni:0.04~0.35%、
Al:0.001~0.120%、
N:0.0150%以下、及び、
O:0.0100%以下、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
前記鋼材の長手方向及び径方向を含む断面のうち、前記鋼材の表面から前記径方向に1000μm、前記長手方向に1000μmの矩形観察領域において、
前記径方向に400分割、前記長手方向に400分割された16万個の測定区域に対して、電子線マイクロアナライザによる面分析を実施し、得られた各測定区域での質量%でのCu含有量を、[Cu]
MA
とし、
全ての前記測定区域の前記[Cu]
MA
の算術平均値を、[Cu]
AVE
とし、
各測定区域の前記[Cu]
MA
の前記[Cu]
AVE
に対する比を、[Cu]
S
とし、
複数の前記測定区域のうち、前記長手方向に一列に配列された一行分の複数の前記測定区域を測定行と定義したとき、各測定行において、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の前記[Cu]
S
の合計の、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の総数に対する比を、[Cu]
L
とし、
全ての前記測定行の前記[Cu]
L
の標本標準偏差を、Cu偏析度σとしたとき、
前記Cu偏析度σは、0.050以下である、
鋼材。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
鋼材であって、
化学組成が、質量%で、
C:0.01~0.25%、
Si:0.005~0.300%、
Mn:0.20~0.80%、
P:0.030%以下、
S:0.040%以下、
Cr:0.01~0.30%、
Cu:0.04~0.35%、
Ni:0.04~0.35%、
Al:0.001~0.120%、
N:0.0150%以下、及び、
O:0.0100%以下、を含有し、
前記化学組成はさらに、第1群及び第2群からなる群から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
前記鋼材の長手方向及び径方向を含む断面のうち、前記鋼材の表面から前記径方向に1000μm、前記長手方向に1000μmの矩形観察領域において、
前記径方向に400分割、前記長手方向に400分割された16万個の測定区域に対して、電子線マイクロアナライザによる面分析を実施し、得られた各測定区域での質量%でのCu含有量を、[Cu]
MA
とし、
全ての前記測定区域の前記[Cu]
MA
の算術平均値を、[Cu]
AVE
とし、
各測定区域の前記[Cu]
MA
の前記[Cu]
AVE
に対する比を、[Cu]
S
とし、
複数の前記測定区域のうち、前記長手方向に一列に配列された一行分の複数の前記測定区域を測定行と定義したとき、各測定行において、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の前記[Cu]
S
の合計の、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の総数に対する比を、[Cu]
L
とし、
全ての前記測定行の前記[Cu]
L
の標本標準偏差を、Cu偏析度σとしたとき、
前記Cu偏析度σは、0.050以下である、
鋼材。
[第1群]
Mo:0.20%以下、
V:0.15%以下、
Nb:0.10%以下、
Ti:0.080%以下、及び、
B:0.0010%未満、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Sn:0.050%以下、
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0050%以下、及び、
希土類元素:0.0200%以下、からなる群から選択される1種以上
【請求項3】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記化学組成は、前記第1群を含有する、
鋼材。
【請求項4】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記化学組成は、前記第2群を含有する、
鋼材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、鋼材に関し、さらに詳しくは、ボルトの素材として適用可能な鋼材に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
ボルトは、産業機械、自動車、橋梁及び建築物等の締結手段として用いられる。ボルトは通常、棒鋼又は線材を素材として、冷間鍛造により製造される。そのため、ボルトの素材となる鋼材には、十分な冷間鍛造性が求められる。
【0003】
冷間鍛造性の高いボルト用鋼材が、特開平10-102202号公報(特許文献1)に開示されている。この文献に開示された鋼材は、重量%で、C:0.15~0.25%と、Si≦0.2%と、Mn:0.1~0.4%と、Cr:0.2~0.6%と、Mo:0.3~0.5%と、Ti:0.01~0.05%と、B:0.0005~0.003%と、Al:0.01~0.05%と、N:0.007~0.03%とを含有し、DI=0.54C%(1+3.33Mn%)(1+0.7Si%)(1+2.16Cr%)(1+3Mo%){10.3-69.6C%+246(C%)
2
-445(C%)
3
+399(C%)
4
-141(C%)
5
}とするとき、DIは2.2~4.2である。この文献に開示された鋼材では、C含有量を低くし、かつ、焼入れ性の指標となるDIを所定範囲に調整することにより、冷間鍛造性を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-102202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ボルトが用いられる上述の用途のうち、橋梁や建築物等は、海浜地域に建てられたり、寒冷地に建てられたりする場合がある。海浜地域は塩分の多い腐食環境である。また、寒冷地では、融雪塩や凍結防止剤が使用される場合がある。融雪塩や凍結防止剤は、ボルトを構成する鋼材を腐食する。つまり、寒冷地も腐食環境である場合が多い。そのため、このような腐食環境で用いられるボルトでは、耐水素脆性が求められる。
【0006】
特許文献1に開示されているようなC含有量が低い低強度の鋼材では、水素脆性は生じにくい。しかしながら、鋼材を冷間鍛造してボルトを製造する場合、強加工が施される場合がある。強加工により耐水素脆性が劣化したボルトが過酷な腐食環境に用いられれば、水素脆性を生じることがあり得る。
耐水素脆性を高めるためには、水素の鋼材への侵入を抑制することが有効であることが知られている。そこで、上述のようなC含有量が低い低強度の鋼材であっても、強加工が施されたり、過酷な腐食環境で使用されたりすることを想定すれば、水素の鋼材への侵入を抑制できる方が好ましい。
【0007】
本開示の目的は、水素の侵入を抑制可能な鋼材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示による鋼材は、
化学組成が、質量%で、
C:0.01~0.25%、
Si:0.005~0.300%、
Mn:0.20~0.80%、
P:0.030%以下、
S:0.040%以下、
Cr:0.01~0.30%、
Cu:0.04~0.35%、
Ni:0.04~0.35%、
Al:0.001~0.120%、
N:0.0150%以下、及び、
O:0.0100%以下、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
前記鋼材の長手方向及び径方向を含む断面のうち、前記鋼材の表面から前記径方向に1000μm、前記長手方向に1000μmの矩形観察領域において、
前記径方向に400分割、前記長手方向に400分割された16万個の測定区域に対して、電子線マイクロアナライザによる面分析を実施し、得られた各測定区域での質量%でのCu含有量を、[Cu]
MA
とし、
全ての前記測定区域の前記[Cu]
MA
の算術平均値を、[Cu]
AVE
とし、
各測定区域の前記[Cu]
MA
の前記[Cu]
AVE
に対する比を、[Cu]
S
とし、
複数の前記測定区域のうち、前記長手方向に一列に配列された一行分の複数の前記測定区域を測定行と定義したとき、各測定行において、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の前記[Cu]
S
の合計の、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の総数に対する比を、[Cu]
L
とし、
全ての前記測定行の前記[Cu]
L
の標本標準偏差を、Cu偏析度σとしたとき、
前記Cu偏析度σは、0.050以下である。
【0009】
本開示による鋼材は、
化学組成が、質量%で、
C:0.01~0.25%、
Si:0.005~0.300%、
Mn:0.20~0.80%、
P:0.030%以下、
S:0.040%以下、
Cr:0.01~0.30%、
Cu:0.04~0.35%、
Ni:0.04~0.35%、
Al:0.001~0.120%、
N:0.0150%以下、及び、
O:0.0100%以下、を含有し、
前記化学組成はさらに、第1群及び第2群からなる群から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
前記鋼材の長手方向及び径方向を含む断面のうち、前記鋼材の表面から前記径方向に1000μm、前記長手方向に1000μmの矩形観察領域において、
前記径方向に400分割、前記長手方向に400分割された16万個の測定区域に対して、電子線マイクロアナライザによる面分析を実施し、得られた各測定区域での質量%でのCu含有量を、[Cu]
MA
とし、
全ての前記測定区域の前記[Cu]
MA
の算術平均値を、[Cu]
AVE
とし、
各測定区域の前記[Cu]
MA
の前記[Cu]
AVE
に対する比を、[Cu]
S
とし、
複数の前記測定区域のうち、前記長手方向に一列に配列された一行分の複数の前記測定区域を測定行と定義したとき、各測定行において、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の前記[Cu]
S
の合計の、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の総数に対する比を、[Cu]
L
とし、
全ての前記測定行の前記[Cu]
L
の標本標準偏差を、Cu偏析度σとしたとき、
前記Cu偏析度σは、0.050以下である。
[第1群]
Mo:0.20%以下、
V:0.15%以下、
Nb:0.10%以下、
Ti:0.080%以下、及び、
B:0.0010%未満、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Sn:0.050%以下、
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0050%以下、及び、
希土類元素:0.0200%以下、からなる群から選択される1種以上
【発明の効果】
【0010】
本開示による鋼材では、水素の侵入を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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