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公開番号
2024103326
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-01
出願番号
2023007599
出願日
2023-01-20
発明の名称
鋼板
出願人
株式会社神戸製鋼所
代理人
個人
,
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20240725BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】ジンクリッチペイント等の塗装を行って耐食性を向上できる鋼板であって、塗装耐久性に優れた鋼鈑を提供する。
【解決手段】C:0.02~0.10質量%、Si:0.10~0.50質量%、Mn:0.30~2.00質量%、Cu:0.40質量%~1.00質量%、Ni:0.40~1.00質量%、S:0.010質量%以下(0質量%を含む)、P:0.030質量%以下(0質量%を含む)、Cr:4.00質量%以下(0質量%を含む)、Ti:0.02~0.07質量%、Al:0.010~0.070質量%、B:0.0005~0.0030質量%、N:0.0010~0.0100質量%、Ca:0.0050質量%以下(0質量%を含む)、Ta:0.01~0.20質量%、ならびにMg:0.05質量%以下(0質量%を含まず)およびREM:0.05質量%以下(0質量%を含まず)の一方または両方を含み、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼板である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
C :0.02質量%以上、0.10質量%以下、
Si:0.10質量%以上、0.50質量%以下、
Mn:0.30質量%以上、2.00質量%以下、
Cu:0.40質量%以上、1.00質量%以下、
Ni:0.40質量%以上、1.00質量%以下、
S :0.010質量%以下(0質量%を含む)、
P :0.030質量%以下(0質量%を含む)、
Cr:4.00質量%以下(0質量%を含む)、
Ti:0.02質量%以上、0.07質量%以下、
Al:0.010質量%以上、0.070質量%以下、
B :0.0005質量%以上、0.0030質量%以下、
N :0.0010質量%以上、0.0100質量%以下、
Ca:0.0050質量%以下(0質量%を含む)、
Ta:0.01質量%以上、0.20質量%以下、ならびに
Mg:0.05質量%以下(0質量%を含まず)およびREM:0.05質量%以下(0質量%を含まず)の一方または両方、
を含み、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼板。
続きを表示(約 260 文字)
【請求項2】
板厚t/4位置における金属組織がフェライトおよびベイナイトの一方または両方を含み、残部がパーライトおよび島状マルテンサイトの一方または両方であり、前記フェライトおよびベイナイトの最大結晶粒径が30μm以下である請求項1に記載の鋼板。
【請求項3】
橋梁用鋼板である請求項1または2に記載の鋼板。
【請求項4】
ジンクリッチペイントを施されてなる請求項1または2に記載の鋼板。
【請求項5】
ジンクリッチペイントを施されてなる請求項3に記載の鋼板。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、鋼板、とりわけ例えば橋梁等の耐食性を要する用途に用いることができる鋼板に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
橋梁に用いる鋼板に例示されるように、耐食性を有する鋼板は従来から広く腐食環境で用いられている。例えば、Cr、Cu、Ni、P等の化学成分を適量添加した耐候性鋼材として日本工業規格(JIS)には溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材(SMA:JIS G 3114)と高耐候性圧延鋼材(SPA:JISG 3125)の二種が規定されている。これらは塗装を施さずに用いることができるが、より耐食性を向上させることを目的として塗装を施されて用いられることも一般的に行われている。
塗装用耐候性鋼として以下に示す特許文献1~3に係る鋼板が知られている。
【0003】
特許文献1は、Si量を適正な範囲に調整したうえで、Cu、Ni、SnおよびSbを微量複合添加し、さらにWを添加することによって、塗装耐久性を向上できる、すなわち再塗装までの期間を延ばすことができ、メンテナンスコストを低減できる鋼板を開示している。
【0004】
特許文献2は、亜鉛含有被膜をプライマとする鋼材の耐孔食性の向上に関する。Sn添加により、酸化剤として働く腐食界面のFe
3+
の濃度を低下させ、孔食を抑制し、塗装メンテナンスコストを低減できる鋼板を開示している。
【0005】
特許文献3は、Cu、NiおよびTiを適正量添加することにより錆の緻密化を図り、さらにCr量を低減することにより塗装欠陥部における腐食を抑制できる鋼板を開示している。
【0006】
また、特許文献4は塗装および電気防食を施さなくても優れた耐食性を示す鋼板を開示している。より詳細には、原油タンカー、貨物船、貨客船、客船、軍艦等の船舶において、主要な構造材として用いられる船舶用鋼板に関するものであり、海水による塩分および高温高湿に曝される環境下における耐食性に優れている。硫黄分を含有する原油と接触するような厳しい腐食環境下でも良好な耐食性を示すことから、殊に原油タンカーのタンク構造材として有用である。特許文献に係る鋼板では、Cu、Cr、Niといった耐食性元素の量が規定され、さらにパーライト、ベイナイト、マルテンサイト、フェライトの体積比、およびパーライトのアスペクト比が規定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2022-48121号公報
特開2014-19908号公報
特開平10-330881号公報
特開2007-277615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のJIS G 3114溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材は、海岸および融雪塩がまかれる地域といった飛来塩分量が多い環境ではうろこ状錆の形成または層状剥離等が生ずることから用いることができない。また、Ni量を増加させて耐食性を向上させた鋼板があるが、これらも飛来塩分量が多い地域では適用できない。またコストが高くなるという問題を有する。
【0009】
そのため、塗装による防食が必要となる。塗装として、従来はA系塗装(一般錆止め+フタル酸樹脂)が用いられていたが、近年は防食性能向上を目的に、防食下地にジンクリッチプライマ、上塗りに紫外線および高温下での耐久性に優れたフッ素系樹脂を適用し、膜厚を増加させたC系塗装が施されることが多くなっている。
なお、ジンクリッチプライマとは亜鉛を多量(70質量%以上)に含んだ下塗り塗料(ジンクリッチペイント)が15~25μmの膜厚で塗装されたものを指す場合が多い。これ以外にも厚膜型ジンクリッチペイントと呼ばれる50~75μmの膜厚の塗装もある。本明細書においては「ジンクリッチペイント」は膜厚によらず亜鉛を多量に(70質量%以上)含んだ下塗り塗装を意味する。
【0010】
ジンクリッチペイントのような顕著に耐食性を向上できる塗装を用いてもなお、塗装の疵部および膜厚が局所的に薄い箇所といった塗膜欠陥部においては、鋼材の腐食が塗膜下等で進行する。そして、腐食が進行することで、外観劣化、腐食減肉部での構造的強度低下による損傷事故などのリスクがあるため定期的な再塗装が必要となる。
(【0011】以降は省略されています)
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