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公開番号
2024092850
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-08
出願番号
2022209045
出願日
2022-12-26
発明の名称
被覆超硬合金
出願人
株式会社タンガロイ
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C22C
29/08 20060101AFI20240701BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】耐摩耗性、耐塑性変形性、及び耐欠損性を向上させた被覆超硬合金を提供する。
【解決手段】超硬合金からなる基体と、基体の表面に形成された被覆層と、を備える被覆超硬合金であって、超硬合金が硬質相と結合相とを含み、硬質相の含有割合は超硬合金に対し80.0体積%以上95.0体積%以下であり、結合相の含有割合は超硬合金に対し5.0体積%以上20.0体積%以下であり、硬質相はWCからなる第1硬質相を含み、結合相はCoとNiとFeとCr及びMoのうち1種以上とを含み、結合相はK
1
=(M
CR
+M
MO
)/M
1
で表されるK
1
の値が0以上0.15未満である第1領域と0.15以上0.30未満である第2領域と0.30以上である第3領域とからなり、第3領域の含有割合は結合相に対し10%以上40%以下であり、超硬合金の全体においてK
2
=m
FE
/Nで表されるK
2
の値が0.05以上0.35以下である、被覆超硬合金。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
超硬合金からなる基体と、前記基体の表面に形成された被覆層と、を備える被覆超硬合金であって、
前記超硬合金が、硬質相と結合相とを含み、
前記硬質相の含有割合は、前記超硬合金100体積%に対して、80.0体積%以上95.0体積%以下であり、
前記結合相の含有割合は、前記超硬合金100体積%に対して、5.0体積%以上20.0体積%以下であり、
前記硬質相は、WCからなる第1硬質相を含み、
前記結合相は、Co元素と、Ni元素と、Fe元素と、Cr元素及びMo元素のうち1種以上と、を含み、
前記結合相は、下記式(1)で表されるK
1
の値が、0以上0.15未満である第1領域と、0.15以上0.30未満である第2領域と、0.30以上である第3領域と、からなり、
K
1
=(M
CR
+M
MO
)/M
1
(1)
M
1
=M
CR
+M
MO
+M
FE
+M
CO
+M
NI
+M
MN
(2)
(式(1)及び式(2)中、M
CR
は、前記結合相における全元素に対するCr元素の原子比を示し、M
MO
は、前記結合相における全元素に対するMo元素の原子比を示し、M
FE
は、前記結合相における全元素に対するFe元素の原子比を示し、M
CO
は、前記結合相における全元素に対するCo元素の原子比を示し、M
NI
は、前記結合相における全元素に対するNi元素の原子比を示し、M
MN
は、前記結合相における全元素に対するMn元素の原子比を示す。)
前記第3領域の含有割合は、前記結合相の全体100%に対して、10%以上40%以下であり、
前記超硬合金の全体において、下記式(3)で表されるK
2
の値が、0.05以上0.35以下である、
K
2
=m
FE
/N (3)
N=m
CR
+m
MO
+m
FE
+m
CO
+m
NI
+m
MN
(4)
(式(3)及び式(4)中、m
FE
は、前記超硬合金における全元素に対するFe元素の原子比を示し、m
CR
は、前記超硬合金における全元素に対するCr元素の原子比を示し、m
MO
は、前記超硬合金における全元素に対するMo元素の原子比を示し、m
CO
は、前記超硬合金における全元素に対するCo元素の原子比を示し、m
NI
は、前記超硬合金における全元素に対するNi元素の原子比を示し、m
MN
は、前記超硬合金における全元素に対するMn元素の原子比を示す。)
被覆超硬合金。
続きを表示(約 980 文字)
【請求項2】
前記結合相が、Mn元素をさらに含む、
請求項1に記載の被覆超硬合金。
【請求項3】
前記第3領域の全体において、前記式(1)で表されるK
1
の平均値が、0.35以上0.45以下である、請求項1又は2に記載の被覆超硬合金。
【請求項4】
前記第2領域の含有割合は、前記結合相の全体100%に対して、0%以上35%以下である、請求項1又は2に記載の被覆超硬合金。
【請求項5】
前記第1領域の含有割合は、前記結合相の全体100%に対して、45%以上90%未満である、請求項1又は2に記載の被覆超硬合金。
【請求項6】
前記結合相の全体において、下記式(5)で表されるK
3
の平均値をX、前記第1領域における前記K
3
の平均値をY、前記第3領域における前記K
3
の平均値をZ、としたとき、Z>X≧Yの関係を満たし、
K
3
=M
FE
/M
2
(5)
M
2
=M
CO
+M
NI
+M
FE
(6)
(式(5)及び式(6)中、M
CO
は、前記結合相における全元素に対するCo元素の原子比を示し、M
NI
は、前記結合相における全元素に対するNi元素の原子比を示し、M
FE
は、前記結合相における全元素に対するFe元素の原子比を示す。)
下記式(7)で表されるK
4
は0.01以上0.15以下である、
K
4
=Z-Y (7)
請求項1又は2に記載の被覆超硬合金。
【請求項7】
前記被覆層が、Ti、Cr、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Al、及びSiからなる群より選ばれる1種以上の元素と、C、N、O、及びBからなる群より選ばれる1種以上の元素と、を含む単層又は積層であり、
前記被覆層全体の平均厚さは、2.0μm以上5.0μm以下である、請求項1又は2に記載の被覆超硬合金。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆超硬合金に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
航空機部品等に使用されるチタン合金、並びに発電機用のタービンブレードに使用されるニッケル基耐熱合金及びコバルト基耐熱合金のような難削材を、切削加工により加工する機会が増えている。ニッケル基耐熱合金及びコバルト基耐熱合金のような熱伝導率が低い難削材の切削加工においては、切削温度が高くなりやすい。そのような高温の加工においては、切削工具の刃先の強度が低下することにより欠損が生じるため、これまでの一般鋼の加工よりも工具寿命が極端に短くなる。そこで、そのような難削材の切削加工においても切削工具の長寿命を達成するために、切削工具の高温強度を高めることが要求されている。
【0003】
そのような要求に対し、近年、超硬合金を用いた切削工具が提案されている。例えば、特許文献1には、第1硬質相及び結合相を含む超硬合金であって、第1硬質相はWCからなり、結合相は、Co、Ni及びCrの3種の元素、又はCo、Ni、Cr及びMoの4種の元素から構成され、超硬合金中のCo、Ni、Cr及びMoの含有量について所定の条件を満たし、さらに、超硬合金中においてCr及びMoのリッチ粒子が占める面積の割合が1%未満になるようにすることで、超硬合金の耐熱性及び耐欠損性が向上することが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、炭化タングステン基の硬質金属基材と被膜とからなる切削工具インサートにおいて、上記硬質金属が、固溶元素に加えて35~65wt%のFeと残部Niとからなるバインダー相とを有することで、機械加工において、Coバインダー相を有する当業界のインサートの従来状態と同様の良好な性能が得られる旨が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2020/090280号
特表2004-516948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、近年では結合相においてCr、Mo、又はFeを添加することが試みられているが、そのような結合相を有する超硬合金は、耐摩耗性、耐塑性変形性、及び耐欠損性を全て優れたものとすることが困難である。例えば、Cr及びMoを多く含む領域の割合を単に小さくすると、Cr及びMoの添加による効果が十分に発揮されない傾向にあり、また、Feを含まない場合は、耐摩耗性及び耐塑性変形性が十分でない可能性がある等、その制御において更なる改善の余地がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性、耐塑性変形性、及び耐欠損性を向上させた被覆超硬合金を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究をした結果、超硬合金において、Co、Ni、Fe、Cr、Mo、及びMnの含有割合を所定の基準により制御することで、被覆超硬合金が耐摩耗性、耐塑性変形性、及び耐欠損性に優れたものとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1]
超硬合金からなる基体と、前記基体の表面に形成された被覆層と、を備える被覆超硬合金であって、
前記超硬合金が、硬質相と結合相とを含み、
前記硬質相の含有割合は、前記超硬合金100体積%に対して、80.0体積%以上95.0体積%以下であり、
前記結合相の含有割合は、前記超硬合金100体積%に対して、5.0体積%以上20.0体積%以下であり、
前記硬質相は、WCからなる第1硬質相を含み、
前記結合相は、Co元素と、Ni元素と、Fe元素と、Cr元素及びMo元素のうち1種以上と、を含み、
前記結合相は、下記式(1)で表されるK
1
の値が、0以上0.15未満である第1領域と、0.15以上0.30未満である第2領域と、0.30以上である第3領域と、からなり、
K
1
=(M
CR
+M
MO
)/M
1
(1)
M
1
=M
CR
+M
MO
+M
FE
+M
CO
+M
NI
+M
MN
(2)
(式(1)及び式(2)中、M
CR
は、前記結合相における全元素に対するCr元素の原子比を示し、M
MO
は、前記結合相における全元素に対するMo元素の原子比を示し、M
FE
は、前記結合相における全元素に対するFe元素の原子比を示し、M
CO
は、前記結合相における全元素に対するCo元素の原子比を示し、M
NI
は、前記結合相における全元素に対するNi元素の原子比を示し、M
MN
は、前記結合相における全元素に対するMn元素の原子比を示す。)
前記第3領域の含有割合は、前記結合相の全体100%に対して、10%以上40%以下であり、
前記超硬合金の全体において、下記式(3)で表されるK
2
の値が、0.05以上0.35以下である、
K
2
=m
FE
/N (3)
N=m
CR
+m
MO
+m
FE
+m
CO
+m
NI
+m
MN
(4)
(式(3)及び式(4)中、m
FE
は、前記超硬合金における全元素に対するFe元素の原子比を示し、m
CR
は、前記超硬合金における全元素に対するCr元素の原子比を示し、m
MO
は、前記超硬合金における全元素に対するMo元素の原子比を示し、m
CO
は、前記超硬合金における全元素に対するCo元素の原子比を示し、m
NI
は、前記超硬合金における全元素に対するNi元素の原子比を示し、m
MN
は、前記超硬合金における全元素に対するMn元素の原子比を示す。)
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、耐摩耗性、耐塑性変形性及び耐欠損性が向上した超硬合金及び被覆超硬合金を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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