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公開番号2024093368
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022209696
出願日2022-12-27
発明の名称鉄鉱石の脱リン方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C22B 1/10 20060101AFI20240702BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】鉄鉱石からリン成分を除去する脱リン処理において、大量かつ効率的な処理が可能な新規な鉄鉱石の脱リン方法を提供する。
【解決手段】リン成分を含有する鉄鉱石からリンを除去する脱リン方法であって、鉄鉱石に対して酸化性又は不活性の流動ガスを供給し、鉄鉱石に含まれる結晶水が分解して脱水する温度以上の加熱温度で鉄鉱石を流動させて加熱する流動層加熱処理を行い、酸化性又は不活性の流動ガスによって、リン成分の少なくとも一部が除去された脱水処理後鉄鉱石と、流動層加熱処理によって生じるダストと、に分離する、第1の流動層加熱工程を有することを特徴とする鉄鉱石の脱リン方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
リン成分を含有する鉄鉱石からリンを除去する脱リン方法であって、
鉄鉱石に対して酸化性又は不活性の流動ガスを供給し、前記鉄鉱石に含まれる結晶水が分解して脱水する温度以上の加熱温度で鉄鉱石を流動させて加熱する流動層加熱処理を行い、
前記酸化性又は不活性の流動ガスによって、リン成分の少なくとも一部が除去された脱水処理後鉄鉱石と、前記流動層加熱処理によって生じるダストと、に分離する、
第1の流動層加熱工程を有することを特徴とする鉄鉱石の脱リン方法。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記脱水処理後鉄鉱石に対して還元性の流動ガスを供給し、前記脱水処理後鉄鉱石に含まれるリンの化合物が還元分解する温度以上の加熱温度で前記脱水処理後鉄鉱石を流動させて加熱する流動層加熱処理を行い、
前記還元性の流動ガスによって、前記リンの化合物の少なくとも一部が還元除去された還元処理後鉄鉱石と、前記流動層加熱処理によって生じるダストと、に分離する、
第2の流動層加熱工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の鉄鉱石の脱リン方法。
【請求項3】
前記脱水処理後鉄鉱石を粗粒部と細粒部とに分級する分級工程をさらに有し、前記第2の流動層加熱工程に供給する前記脱水処理後鉄鉱石として、前記粗粒部を用いることを特徴とする請求項2に記載の鉄鉱石の脱リン方法。
【請求項4】
前記流動層加熱処理は、気泡流動層および循環流動層のうち、少なくともいずれかによる加熱処理であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の鉄鉱石の脱リン方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鉱石の脱リン方法に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
高炉用原料としての焼結鉱において管理が重要な成分の一つに、リン(P)がある。リンは鉄との親和力が大きく、鉄鉱石に含まれるリンが、溶銑の製造を経て鋼材に残存しやすい。残存したリンは鋼材中の組織において低温脆性破壊の要因となり鋼材の品質を著しく損なう。そのため、リンの原料中における管理は溶銑の品質管理基準に広く採用されており、様々な鉄鉱石中のリンの低減方法も提案されている。
【0003】
例えば非特許文献1には、鉄鉱石を浮遊選鉱することによって、微粉部(粒径150μm以下)に含有されるリンを低減する方法が示されている。しかしながら、このような湿式処理においては、大量且つ効率的な鉄鉱石処理を実現することは困難である。
【0004】
非特許文献2には、豪州産ゲーサイト鉱を対象として、粒度別にリン含有量を把握しつつ、酸浸漬によってリンの低減を図ることが提案されている。最小篩目を2mmとし、プロセスとして大量処理の実現が可能である粒度領域を選択しているものの、湿式処理であるがゆえに大量且つ効率的な鉄鉱石処理を実現することは困難である。
【0005】
また、非特許文献3では、鉄鉱石に含まれるリンを還元して蒸気として除去する方法も提案されており、特許文献1はさらに還元ガスの組成と温度範囲を限定することで鉄鉱石中のリンを効率的に還元し、気化させて除去する方法を開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
M. Ranjbar, ERZMETALL 55(2002) Nr.11, p.612-616.
C. Edwards, M. Fisher-White, R. Lovel, and G. Sparrow, IRON ORE CONFERENCE, Perth, WA 11-13 July 2011, p.403-412.
雀部:鉄と鋼100(2013)063「高リン鉄鉱石からの直接脱リン」
【特許文献】
【0007】
特開2020-20010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の湿式処理による方法は上述の通り大量かつ効率的な脱リン処理は難しい。また、特許文献1に記載の還元・気化による脱リン方法の場合は、還元ガスの組成と温度を正確にコントロールする必要があり、効率的な脱リン処理は難しかった。
【0009】
そこで本発明は、鉄鉱石からリン成分を除去する脱リン処理において、大量かつ効率的な処理が可能な新規な鉄鉱石の脱リン方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その発明の要旨は以下の通りである。
(【0011】以降は省略されています)

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