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公開番号
2024131183
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-30
出願番号
2023041288
出願日
2023-03-15
発明の名称
非調質ボルト
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20240920BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】引張強さ1200MPa以上で、耐水素脆化特性に優れた非調質ボルトを提供する。
【解決手段】C、Si、Mn、Alを含有し、残部:Fe及び不純物からなり、軸部の直径をD、C含有量を[C%]とした場合に、軸方向に対して垂直な断面における軸部の表面からの深さD/4位置における金属組織が、面積率で(95-42.5×(0.82-[C%]))%以上のパーライトと、フェライト及びベイナイトの少なくとも一方である0%以上の残部とからなり、ボルト頭部と軸部との接続部の軸部中心におけるフェライトの(211)面のX線回折ピークの半価幅β
C
と、接続部の表面から軸部の中心軸線に向かう深さ500μmまでの領域におけるフェライトの(211)面のX線回折ピークの半価幅の最大値β
MAX
との比が1.50以下、引張強さが1200~1800MPaである、非調質ボルトを採用する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
化学組成が、質量%で、
C:0.40~0.82%、
Si:0.02~0.50%、
Mn:0.20~1.00%、
Al:0.005~0.050%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
N:0.0150%以下、
O:0.0050%以下、並びに、
残部:Fe及び不純物からなり、
軸部の直径をD、化学組成におけるC含有量(質量%)を[C%]とした場合に、軸方向に対して垂直な断面における前記軸部の表面からの深さD/4位置における金属組織が、面積率で(95-42.5×(0.82-[C%]))%以上のパーライトと、残部が0%以上のフェライトとからなり、
ボルト頭部と前記軸部との接続部の軸部中心におけるフェライトの(211)面に対応するX線回折ピークの半価幅β
C
と、前記接続部の表面から軸部の中心軸線に向かう深さ500μmまでの領域におけるフェライトの(211)面に対応するX線回折ピークの半価幅の最大値β
MAX
との比β
MAX
/β
C
が1.50以下であり、
引張強さが1200~1800MPaである、非調質ボルト。
続きを表示(約 970 文字)
【請求項2】
化学組成が、質量%で、
C:0.40~0.82%、
Si:0.02~0.50%、
Mn:0.20~1.00%、
Al:0.005~0.050%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
N:0.0150%以下、
O:0.0050%以下、を含有し、
更に、下記A群、B群およびC群からなる群から選択される1種又は2種以上を含有し、
残部:Fe及び不純物からなり、
軸部の直径をD、化学組成におけるC含有量(質量%)を[C%]とした場合に、軸方向に対して垂直な断面における前記軸部の表面からの深さD/4位置における金属組織が、面積率で(95-42.5×(0.82-[C%]))%以上のパーライトと、残部が0%以上のフェライトとからなり、
ボルト頭部と前記軸部との接続部の軸部中心におけるフェライトの(211)面に対応するX線回折ピークの半価幅β
C
と、前記接続部の表面から軸部の中心軸線に向かう深さ500μmまでの領域におけるフェライトの(211)面に対応するX線回折ピークの半価幅の最大値β
MAX
との比β
MAX
/β
C
が1.50以下であり、
引張強さが1200~1800MPaである、非調質ボルト。
[A群]Cr:1.00%以下、Mo:0.50%以下、Ti:0.050%以下、Nb:0.050%以下、V:0.200%以下、B:0.0050%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上
[B群]Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下からなる群から選択される1種又は2種
[C群]Ca:0.0100%以下、Mg:0.0100%以下、Sn:0.0400%以下からなる群から選択される1種又は2種以上
【請求項3】
質量%で、前記A群を含有する化学組成を有する請求項2に記載の非調質ボルト。
【請求項4】
質量%で、前記B群を含有する化学組成を有する請求項2に記載の非調質ボルト。
【請求項5】
質量%で、前記C群を含有する化学組成を有する請求項2に記載の非調質ボルト。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、非調質ボルトに関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車等の各種機械や土木・建築分野において、軽量化や小型化、コスト低減等の観点からボルトの高強度化が求められている。しかし、一般に1200MPaを超える高強度のボルトは、水素脆化が生じ易くなることが知られており、1200MPa以上の高強度のボルトを実現するためには、強度と共に耐水素脆化特性を向上させる必要がある。
【0003】
ボルトのような高強度部品の耐水素脆化特性を向上させる方法として、組織をパーライト組織とし、伸線加工によって組織を強化する手法が知られており、これまでに多くの提案がなされている(例えば、特許文献1~3)。
【0004】
しかし、一層のスペースの効率化のために、ボルトの更なる高強度化が望まれており、特に非調質ボルトの高強度化に対応していくためには、従来の技術のみでは十分でない可能性がある。
【0005】
引張強さが1200MPa以上の高強度のボルトを製造する方法としては、例えば、Cr、Mo、V等の合金元素を添加した合金鋼の鋼線を、所定の形状に成形した後に、焼入れ・焼戻し処理を行うことで高強度ボルトを製造する方法がある。しかし、この方法では熱処理コストがかかり、製造コストの面で不利である。
【0006】
一方で、製造コストを低減するために、成形後の焼入れ焼戻しを省略し、急速冷却、析出強化等によって強度を高めた線材に伸線加工を加えることで、所定の強度を付与した高強度のボルトを製造する方法が知られている。この方法により製造されたボルトは非調質ボルトと呼ばれている。
【0007】
引張強さ1200MPa以上の非調質ボルトは、引張強さ1000MPa以上の鋼線を冷間加工することにより製造され得る。例えば、パーライト組織を伸線加工して強化した鋼線を冷間加工して製造した非調質ボルトにおいては、パーライト組織が、セメンタイトとフェライトとの界面で水素を捕捉するため、鋼材内部への水素の侵入が抑制され、耐水素脆化特性が向上すると考えられる。しかし、この技術だけで耐水素脆化特性を十分に向上させることは容易ではなく、更なる向上が望まれている。
【0008】
非調質ボルトの製造方法として、特許文献4には、棒状の金属材料を予備成形することにより、押圧側が膨出したボルト予備成形材を形成し、次いで、ボルト予備成形材の軸部体積を、ボルト仕上げ成形材の軸部体積よりも大きくするように成形するボルトの圧造方法が記載されている。しかし、特許文献4の方法によって製造されたボルトであっても、耐水素脆化特性は不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平11-315348号公報
特開2001-348618号公報
特開2005-281860号公報
特開2007-136460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、引張強さ1200MPa以上で、かつ、耐水素脆化特性に優れた非調質ボルトを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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