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公開番号2024134065
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023044160
出願日2023-03-20
発明の名称ギヤ油組成物
出願人ENEOS株式会社,トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人セントクレスト国際特許事務所
主分類C10M 169/04 20060101AFI20240926BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】40℃および100℃における動粘度を基準として動粘度を低粘度とすることが可能でありながら、優れた耐焼き付き性能を有するものとすることが可能なギヤ油組成物を提供すること。
【解決手段】(A)基油組成物、(B)特定の増粘剤及び(C)極圧剤を含むギヤ油組成物であり;前記(A)成分は特定の基油(A-1)を特定の割合で含有し;前記(A)成分は40℃及び100℃における動粘度がそれぞれ特定の範囲にあり;前記(A)成分の粘度指数は特定の値以上であり;前記(B)成分は特定のポリ(メタ)アクリレートであり;前記(B)成分の含有量が特定の範囲にあり;前記ギヤ油組成物中の硫黄及びリンの含有量がそれぞれ特定の範囲にあり;前記ギヤ油組成物の40℃における動粘度および100℃における動粘度がそれぞれ特定の範囲にあり;前記ギヤ油組成物の粘度指数が特定の値よりも大きいこと;を特徴とするギヤ油組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)基油組成物、(B)ポリ(メタ)アクリレート系増粘剤、および、(C)極圧剤を含むギヤ油組成物であり、
前記(A)成分は、100℃における動粘度が3.5~4.5mm

/sでありかつ粘度指数が140以上である基油(A-1)を、前記基油組成物の全量を基準として50質量%以上含有してなり、
前記(A)成分の40℃における動粘度は20~23mm

/sであり、
前記(A)成分の100℃における動粘度は4.5~5.0mm

/sであり、
前記(A)成分の粘度指数は140以上であり、
前記(B)成分は、重量平均分子量が11000~13000のポリ(メタ)アクリレートであり、
前記ギヤ油組成物の全量を基準とした前記(B)成分の含有量は2~3質量%であり、 前記ギヤ油組成物の全量を基準とした硫黄の含有量は2.0~2.2質量%であり、
前記ギヤ油組成物の全量を基準としたリンの含有量は1400~1700質量ppmであり、
前記ギヤ油組成物の40℃における動粘度は34.0~36.0mm

/sであり、
前記ギヤ油組成物の100℃における動粘度は6.0~8.0mm

/sであり、
前記ギヤ油組成物の粘度指数が170よりも大きいこと、
を特徴とするギヤ油組成物。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記(C)成分がポリサルファイド化合物からなる硫黄系極圧剤(C-1)とリン系極圧剤(C-2)とからなり、
前記(C)成分に由来する硫黄の含有量が前記ギヤ油組成物の全量を基準として2.0~2.2質量%であり、かつ、
前記(C)成分に由来するリンの含有量が1400~1700質量ppmであることを特徴とする請求項1に記載のギヤ油組成物。
【請求項3】
前記硫黄系極圧剤(C-1)がジヒドロカルビルポリサルファイドであることを特徴とする請求項2に記載のギヤ油組成物。
【請求項4】
前記(A)成分が、100℃における動粘度が6.0~7.0mm

/sでありかつ粘度指数が140以上である基油(A-2)を前記基油組成物の全量を基準として40~50質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のギヤ油組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ギヤ油組成物に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
潤滑油組成物は様々な用途に用いられており、その用途に応じた特性を発揮するために様々な種類の組成物が研究されてきた。このような状況の中、特に、歯車(ギヤ)装置に利用する潤滑油組成物(ギヤ油組成物)に対しては、環境適合性やエネルギー効率(省燃費性等)の観点等から、より低粘度の潤滑油組成物の利用が検討されている。
【0003】
例えば、国際公開第2017/073748号(特許文献1)には、潤滑油基油と;潤滑油組成物全量基準で1.0質量%以上15.0質量%以下の、重量平均分子量が2万以上20万以下である分散型ポリ(メタ)アクリレート化合物と;潤滑油組成物全量基準で0.05質量%以上6.0質量%以下のチアジアゾール化合物と;潤滑油組成物全量基準で1.5質量%以上4.0質量%以下のポリサルファイド化合物と;潤滑油組成物全量基準で0.2質量%以上1.5質量%以下の摩擦調整剤と;を含有し、前記チアジアゾール化合物の含有量に対する前記ポリサルファイド化合物の含有量の質量比(ポリサルファイド化合物/チアジアゾール化合物)が0.4以上50以下であり、潤滑油組成物の100℃における動粘度が7.0mm

/s以上35.0mm

/s以下である潤滑油組成物が、ギヤ油用の潤滑油組成物として好適であることが開示されている。
【0004】
また、特開2021-080429号公報(特許文献2)には、(A)潤滑油基油、(B)重量平均分子量10,000~100,000の粘度指数向上剤、(C)硫黄系極圧剤、(D)リン系極圧剤、及び、(E)無灰分散剤を含む潤滑油組成物であって、前記(C)硫黄系極圧剤が(C1)硫黄原子を2つ以上有するチアジアゾールを含み、かつ、100℃における動粘度2~10mm

/sである潤滑油組成物が、ギヤ油用の潤滑油組成物として好適なものである旨が開示されている。なお、特許文献2においては、前記粘度指数向上剤として、非分散型ポリメタクリレート及び分散型ポリメタクリレートから選ばれる少なくとも1種が好ましい旨も開示されている。
【0005】
また、特開2007-284564号公報(特許文献3)には、(A1)100℃における動粘度が2.5~4.5mm

/sの潤滑油基油および(A2)100℃における動粘度が10~40mm

/sの潤滑油基油からなりかつ100℃における動粘度が3.7~4.1mm

/sである潤滑油基油(A)に、(B)重量平均分子量が1.5万~3.0万のポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤を組成物全量基準で1~20質量%と、(C)炭素数8~30の炭化水素基を有するイミド系摩擦調整剤を組成物全量基準で2~4質量%と、(D)リン系極圧剤を組成物全量基準でリン量として0.01~0.04質量%と、(E)数平均分子量が2000以上のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1つ有する無灰分散剤を組成物全量基準で窒素含有量として0.01~0.04質量%とを配合した、100℃における動粘度が5.6~5.8mm

/sである自動変速機用潤滑油組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2017/073748号
特開2021-080429号公報
特開2007-284564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1~3に記載されているような潤滑油組成物は、その組成物を低粘度のものとしつつ、耐荷重性能(特に耐焼き付き性能)を優れたものとするといった点においては改良の余地があった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、40℃および100℃における動粘度を基準として動粘度を低粘度とすることが可能でありながら、優れた耐焼き付き性能を有するものとすることが可能なギヤ油組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一般に、潤滑油組成物は、粘度を低下させるほど油膜の形成性能が低下して金属接触部位が生じ易くなり、これに起因して耐焼き付き性能が低下する。このように、潤滑油組成物において、低粘度化と耐焼き付き性能の向上とは、一方の特性が向上するともう一方の特性が低下してしまう相反関係(トレードオフの関係)にある。そのため、従来のギヤ油組成物においては、双方の特性を両立させることができず、組成物の動粘度を低粘度とすることは可能であっても、低粘度とした際に耐荷重性能(特に耐焼き付き性能)を優れたものとすることができなかった。そこで、本発明者らが上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねたところ、ギヤ油組成物を(A)基油組成物、(B)ポリ(メタ)アクリレート系増粘剤、および、(C)極圧剤を含むものとし;前記(A)成分を、100℃における動粘度が3.5~4.5mm

/sでありかつ粘度指数が140以上である基油(A-1)を前記基油組成物の全量を基準として50質量%以上含有するものとし;前記(A)成分の40℃における動粘度を20~23mm

/sとし;前記(A)成分の100℃における動粘度を4.5~5.0mm

/sとし;前記(A)成分の粘度指数を140以上とし;前記(B)成分を、重量平均分子量が11000~13000のポリ(メタ)アクリレートとし;前記ギヤ油組成物の全量を基準とした前記(B)成分の含有量を2~3質量%とし;前記ギヤ油組成物の全量を基準とした硫黄の含有量を2.0~2.2質量%とし;前記ギヤ油組成物の全量を基準としたリンの含有量を1400~1700質量ppmとし;前記ギヤ油組成物の40℃における動粘度を34.0~36.0mm

/sとし;前記ギヤ油組成物の100℃における動粘度を6.0~8.0mm

/sとし;更に、前記ギヤ油組成物の粘度指数を170よりも大きな値とすることにより、驚くべきことに、相反関係にある低粘度化と耐焼き付き性能の向上の両立を図ることが可能となり、40℃および100℃における動粘度を基準としてギヤ油組成物の動粘度を低粘度とすることを可能としながら、優れた耐焼き付き性能を有するものとすることが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下の態様を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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