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公開番号2024122552
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023030148
出願日2023-02-28
発明の名称転がり軸受
出願人ミネベアミツミ株式会社
代理人弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
主分類C10M 169/06 20060101AFI20240902BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】特定のグリース組成物を封入し、かつ、特定の保持器を有する転がり軸受であり、高温環境下においても寿命特性に優れる転がり軸受、並びに該軸受を内蔵するモータを提供すること。
【解決手段】内輪11と、内輪の外周側に内輪と同軸に配置された外輪12と、内輪と外輪との間に配置される複数の転動体13と、転動体を保持する保持器14と、内輪と外輪との間に保持されるグリース組成物を含み、グリース組成物は、基油と、増ちょう剤と、イオン液体と、セバシン酸2ナトリウム塩を含み、グリース組成物は、膜厚0.5mmでせん断歪み1%、周波数1Hzの条件で測定した25℃における貯蔵弾性率が2,400Pa以上であり、保持器は、特定の樹脂から構成される樹脂製冠形保持器である転がり軸受、転がり軸受を備えているモータ。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内輪と、
前記内輪の外周側に前記内輪と同軸に配置された外輪と、
前記内輪と前記外輪との間に配置される複数の転動体と、
前記転動体を保持する保持器と、
前記内輪と前記外輪との間に保持されるグリース組成物を含み、
前記グリース組成物は、基油と、増ちょう剤と、イオン液体と、セバシン酸2ナトリウム塩を含み、
前記グリース組成物は、回転式レオメータによる動的粘弾性測定において、膜厚0.5mmでせん断歪み1%、周波数1Hzの条件で測定した25℃における貯蔵弾性率が2,400Pa以上であり、
前記保持器は、ポリノナメチレンテレフタルアミド(PA9T)、ポリアミド46(PA46)及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂からなる群から選択される樹脂から構成される樹脂製冠形保持器である、
転がり軸受。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記イオン液体が、
トリヘキシルテトラデシルホスホニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([THTDP][TFSI])である、
請求項1に記載の転がり軸受。
【請求項3】
前記増ちょう剤がウレア系増ちょう剤であって、該ウレア系増ちょう剤が、下記一般式(1)で表されるジウレア化合物を含む、
請求項1に記載の転がり軸受。


-NHCONH-R

-NHCONH-R

・・・(1)
(式中、R

及びR

は、夫々独立して、一価の脂肪族炭化水素基、一価の脂環式炭化水素基、又は一価の芳香族炭化水素基を表し、且つ、R

及びR

のうち少なくとも一方は、一価の脂肪族炭化水素基又は一価の脂環式炭化水素基を表し、


は、二価の芳香族炭化水素基を表す。)
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載の転がり軸受を備えているモータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はグリース組成物が封入されている転がり軸受及び該転がり軸受を備えたモータに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
サーバー用のファン等に使用される小型モータは、近年、内蔵される軸受周辺の温度が100℃超になるような状況で長時間安定した使用に耐え得る特性が求められている。これらモータに内蔵される軸受や、これら部品の動作や装置の駆動を円滑にするための潤滑を担うグリースにおいても、こうした高温環境下における長時間の耐久性、そして信頼性が求められる。
例えば低摩擦、低粘化を測り、高温耐久性の向上を図ったグリース組成物として、イオン液体を含む基油と、フッ素系の増ちょう剤と腐食添加剤を含むグリース組成物及びこれを封入した転がり軸受が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-249585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
産業の発達に伴い、モータに内蔵され、100℃を超える高温下で使用される転がり軸受及びグリースには、回転不良の抑制だけでなく、低トルクで低消費電力実現への要望がある。またファンモータ等では、性能の向上のためモータの回転数がさらに上昇し、高温・高速回転環境での使用が想定されるだけでなく、要求寿命も極めて長くなっている。
【0005】
本発明は、弾性的な挙動を示し、また樹脂及び金属に対して優れた潤滑特性を発揮する特定のグリース組成物を封入し、かつ、特定の保持器を有する転がり軸受を提供すること、100℃を超えるような高温下においても寿命特性に優れる転がり軸受並びに該軸受を内蔵するモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、転がり軸受であって、内輪と、
前記内輪の外周側に前記内輪と同軸に配置された外輪と、
前記内輪と前記外輪との間に配置される複数の転動体と、
前記転動体を保持する保持器と、
前記内輪と前記外輪との間に保持されるグリース組成物を含み、
前記グリース組成物は、基油と、増ちょう剤と、イオン液体と、セバシン酸2ナトリウム塩を含み、
前記グリース組成物は、回転式レオメータによる動的粘弾性測定において、膜厚0.5mmでせん断歪み1%、周波数1Hzの条件で測定した25℃における貯蔵弾性率が2,400Pa以上であり、
前記保持器は、ポリノナメチレンテレフタルアミド(PA9T)、ポリアミド46(PA46)及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂からなる群から選択される樹脂から構成される樹脂製冠形保持器である、
転がり軸受に関する。
また本発明は、前記転がり軸受を備えたモータに関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の転がり軸受の構造の一例を説明する模式図である。
本発明のモータの構造の一例を説明する模式図である。
潤滑特性評価(金属-金属)における実施例1及び比較例3の摩耗痕(ボール及びディスク)の写真である。
潤滑特性評価(金属-金属)における実施例1及び比較例3のディスク側摩耗痕における、白色干渉計計測データを示す図である。
粘弾性評価における実施例1及び比較例3の貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G”)の測定結果を示す図である。
潤滑特性評価(金属-樹脂)における実施例A乃至Cと比較例Aの摩擦係数及び試験温度の測定結果を示す図である。
潤滑特性評価(金属-樹脂)における実施例Aと比較例Aの摩耗痕(試験片)の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
前述したように、サーバー用のファン等に使用されるファンモータは高温・高速化が進んでおり、該モータに組み込まれる軸受にもこうした厳しい環境下での高い信頼性が求められる。さらに該軸受には低トルク性能も求められ、トルク上昇につながるグリースの撹拌抵抗を低減するべく、グリースの適用量を微小とし、少量の離油による油膜形成・潤滑の実現を図っている。しかし、高温環境下での使用や、摩擦発熱によって著しい離油が発生すると、たちまち潤滑不良に陥ることとなる。
また一般的なグリースには、金属表面に潤滑性を有する吸着膜(トライボロジー被膜)を形成し摩擦発熱の低減と摩耗の抑制に寄与する極圧剤が添加される。しかし上記のサーバー用ファンモータの要求寿命は今や10,000時間以上に達し、極圧剤による吸着膜形成、摩擦低減・摩耗抑制作用(膜消失)、吸着膜再形成を繰り返す中で、極圧剤の消失が起こり、摩擦摩耗特性の悪化、ひいては潤滑不良が発生する。
【0009】
本発明者らは、こうした潤滑不良の発生という問題に対して、転がり軸受に封入されたグリースの形状に着目した。そして上記の厳しい環境下においてもグリース形状が維持されるための構成として、後述するイオン液体とセバシン酸2ナトリウム塩の採用に至った。本構成により弾性的な挙動を示すグリースを実現し、それにより、グリースの撹拌抵抗を抑制し、高速回転での撹拌に伴うせん断発熱を抑制し、また少量のグリースに長時間油分を保持して、潤滑の長寿命化が期待できることを見出した。またこれら成分の採用は、潤滑特性が向上して摩擦発熱の低減による潤滑寿命の延長にも寄与できることを見出した。
さらに本発明者らは、転がり軸受の構成にも着目し、上記イオン液体との吸着性に優れる樹脂製の保持器の採用に至り、特に、樹脂成分としてポリノナメチレンテレフタルアミド(PA9T)、ポリアミド46(PA46)、又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂をから構成される樹脂製冠形保持器が、優れた耐摩擦摩耗特性を実現することを見出した。
以下具体的に説明する。
【0010】
[転がり軸受]
まず以下に添付図面を参照して、本発明に係る転がり軸受の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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