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公開番号2024108867
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-13
出願番号2023013479
出願日2023-01-31
発明の名称潤滑油組成物
出願人出光興産株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C10M 169/04 20060101AFI20240805BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】バイオ燃料を混合した燃料を用いて作動する内燃機関の潤滑において、金属溶出の改善が可能であり、また増粘しにくい 潤滑油組成物が求められている。
【解決手段】基油(A)、金属系清浄剤(B)、ベンゾトリアゾール誘導体(C)、イミド系分散剤(D)、及びアミン系酸化防止剤(E)を含有し、硫黄系酸化防止剤を含有しない潤滑油組成物であって、
金属系清浄剤(B)は、過塩基性カルシウムサリシレート(B1)と、任意で、カルシウムフェネート(B2)と、を含有し、
カルシウムフェネート(B2)を含有する場合、金属系清浄剤(B)の潤滑油組成物の全量基準におけるカルシウム原子換算での含有量(b)に対する、カルシウムフェネート(B2)の潤滑油組成物の全量基準におけるカルシウム原子換算での含有量(b2)の比率[(b2)/(b)]が、0.4以下であり、
イミド系分散剤(D)の潤滑油組成物の全量基準における窒素原子換算の含有量と、アミン系酸化防止剤(E)の潤滑油組成物の全量基準における窒素原子換算の含有量と、の合計の含有量が、400質量ppm以上であり、
天然油脂、天然油脂の水素化処理物、天然油脂のエステル交換物、及び天然油脂のエステル交換物の水素化処理物からなる群より選択される少なくとも1種を含む燃料を用いた内燃機関で使用される、潤滑油組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基油(A)、金属系清浄剤(B)、ベンゾトリアゾール誘導体(C)、イミド系分散剤(D)、及びアミン系酸化防止剤(E)を含有し、硫黄系酸化防止剤を含有しない潤滑油組成物であって、
金属系清浄剤(B)は、過塩基性カルシウムサリシレート(B1)と、任意で、カルシウムフェネート(B2)と、を含有し、
カルシウムフェネート(B2)を含有する場合、金属系清浄剤(B)の潤滑油組成物の全量基準におけるカルシウム原子換算での含有量(b)に対する、カルシウムフェネート(B2)の潤滑油組成物の全量基準におけるカルシウム原子換算での含有量(b2)の比率[(b2)/(b)]が、0.4以下であり、
イミド系分散剤(D)の潤滑油組成物の全量基準における窒素原子換算の含有量と、アミン系酸化防止剤(E)の潤滑油組成物の全量基準における窒素原子換算の含有量と、の合計の含有量が、400質量ppm以上であり、
天然油脂、天然油脂の水素化処理物、天然油脂のエステル交換物、及び天然油脂のエステル交換物の水素化処理物からなる群より選択される少なくとも1種を含む燃料を用いた内燃機関で使用される、潤滑油組成物。
続きを表示(約 130 文字)【請求項2】
請求項1に記載の潤滑油組成物を、天然油脂、天然油脂の水素化処理物、天然油脂のエステル交換物、及び天然油脂のエステル交換物の水素化処理物からなる群より選択される少なくとも1種を含む燃料を用いた内燃機関の潤滑に適用する、内燃機関の潤滑方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油組成物、及び内燃機関の潤滑方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
地球規模での環境規制は厳しさを増しており、特に自動車を取り巻く状況は、燃費規制、排ガス規制等、ますます厳しくなっている。この背景には、地球温暖化等の環境問題、石油資源の枯渇に対する懸念からの資源保護などがある。
このような事情から、植物を原料とした植物油から製造されるいわゆるバイオ燃料は、地球温暖化の主要因である二酸化炭素の削減、さらには自動車から排出される大気汚染物質の低減効果などの点で大きく注目されており、バイオ燃料を混合した燃料を用いて作動する内燃機関で使用される潤滑油組成物が種々開発されている(例えば、特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-102486号公報
特開2009-191165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、植物油から製造されるバイオ燃料は、その物性から内燃機関に蓄積し易く、酸化劣化により分解した際に極性化合物が生じるため、内燃機関の部品(例えば、軸受メタル等)から鉛(Pb)などの金属が溶出し、腐食が進行し得る。また、バイオ燃料の酸化劣化は潤滑油組成物の増粘にもつながり、潤滑性が悪化することが考えられる。
このように、バイオ燃料の酸化劣化により、内燃機関の金属溶出に起因する腐食性への影響、潤滑油組成物の増粘に起因する潤滑性への影響が懸念される。
そのため、バイオ燃料を混合した燃料を用いて作動する内燃機関の潤滑において、金属溶出の改善が可能であり、また増粘しにくい潤滑油組成物が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下に示す潤滑油組成物が上記課題を解決し得ることを見出した。
[1]
基油(A)、金属系清浄剤(B)、ベンゾトリアゾール誘導体(C)、イミド系分散剤(D)、及びアミン系酸化防止剤(E)を含有し、硫黄系酸化防止剤を含有しない潤滑油組成物であって、
金属系清浄剤(B)は、過塩基性カルシウムサリシレート(B1)と、任意で、カルシウムフェネート(B2)と、を含有し、
カルシウムフェネート(B2)を含有する場合、金属系清浄剤(B)の潤滑油組成物の全量基準におけるカルシウム原子換算での含有量(b)に対する、カルシウムフェネート(B2)の潤滑油組成物の全量基準におけるカルシウム原子換算での含有量(b2)の比率[(b2)/(b)]が、0.4以下であり、
イミド系分散剤(D)の潤滑油組成物の全量基準における窒素原子換算の含有量と、アミン系酸化防止剤(E)の潤滑油組成物の全量基準における窒素原子換算の含有量と、の合計の含有量が、400質量ppm以上であり、
天然油脂、天然油脂の水素化処理物、天然油脂のエステル交換物、及び天然油脂のエステル交換物の水素化処理物からなる群より選択される少なくとも1種を含む燃料を用いた内燃機関で使用される、潤滑油組成物。
[2]
[1]に記載の潤滑油組成物を、天然油脂、天然油脂の水素化処理物、天然油脂のエステル交換物、及び天然油脂のエステル交換物の水素化処理物からなる群より選択される少なくとも1種を含む燃料を用いた内燃機関の潤滑に適用する、内燃機関の潤滑方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の好適な一態様の潤滑油組成物は、バイオ燃料を混合した燃料を用いた際の内燃機関の金属溶出を改善しつつ、酸化劣化による増粘がしにくい性質を有する。そのため、本発明の好適な一態様の潤滑油組成物は、バイオ燃料を混合した燃料を用いて作動する内燃機関に好適に使用し得る。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に記載された数値範囲については、上限値及び下限値を任意に組み合わせることができる。例えば、数値範囲として「好ましくは30~100、より好ましくは40~80」と記載されている場合、「30~80」との範囲や「40~100」との範囲も、本明細書に記載された数値範囲に含まれる。
また、例えば、数値範囲として「好ましくは30以上、より好ましくは40以上であり、また、好ましくは100以下、より好ましくは80以下である」と記載されている場合、「30~80」との範囲や「40~100」との範囲も、本明細書に記載された数値範囲に含まれる。つまり、本明細書に記載された上限値及び下限値の規定において、それぞれの選択肢の中から適宜選択して、任意に組み合わせて、下限値~上限値の数値範囲を規定することができる。
さらに、本明細書に記載された数値範囲として、例えば「60~100」との記載は、「60以上(60もしくは60超)、100以下(100もしくは100未満)」という範囲であることを意味する。
加えて、本明細書に記載された好ましい態様として記載の各種要件は複数組み合わせることができる。
【0008】
〔潤滑油組成物の構成〕
本発明の一態様の潤滑油組成物は、基油(A)(以下、「成分(A)」ともいう)、金属系清浄剤(B)(以下、「成分(B)」ともいう)、ベンゾトリアゾール誘導体(C)(以下、「成分(C)」ともいう)、イミド系分散剤(D)(以下、「成分(D)」ともいう)、及びアミン系酸化防止剤(E)(以下、「成分(E)」ともいう)を含有する。
【0009】
本発明の一態様の潤滑油組成物は、さらに、無灰系摩擦調整剤(F)(以下、「成分(F)」ともいう)を含有してもよい。また、本発明の一態様の潤滑油組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、上記成分(B)~(F)以外の他の潤滑油用添加剤を含有してもよい。
【0010】
本発明の一態様の潤滑油組成物は、天然油脂、天然油脂の水素化処理物、天然油脂のエステル交換物、及び天然油脂のエステル交換物の水素化処理物からなる群より選択される少なくとも1種を含む燃料(以下、「バイオ燃料」ともいう)を用いた内燃機関で使用される。
前述のとおり、バイオ燃料を混合した燃料を用いて作動する内燃機関の潤滑においては、バイオ燃料の酸化劣化に起因して、内燃機関の金属溶出による腐食や、潤滑油組成物の増粘による潤滑性の悪化という問題が懸念されていた。これらの問題に対し、本発明者らは、上記成分(A)~(E)を配合した潤滑油組成物が当該問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
(【0011】以降は省略されています)

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