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公開番号2024106903
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-08
出願番号2023011391
出願日2023-01-27
発明の名称二酸化炭素を循環利用する脱硫方法及び脱硫システム
出願人出光興産株式会社,国立大学法人 東京大学,学校法人北里研究所,株式会社日本海水
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類B01D 53/62 20060101AFI20240801BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】二酸化炭素の排出量を削減することのできる、脱硫方法を提供する。
【解決手段】炭酸カルシウムを脱硫剤として利用する脱硫方法であって、脱硫剤の少なくとも一部として、当該脱硫方法を採用している施設から排出される脱硫済みの排ガス(C)中の二酸化炭素を原料として生成した排ガス由来炭酸カルシウム(X)を利用するようにした。そして、排ガス由来炭酸カルシウム(X)は、生体内で合成されるアミン、人工的に合成されるアミン、及びこれらアミンから誘導される基を含むポリマーからなる群から選択される1種以上のアミン化合物(A)の存在下で、カルシウムイオン含有水溶液(B)と、前記排ガス(C)中の二酸化炭素由来の炭酸イオンとを接触させる製造方法であって、前記アミン化合物(A)に起因する前記カルシウムイオン含有水溶液(B)のpH上昇を、前記排ガス(C)を利用して抑制する工程(S)を含む製造方法により製造されるものとした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭酸カルシウムを脱硫剤として利用する脱硫方法であって、 前記脱硫剤の少なくとも一部として、前記脱硫方法を採用している施設から排出される脱硫済みの排ガス(C)中の二酸化炭素を原料として生成した排ガス由来炭酸カルシウム(X)を利用し、
前記排ガス由来炭酸カルシウム(X)は、
生体内で合成されるアミン、人工的に合成されるアミン、及びこれらアミンから誘導される基を含むポリマーからなる群から選択される1種以上のアミン化合物(A)の存在下で、カルシウムイオン含有水溶液(B)と、前記排ガス(C)中の二酸化炭素由来の炭酸イオンとを接触させる製造方法であって、前記アミン化合物(A)に起因する前記カルシウムイオン含有水溶液(B)のpH上昇を、前記排ガス(C)を利用して抑制する工程(S)を含む製造方法により製造される、脱硫方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記工程(S)は、
前記アミン化合物(A)を含むアミン水溶液(A1)と、前記排ガス(C)とを接触させて、前記排ガス(C)中の二酸化炭素由来の炭酸イオンを含むアミン水溶液(A2)を調製する第一の接触工程(S1-1)
を含む、請求項1に記載の脱硫方法。
【請求項3】
前記工程(S)は、
前記第一の接触工程(S1-1)の後に、
前記アミン水溶液(A2)と、前記カルシウムイオン含有水溶液(B)とを接触させる第二の接触工程(S1-2)
を含む、請求項2に記載の脱硫方法。
【請求項4】
前記工程(S)は、
前記アミン化合物(A)と、前記カルシウムイオン含有水溶液(B)と、前記排ガス(C)とを同時に接触させる接触工程(S2)
を含む、請求項1に記載の脱硫方法。
【請求項5】
前記工程(S)は、
前記アミン化合物(A)と、前記カルシウムイオン含有水溶液(B)とを接触させて、前記アミン化合物(A)と前記カルシウムイオン含有水溶液(B)との混合液(AB)を調製する第一の接触工程(S3-1)、及び
前記第一の接触工程(S3-1)の後に、前記混合液(AB)と、前記排ガス(C)とを接触させる第二の接触工程(S3-2)
を含む、請求項1に記載の脱硫方法。
【請求項6】
前記生体内で合成されるアミンが、1,3-プロパンジアミン、プトレシン、カダベリン、スペルミジン、スペルミン、ノルスペルミジン、及びノルスペルミンからなる生体アミン群から選択される1種以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の脱硫方法。
【請求項7】
前記人工的に合成されるアミンが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジグリコールアミン、メチルジエタノールアミン、ピペラジン、及びエチレンジアミンからなる群から選択される1種以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の脱硫方法。
【請求項8】
前記アミン化合物(A)が、前記生体内で合成されるアミンである、請求項1~6のいずれか1項に記載の脱硫方法。
【請求項9】
前記カルシウムイオン含有水溶液(B)が、海水である、請求項1~8のいずれか1項に記載の脱硫方法。
【請求項10】
前記排ガス由来炭酸カルシウム(X)が析出した後の液相から前記アミン化合物(A)を回収し、前記工程(S)において用いる前記アミン化合物(A)の少なくとも一部として供給するアミン化合物回収・供給工程(U)をさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の脱硫方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、脱硫方法及び脱硫システムに関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
大気汚染の要因となる硫黄酸化物(以下、「SOx」ともいう)の発生を抑制する方法として、脱硫剤を用いて燃焼排ガスからSOxを除去する、乾式法及び湿式法等の各種脱硫法が提案されている。
例えば、特許文献1には、石炭を燃料とし、石灰石を脱硫剤として、燃焼装置で燃焼する、乾式炉内脱硫法に関する技術について開示されている。
また、特許文献2には、燃焼排ガスを石灰石粉末の水スラリーに接触させて燃焼排ガス中のSOxを吸収させ、石膏にして回収する、湿式石灰-石膏法に関する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平07-174471号公報
特開平04-243520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、地球温暖化の原因物質と言われている温室効果ガスの中でも、特に影響が大きいのが二酸化炭素であり、大気中の二酸化炭素濃度の増大を防止することが地球温暖化抑制手段の1つとなりうる。
そこで、上記のような脱硫法について、地球温暖化抑制の観点から、二酸化炭素の排出量を削減する新たな手法の創出が望まれる。
【0005】
本開示は、かかる要望に鑑みてなされたものであって、二酸化炭素の排出量を削減することのできる、脱硫方法及び脱硫システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、下記[1]~[4]が提供される。
[1] 炭酸カルシウムを脱硫剤として利用する脱硫方法であって、
前記脱硫剤の少なくとも一部として、前記脱硫方法を採用している施設から排出される脱硫済みの排ガス(C)中の二酸化炭素の原料として生成した排ガス由来炭酸カルシウム(X)を利用し、
前記排ガス由来炭酸カルシウム(X)は、
生体内で合成されるアミン、人工的に合成されるアミン、及びこれらアミンから誘導される基を含むポリマーからなる群から選択される1種以上のアミン化合物(A)の存在下で、カルシウムイオン含有水溶液(B)と、前記排ガス(C)中の二酸化炭素由来の炭酸イオンとを接触させる製造方法であって、前記アミン化合物(A)に起因する前記カルシウムイオン含有水溶液(B)のpH上昇を、前記排ガス(C)を利用して抑制する工程(S)を含む製造方法により製造される、脱硫方法。
[2] 炭酸カルシウムを脱硫剤として利用した脱硫方法を実施するための脱硫システムであって、
前記脱硫方法を採用している施設から排出される脱硫済みの排ガス(C)中の二酸化炭素を原料として生成した排ガス由来炭酸カルシウム(X)を製造する製造システムと、前記製造システムにより製造される前記排ガス由来炭酸カルシウム(X)を前記施設において利用される前記脱硫剤の少なくとも一部として供給する供給装置とを備え、
前記製造システムは、
生体内で合成されるアミン、人工的に合成されるアミン、及びこれらアミンから誘導される基を含むポリマーからなる群から選択される1種以上のアミン化合物(A)を含むアミン水溶液(A1)と、前記排ガス(C)とを接触させて、前記排ガス(C)中の二酸化炭素由来の炭酸イオンを含むアミン水溶液(A2)を調製する第一の接触部(P1-1)、
前記アミン水溶液(A2)と、カルシウムイオン含有水溶液(B)とを接触させて、前記排ガス由来炭酸カルシウム(X)を析出させる第二の接触部(P1-2)、及び
前記排ガス由来炭酸カルシウム(X)を回収する回収部(Q)
を備える、脱硫システム。
[3] 炭酸カルシウムを脱硫剤として利用した脱硫方法を実施するための脱硫システムであって、
前記脱硫方法を採用している施設から排出される排ガス(C)中の二酸化炭素を原料として生成した排ガス由来炭酸カルシウム(X)を製造する製造システムと、前記製造システムにより製造される前記排ガス由来炭酸カルシウム(X)を前記施設において利用される前記脱硫剤の少なくとも一部として供給する供給装置とを備え、
前記製造システムは、
生体内で合成されるアミン、人工的に合成されるアミン、及びこれらアミンから誘導される基を含むポリマーからなる群から選択される1種以上のアミン化合物(A)と、カルシウムイオン含有水溶液(B)と、前記排ガス(C)とを同時に接触させて、前記排ガス由来炭酸カルシウム(X)を析出させる接触部(P2)、及び
前記排ガス由来炭酸カルシウム(X)を回収する回収部(Q)
を備える、脱硫システム。
[4] 炭酸カルシウムを脱硫剤として利用した脱硫方法を実施するための脱硫システムであって、
前記脱硫方法を採用している施設から排出される脱硫済みの排ガス(C)中の二酸化炭素を原料として生成した排ガス由来炭酸カルシウム(X)を製造する製造システムと、前記製造システムにより製造される前記排ガス由来炭酸カルシウム(X)を前記施設において利用される前記脱硫剤の少なくとも一部として供給する供給装置とを備え、
前記製造システムは、
生体内で合成されるアミン、人工的に合成されるアミン、及びこれらアミンから誘導される基を含むポリマーからなる群から選択される1種以上のアミン化合物(A)と、カルシウムイオン含有水溶液(B)との混合液(AB)を調製する第一の接触部(P3-1)、
混合液(AB)と、前記排ガス(C)とを接触させて、前記排ガス由来炭酸カルシウム(X)を析出させる第二の接触部(P3-2)、及び
前記排ガス由来炭酸カルシウム(X)を回収する回収部(Q)、
を備える、脱硫システム。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、二酸化炭素の排出量を削減することのできる、脱硫方法及び脱硫システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施形態の脱硫システムの実施形態の一例を示す概略図である。
本実施形態の脱硫システムについて、乾式炉内脱硫法を適用した場合の実施形態の一例を示す概略図である。
本実施形態の脱硫システムについて、湿式石灰-石膏法を適用した場合の実施形態の一例を示す概略図である。
本実施形態の脱硫方法に組み込まれる第一実施形態の製造方法の一例を示す工程概略図である。
本実施形態の脱硫方法に組み込まれる第一実施形態の製造方法の好ましい態様の一例を示す工程概略図である。
本実施形態の脱硫システムに組み込まれる第一実施形態の製造システムの一例を示す概略図である。
本実施形態の脱硫システムに組み込まれる第一実施形態の製造システムについて、好ましい態様の一例を示す概略図である。
本実施形態の脱硫システムに組み込まれる第一実施形態の製造システムについて、好ましい態様の他の例を示す概略図である。
本実施形態の脱硫システムに組み込まれる第一実施形態の製造システムのさらに好ましい態様の一例を示す概略図である。
本実施形態の脱硫方法に組み込まれる第二実施形態の製造方法の一例を示す工程概略図である。
本実施形態の脱硫方法に組み込まれる第二実施形態の製造方法の好ましい態様の一例を示す工程概略図である。
本実施形態の脱硫システムに組み込まれる第二実施形態の製造システムの一例を示す概略図である。
本実施形態の脱硫システムに組み込まれる第二実施形態の製造システムについて、好ましい態様の一例を示す概略図である。
本実施形態の脱硫方法に組み込まれる第三実施形態の製造方法の一例を示す工程概略図である。
本実施形態の脱硫方法に組み込まれる第三実施形態の製造方法の好ましい態様の一例を示す工程概略図である。
本実施形態の脱硫システムに組み込まれる第三実施形態の製造システムの一例を示す概略図である。
本実施形態の脱硫システムに組み込まれる第三実施形態の製造システムについて、好ましい態様の一例を示す概略図である。
実施例において排ガス由来炭酸カルシウム(X)を製造した際の液中pHの経緯時変化を示す図である。
実施例において排ガス由来炭酸カルシウム(X)を製造した際の液中CO

濃度の経緯時変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載された数値範囲の上限値および下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、数値範囲として「A~B」及び「C~D」が記載されている場合、「A~D」及び「C~B」の数値範囲も、本開示の範囲に含まれる。
また、本明細書に記載された数値範囲「下限値~上限値」は、特に断りのない限り、下限値以上、上限値以下であることを意味する。
さらに、本明細書に記載された「アミン」及び「ポリアミン」は、特に断りのない限り、生体内で合成されるアミン及び人工的に合成されるアミンから選択されるアミンを意味する。
【0010】
[本実施形態の脱硫方法及び脱硫システム]
本実施形態の脱硫方法は、炭酸カルシウムを脱硫剤として利用する脱硫方法であって、脱硫剤の少なくとも一部として、当該脱硫方法を採用している施設から排出される脱硫済みの排ガス(C)中の二酸化炭素を原料として生成した排ガス由来炭酸カルシウム(X)を利用するようにしている。
そして、排ガス由来炭酸カルシウム(X)は、生体内で合成されるアミン、人工的に合成されるアミン、及びこれらアミンから誘導される基を含むポリマーからなる群から選択される1種以上のアミン化合物(A)の存在下で、カルシウムイオン含有水溶液(B)と、前記排ガス(C)中の二酸化炭素由来の炭酸イオンとを接触させる製造方法であって、前記アミン化合物(A)に起因する前記カルシウムイオン含有水溶液(B)のpH上昇を、前記排ガス(C)を利用して抑制する工程(S)を含む製造方法により製造される。
(【0011】以降は省略されています)

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