TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024111746
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-19
出願番号2023016430
出願日2023-02-06
発明の名称ベンゾールスクラバーの洗浄方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C10B 27/00 20060101AFI20240809BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】用いる洗浄液の温度が50℃以下であっても、十分な洗浄効果を発揮することのできるベンゾールスクラバーの洗浄方法を提供する。
【解決手段】ベンゾールスクラバー(1)は、吸収塔(2)と、外部経路(9)と、を含む。吸収塔(2)は、内部に充填層(2a)を有する。外部経路(9)は、吸収塔(2)の上部及び下部に接続され、自身と吸収塔(2)との間で脱ベンゾール吸収油(10)を循環させる。洗浄方法は、準備工程(#5)と、洗浄工程(#10)と、を備える。準備工程(#5)では、外部経路(9)で脱ベンゾール吸収油(10)の量を調整すると共に、外部経路(9)にキノリンを供給して、キノリンの濃度が25%以上の洗浄液(25)を準備する。洗浄工程(#10)では、外部経路(9)と吸収塔(2)との間で洗浄液(25)を循環させ、充填層(2a)に付着している重質タール系閉塞物を溶解する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
内部に充填層を有する吸収塔と、前記吸収塔の上部及び下部に接続され、自身と前記吸収塔との間で脱ベンゾール吸収油を循環させる外部経路と、を含み、コークス炉ガスを精製するベンゾールスクラバーの洗浄方法であって、
前記外部経路で前記脱ベンゾール吸収油の量を調整すると共に、前記外部経路にキノリンを供給して、キノリンの濃度が25%以上の洗浄液を準備する、準備工程と、
前記外部経路と前記吸収塔との間で前記洗浄液を循環させ、前記充填層に付着している重質タール系閉塞物を溶解する、洗浄工程と、を備える、ベンゾールスクラバーの洗浄方法。
続きを表示(約 96 文字)【請求項2】
請求項1に記載のベンゾールスクラバーの洗浄方法であって、
前記洗浄工程において、前記洗浄液の温度を30℃以上に保持する、ベンゾールスクラバーの洗浄方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ベンゾールスクラバーの洗浄方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
コークス炉で石炭を乾留したときに発生するコークス炉ガスは、精製された後に燃料ガスとして用いられる。コークス炉ガスを精製する設備の一つとして、ベンゾールスクラバーが知られている。ベンゾールスクラバーは、主体装置として吸収塔を備える。吸収塔の内部には、充填物で構成される充填層が配置されている。吸収塔の下部には、コークス炉ガスを吸収塔内に導入するガス導入口が設けられ、吸収塔の上部には、精製されたコークス炉ガスを吸収塔から排出するガス排出口が設けられている。また、吸収塔の上部及び下部に外部経路が接続されている。外部経路と吸収塔とで、脱ベンゾール吸収油(以下、「吸収油」とも言う。)の循環経路が形成され、吸収油は、外部経路と吸収塔との間で循環する。
【0003】
吸収塔の内部において、吸収油は、外部経路から充填層の上方に供給され、充填層の上部から下部に向かって流れ落ちる。一方、精製前のコークス炉ガスは、ガス導入口から充填層の下方に導入され、充填層の下部から上部に向かって流通する。そのため、コークス炉ガスは、吸収塔内で吸収油と向流接触する。その際、コークス炉ガス中のベンゼン類成分(以下、「粗軽油分」とも言う。)が吸収油に捕集され、これにより、コークス炉ガスが精製される。精製されたコークス炉ガスは、ガス排出口から吸収塔の外部に排出される。以下、コークス炉ガス中の粗軽油分を吸収油で捕集し、コークス炉ガスを精製することをベンゾールスクラバーの「運転」とも言う。
【0004】
粗軽油分を捕集した吸収油は、吸収塔の底に溜まる。この吸収油は、外部経路に排出される。外部経路では、吸収油に対して蒸留処理が施される。これにより、吸収油中の粗軽油分が分離されて、吸収油が再生される。再生された吸収油は、外部経路を通じて充填層の上方に戻される。このように、吸収油は循環使用される。
【0005】
ベンゾールスクラバーの運転に伴い、コークス炉ガスに含まれる重質タール系閉塞物(以下、「閉塞物」とも言う。)が充填層に徐々に付着する。閉塞物の付着量が増加するにつれて、充填層におけるコークス炉ガスの流通が妨げられ、圧力損失が上昇する。ベンゾールスクラバーの運転中、圧力損失を監視することにより、充填層の健全度及び閉塞度を把握している。圧力損失が過大になると正常な運転に支障が生じる。したがって、圧力損失が過大になる前に、充填層に付着した閉塞物を除去する必要がある。
【0006】
閉塞物を除去する方法として、充填層を構成する充填物を吸収塔の外に取り出して洗浄する方法、あるいは、新たな充填物に取り換える方法がある。これらの方法によれば、閉塞物の除去は可能であるが、ベンゾールスクラバーの運転を長期間停止する必要がある。運転の停止中、コークス炉ガスを精製することができず、生産性が低下する。また、これらの方法では、充填物の取出や配置等の工事費用もかかる。
【0007】
特許文献1には、上述した外部経路で吸収油を加熱し、加熱した吸収油を充填層の洗浄に利用する洗浄方法が開示されている。特許文献1には、例えば50~80℃までの吸収油を循環させることにより、充填物を充填塔(吸収塔)の外に取り出すことなく充填層に付着した閉塞物を溶解することができる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2008-156380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の洗浄方法では、充填層に付着した閉塞物を溶解する効果を発揮するために、吸収油を高温(例えば、50~80℃まで)に加熱する必要がある。しかしながら、ベンゾールスクラバーの通常の運転では、吸収油を80℃程度の高温に加熱することはない。そのため、ベンゾールスクラバーの耐熱性が十分でない場合がある。この場合、特許文献1に記載の洗浄方法を使用することは適切でない。また、当該洗浄方法の使用のために装置の耐熱性を確保することは、コストの上昇や設備的な負荷の増大(設備のメンテナンスの難易度の上昇等)につながる。したがって、洗浄液をそれほど加熱することなく、充填層に付着した閉塞物を溶解し、ベンゾールスクラバーを洗浄することが求められている。
【0010】
本開示の目的は、用いる洗浄液の温度が50℃以下であっても、十分な洗浄効果を発揮することのできるベンゾールスクラバーの洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

日本製鉄株式会社
鋳塊
3日前
日本製鉄株式会社
継目無鋼管
3日前
日本製鉄株式会社
継目無鋼管
3日前
日本製鉄株式会社
高炉炉底部冷却構造
3日前
日鉄環境株式会社
廃水の処理方法
4日前
日本製鉄株式会社
高炉装入物の衝撃エネルギ推定方法
4日前
日本製鉄株式会社
焼結原料の装入方法及びその装入装置
5日前
日本製鉄株式会社
キャスト編成装置、キャスト編成方法及びプログラム
9日前
日鉄環境株式会社
廃水の処理方法、及び活性汚泥用栄養剤
4日前
日本製鉄株式会社
設計支援装置、設計支援方法、および設計支援用コンピュータプログラム
3日前
日鉄環境株式会社
生物学的廃水処理性能の予測方法、及び廃水の処理方法
4日前
CYC株式会社
炭化装置
17日前
三洋化成工業株式会社
摩耗防止剤及び潤滑油組成物
4日前
株式会社トプコン
潤滑剤組成物およびグリース
9日前
本田技研工業株式会社
ガソリン製造装置
19日前
ENEOS株式会社
情報処理装置
19日前
ENEOS株式会社
情報処理装置
19日前
本田技研工業株式会社
解重合液生成システム
24日前
株式会社ニイタカ
固形燃料
3日前
JFEスチール株式会社
コークス炉の補修方法
23日前
川研ファインケミカル株式会社
摩擦低減剤及び潤滑油組成物
23日前
日本化学工業株式会社
潤滑剤
3日前
大塚化学株式会社
潤滑油添加剤および潤滑油組成物
11日前
コスモ石油株式会社
A重油組成物
23日前
コスモ石油株式会社
A重油組成物
23日前
コスモ石油ルブリカンツ株式会社
潤滑油組成物
24日前
川崎重工業株式会社
炭化水素の製造方法及び製造システム
19日前
エスケイ工業有限会社
炭化装置
16日前
コスモ石油ルブリカンツ株式会社
内燃機関用潤滑油組成物
23日前
NOKクリューバー株式会社
潤滑剤組成物
3日前
コスモ石油ルブリカンツ株式会社
油圧作動油用潤滑油組成物
24日前
コスモ石油ルブリカンツ株式会社
ガスエンジン用潤滑油組成物
23日前
コスモ石油ルブリカンツ株式会社
湿式クラッチ用潤滑油組成物
23日前
株式会社レゾナック
炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法
16日前
出光興産株式会社
金属加工油組成物
19日前
株式会社ニイタカ
固形燃料
3日前
続きを見る