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公開番号2024155485
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023070244
出願日2023-04-21
発明の名称潤滑剤組成物
出願人NOKクリューバー株式会社
代理人アインゼル・フェリックス=ラインハルト,個人
主分類C10M 169/00 20060101AFI20241024BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】金属部材同士の摺動において、高い摩擦力及び優れた耐摩耗性を示す潤滑剤組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの基油と、増ちょう剤と、少なくとも1つの摩擦調整剤を含有する潤滑剤組成物であって、前記基油が、側鎖を有するパーフルオロポリエーテル油及び合成炭化水素油の少なくとも1つを含み、前記側鎖を有するパーフルオロポリエーテル油と前記合成炭化水素油の含有量が、前記基油の総量に対して85質量%以上であり、前記増ちょう剤が、ポリテトラフルオロエチレンを含み、前記摩擦調整剤が、脂肪族ジカルボン酸の金属塩及び芳香族カルボン酸の金属塩の少なくとも1つを含み、前記摩擦調整剤の含有量が、前記増ちょう剤と前記摩擦調整剤の総量に対して3質量%以上35質量%以下である潤滑剤組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも1つの基油と、増ちょう剤と、少なくとも1つの摩擦調整剤を含有する潤滑剤組成物であって、
前記基油が、側鎖を有するパーフルオロポリエーテル油及び合成炭化水素油の少なくとも1つを含み、
前記側鎖を有するパーフルオロポリエーテル油と前記合成炭化水素油の含有量が、前記基油の総量に対して85質量%以上であり、
前記増ちょう剤が、ポリテトラフルオロエチレンを含み、
前記摩擦調整剤が、脂肪族ジカルボン酸の金属塩及び芳香族カルボン酸の金属塩の少なくとも1つを含み、
前記摩擦調整剤の含有量が、前記増ちょう剤と前記摩擦調整剤の総量に対して3質量%以上35質量%以下であることを特徴とする、前記潤滑剤組成物。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記基油が側鎖を有するパーフルオロポリエーテル油を含む、請求項1に記載の潤滑剤組成物。
【請求項3】
前記増ちょう剤がポリテトラフルオロエチレンである、請求項1又は2に記載の潤滑剤組成物。
【請求項4】
前記摩擦調整剤が脂肪族ジカルボン酸の金属塩を含む、請求項1又は2に記載の潤滑剤組成物。
【請求項5】
前記脂肪族ジカルボン酸の金属塩がセバシン酸の金属塩である、請求項4に記載の潤滑剤組成物。
【請求項6】
下記試験条件1における下記摺動試験1により測定される摩擦力が350g以上であり、下記試験条件2における下記摺動試験2により測定される摩耗痕径が0.50mm未満であることを特徴とする潤滑剤組成物。
<摺動試験1>
往復動試験機を用いて試験片に潤滑剤組成物を塗布した後、試験条件1で試験片を摺動し、6往復目の摩擦力を測定する。
<試験条件1>
上部試験片:S45C製の金属球(直径10mm)
下部試験片:S45C製の金属プレート
荷重:3.0kg
塗布量:0.12g
摺動速度 :0.5mm/秒
試験温度:25℃
摺動距離(ストローク):10mm
<摺動試験2>
SRV試験機(振動摩擦摩耗試験機)を用いて試験片に潤滑剤組成物を塗布した後、試験条件2で試験片を摺動し、摺動試験後に上部試験片の摩耗痕径を測定する。
<試験条件2>
上部試験片:SUJ2製の金属球(直径10mm)
下部試験片:SUJ2製のディスク
荷重:100N
塗布量:0.05g
周波数:50Hz
摺動振幅:1.0mm
試験温度:25℃
試験時間:30分
【請求項7】
金属部材同士の摺動部分に使用される、請求項1又は6に記載の潤滑剤組成物。
【請求項8】
トルクリミッタ用潤滑剤組成物である、請求項1又は6に記載の潤滑剤組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑剤組成物に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
ねじ、歯車、ベルト、チェーン等の動力伝達部品、転がり軸受、すべり軸受等の金属部材同士の接触が生じる部分には、これらを含む機械を長期的に且つ安定して維持するために潤滑剤が使用されている。潤滑剤には、用途や環境に応じて、低温性、耐熱性、耐荷重性、防錆性等の様々な機能が付与されおり、各種機械の長寿命化が図られている。
【0003】
例えば、機械の動作制御、破損防止等に使用されるトルクリミッタにおいては、内輪と内輪を締め付けるコイルばねの緊縛力によりトルクの伝達と遮断が行われるため、トルク伝達時は内輪とコイルばねの間で滑りが発生しないことが要求されている(特許文献1)。また、自動車部品に使用される減速装置の歯車等においても、安全性、防犯の観点から、静止時に滑りが発生しないことが要求されており、潤滑剤には高い摩擦力、優れた耐摩耗性が必要とされる。
【0004】
例えば、特許文献2には、固体潤滑剤にメラミンシアヌレートとポリテトラフルオロエチレンを用いることで、潤滑機能(動摩擦係数が低いこと)と共に静止機能(静摩擦係数が高いこと)を併せ持つ潤滑グリース組成物が得られることが開示されている。
【0005】
特許文献3には、基油として直鎖型パーフルオロポリエーテルと側鎖を有するパーフルオロポリエーテルを所定の混合比で用いることにより、低温から高温まで広い温度範囲で良好な温度特性を有し、低速、中速、高速回転における耐久性、耐スティックスリップ性及び耐摩耗性に優れた潤滑グリース組成物が得られることが開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献2においては、樹脂部材同士の摺動、又は樹脂部材と金属部材との摺動による潤滑特性については評価されているものの、金属部材間の摺動による潤滑特性については言及されていない。また、特許文献3においては、基油に含まれる直鎖型パーフルオロポリエーテルが高価であるため、コスト面で改善の余地がある。
【0007】
さらに、近年では機械部品の小型化、高性能化、軽量化、低コスト化に伴い、機械部品に用いられる部材への負荷が高くなっている。そのため、より過酷な環境下においても十分な静止機能及び耐久性を発揮する潤滑剤組成物の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平08-270675号公報
特開2009-13351号公報
特開2018-16686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、金属部材同士の摺動において、高い摩擦力及び優れた耐摩耗性を示す潤滑剤組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施態様に係る潤滑剤組成物は、少なくとも1つの基油と、増ちょう剤と、少なくとも1つの摩擦調整剤を含有する潤滑剤組成物であって、前記基油が、側鎖を有するパーフルオロポリエーテル油及び合成炭化水素油の少なくとも1つを含み、前記側鎖を有するパーフルオロポリエーテル油と前記合成炭化水素油の含有量が、前記基油の総量に対して85質量%以上であり、前記増ちょう剤が、ポリテトラフルオロエチレンを含み、前記摩擦調整剤が、脂肪族ジカルボン酸の金属塩及び芳香族カルボン酸の金属塩の少なくとも1つを含み、前記摩擦調整剤の含有量が、前記増ちょう剤と前記摩擦調整剤の総量に対して3質量%以上35質量%以下である。
(【0011】以降は省略されています)

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