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公開番号2024125474
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023033306
出願日2023-03-06
発明の名称非食用油脂組成物
出願人日清オイリオグループ株式会社
代理人
主分類C10M 101/04 20060101AFI20240911BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】本発明の課題は、植物油脂を主成分としながら、長時間低温が維持される環境においても油脂結晶の析出が抑制され、流動性も良好な油脂組成物を開発することである。
【解決手段】80質量%以上の植物油脂を含み、非食用の用途に使用される油脂組成物であって、前記油脂組成物に含まれる植物油脂の構成脂肪酸全量に占める、飽和脂肪酸の含有量が5~24質量%であり、一価不飽和脂肪酸の含有量が20~62質量%であり、多価不飽和脂肪酸の含有量が26~58質量%である、前記非食用油脂組成物。前記植物油脂が、2種以上の植物油脂の混合油脂である、前記非食用油脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
80質量%以上の植物油脂を含み、非食用の用途に使用される油脂組成物であって、
前記油脂組成物に含まれる植物油脂の構成脂肪酸全量に占める、
飽和脂肪酸の含有量が5~24質量%であり、
一価不飽和脂肪酸の含有量が20~62質量%であり、
多価不飽和脂肪酸の含有量が26~58質量%である、
前記非食用油脂組成物。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記植物油脂が、2種以上の植物油脂の混合油脂である、請求項1に記載の非食用油脂組成物。
【請求項3】
前記2種以上の植物油脂の、少なくとも1種の植物油脂の構成脂肪酸全量に占める一価不飽和脂肪酸の含有量が50質量%を超え、少なくとも1種の植物油脂の構成脂肪酸全量に占める多価不飽和脂肪酸の含有量が50質量%を超える、請求項2に記載の非食用油脂組成物。
【請求項4】
さらに、流動点降下剤および/または酸化防止剤を含む、請求項1に記載の非食用油脂組成物。
【請求項5】
油圧作動油または電気絶縁用である、請求項1~4の何れか一項に記載の非食用油脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は非食用油脂組成物、特に油圧作動用または電気絶縁用に適した非食用油脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
植物油脂の主な用途は、食用と非食用(いわゆる鉱物油代替用)に分けられる。近年、植物油脂の生分解性や安全性が見直され、植物油脂の非食用用途への使用が増えつつある。そして、植物油脂の非食用用途としては、油圧作動油、チェーン油、電気絶縁油、ゴムや樹脂の可塑剤などが挙げられる。しかし、植物油脂は、大豆油など日本農林規格(JAS)のサラダ油を満たす液状の油脂であったとしても、冬期や低温に管理された作業場など、長時間低温が維持される環境にあっては、油脂結晶が析出し、流動性が棄損されて作動性などの機能に支障をきたす。かかる不都合を解消するために、流動点降下剤が使用される。例えば、特許文献1には、植物油脂にアルキルメタクリレート系ポリマーを添加した電気絶縁油が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭61-260503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、長時間低温が維持される環境における液状植物油脂からの油脂結晶析出の抑制には、流動点降下剤の使用のみでは不十分であった。
【0005】
本発明の課題は、植物油脂を主成分としながら、長時間低温が維持される環境においても油脂結晶の析出が抑制され、流動性も良好な油脂組成物を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、植物油脂の構成脂肪酸が特定の組成に調整されることにより、長時間低温が維持される環境においても油脂結晶の析出は抑制されることが見出された。これにより、本発明は完成された。すなわち、本発明は以下の態様であり得る。
【0007】
[1]80質量%以上の植物油脂を含み、非食用の用途に使用される油脂組成物であって、
前記油脂組成物に含まれる植物油脂の構成脂肪酸全量に占める、
飽和脂肪酸の含有量が5~24質量%であり、
一価不飽和脂肪酸の含有量が20~62質量%であり、
多価不飽和脂肪酸の含有量が26~58質量%である、
前記非食用油脂組成物。
[2]前記植物油脂が、2種以上の植物油脂の混合油脂である、[1]の非食用油脂組成物。
[3]前記2種以上の植物油脂の、少なくとも1種の植物油脂の構成脂肪酸全量に占める一価不飽和脂肪酸の含有量が50質量%を超え、少なくとも1種の植物油脂の構成脂肪酸全量に占める多価不飽和脂肪酸の含有量が50質量%を超える、[2]の非食用油脂組成物。
[4]さらに、流動点降下剤および/または酸化防止剤を含む、[1]の非食用油脂組成物。
[5]油圧作動用または電気絶縁用である、[1]~[4]の何れか1つの非食用油脂組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、長時間低温が維持される環境においても油脂結晶の析出が抑制される非食用の油脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、A(数値)~B(数値)は、A以上B以下を意味する。なお、以下で例示する好ましい形態やより好ましい形態などは、「好ましい」や「より好ましい」などの表現にかかわらず適宜相互に組み合わせて使用することができる。また、数値範囲の記載は例示であって、「好ましい」や「より好ましい」などの表現にかかわらず各範囲の上限と下限並びに実施例の数値とを適宜組み合わせた範囲も好ましく使用することができる。
【0010】
本発明の非食用油脂組成物は、80質量%以上の植物油脂を含む。本発明の非食用油脂組成物に含まれる植物油脂は、植物原料由来の油脂である。植物油脂としては、例えば、パーム油、ココアバター、シア脂、サル脂、アランブラッキア脂、モーラー脂、イリッペ脂、マンゴー核油、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、オリーブ油、ヤシ油、パーム核油、などが挙げられる。また、これらを、混合、分別などの1以上の加工をした油脂(加工油脂)、などが挙げられる。植物油脂には、脱ガム、脱ロウ、脱色、脱臭、などの食用油脂製造の精製工程を適宜適用してもよい。植物油脂は、好ましくは日本農林規格の冷却試験において0℃5.5時間清澄である。植物油脂は、1種あるいは2種以上が使用されてもよい。本発明の好ましい形態の1つによれば、非食用油脂組成物に含まれる植物油脂の含有量は、好ましくは80~100質量%であり、より好ましくは85~99.99質量%であり、さらに好ましくは90~99.9質量%であり、ことさらに好ましくは95~99.5質量%である。本発明の好ましい形態の1つによれば、非食用油脂組成物は、植物油脂以外に、動物油脂、微生物油脂、鉱物油、流動点降下剤、酸化防止剤、などを含み得る。
(【0011】以降は省略されています)

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