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公開番号2024119403
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-03
出願番号2023026276
出願日2023-02-22
発明の名称森林資源の活用システム及び森林資源の活用方法
出願人個人
代理人弁理士法人平和国際特許事務所,個人
主分類C10B 53/02 20060101AFI20240827BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】 樹木に含まれる有用成分を別途抽出できるようにしてその活用を図ることができるようにし、森林資源を活用の向上を図る。
【解決手段】 森林エリアE内に植生する樹木を伐採することにより得られる比較的大径の丸太を主とする主素材Wa、比較的小径の丸太を主とする副素材Wb、及び、小枝や葉を含む雑素材Wcを活用するもので、雑素材Wcを含む燃料を燃焼させて過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置1と、過熱蒸気により主素材Waを乾燥させる乾燥装置20と、乾燥した主素材Waを製材して製材品を得る製材施設Mと、過熱蒸気により副素材Wbを炭化させて木炭を得る木炭製造装置30と、乾燥装置20及び木炭製造装置30から排出されるガスを凝縮して凝縮水にする凝縮装置40とを備えた。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
樹木が植生する森林エリア内及び/または該森林エリアの周辺に設けられ、上記森林エリア内に植生する樹木を伐採することにより得られる比較的大径の丸太を主とする主素材、上記主素材以外の比較的小径の丸太を主とする副素材、及び、上記主素材及び副素材以外の小枝や葉を含む雑素材を活用する森林資源の活用システムであって、
上記雑素材を含む燃料を燃焼させて過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と、該過熱蒸気生成装置で生成した過熱蒸気を処理物としての上記主素材に接触させて該主素材を乾燥させる乾燥装置と、該乾燥装置で乾燥した主素材を製材して製材品を得る製材施設と、上記過熱蒸気生成装置で生成した過熱蒸気を処理物としての上記副素材に接触させ該副素材を炭化させて木炭を得る木炭製造装置と、上記乾燥装置及び木炭製造装置から排出されるガスを凝縮して凝縮水にする凝縮装置とを備えたことを特徴とする森林資源の活用システム。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
上記凝縮装置は、ガスを凝縮するための熱交換用の冷却水を取り入るとともに熱交換後に上記冷却水を温水として排出する構成とし、該凝縮装置からの凝縮水及び温水を用いて発電を行うバイナリー発電装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の森林資源の活用システム。
【請求項3】
上記乾燥装置及び木炭製造装置は、夫々、行列状の多数の貫通孔を有した壁部で上開放の容器状に形成され処理物を収納する収納ケースと、該収納ケースを収容するとともに過熱蒸気を内部に注入する注入口及び内部で生成されるガスを排出する排出口を備えた密閉型の処理槽とを備えた熱処理装置で構成されることを特徴とする請求項1記載の森林資源の活用システム。
【請求項4】
上記過熱蒸気生成装置は、上記雑素材を含む燃料を燃焼する燃焼炉と、該燃焼炉で生成された燃焼ガスによって水蒸気を生成するボイラと、上記雑素材を含む燃料を燃焼する加熱炉を有するとともに上記ボイラからの排ガスの熱及び上記加熱炉で得られる熱を用いて上記ボイラの水蒸気を加熱して過熱蒸気を生成する生成機と、該生成機からの排ガスを乾燥用熱源とし上記雑素材を乾燥させる乾燥器と、上記燃焼炉及び加熱炉で生じるガスから飛灰を集塵する集塵機とを備えて構成したことを特徴とする請求項3記載の森林資源の活用システム。
【請求項5】
上記過熱蒸気生成装置で上記雑素材を含む燃料を燃焼させることにより生じる焼却灰及び飛灰を無害化する無害化装置を備え、該無害化装置を、上記焼却灰及び飛灰を収容するとともに過熱蒸気を内部に注入する注入口及び内部で生成されるガスを排出する排出口を備えた密閉型の熱分解装置で構成したことを特徴とする請求項4記載の森林資源の活用システム。
【請求項6】
上記過熱蒸気生成装置において、上記雑素材にバーク材料を加えた燃料を用い、上記バーク材料は、上記主素材を樹皮が付帯したまま上記乾燥装置で乾燥させ、その後、上記製材施設で、主素材から樹皮を剥離して得たものであることを特徴とする請求項5記載の森林資源の活用システム。
【請求項7】
上記過熱蒸気生成装置において、上記雑素材におが屑混合鶏糞を加えた燃料を用いることを特徴とする請求項6記載の森林資源の活用システム。
【請求項8】
上記乾燥装置は、予め多数の主素材の水分量の測定値から相関する乾燥温度及び乾燥時間の演算を行い、統計学的解析を用いて構築される解析モデル、または、機械学習を用いて構築される学習済みモデルからなる演算モデルを構築し、乾燥に供する主素材において、その測定した水分量と上記演算モデルとから演算された演算結果により、当該乾燥に供する主素材を所要の乾燥温度及び乾燥時間で乾燥させる制御部を備えたことを特徴とする請求項1記載の森林資源の活用システム。
【請求項9】
請求項1乃至8何れかに記載の森林資源の活用システムを用いて行う森林資源の活用方法において、上記森林エリアを、15以上の区画に区分けし、1年目に、選択された1つの区画の樹木を伐採し、この伐採した樹木により、上記主素材,副素材及び雑素材を賄い、2年目以降から1年毎に樹木を伐採する区画を順に変えて一巡させるとともに、上記樹木を伐採した区画には、樹木の伐採後少なくとも1年以内に植林することを特徴とする森林資源の活用方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、森林の樹木を有効に活用する森林資源の活用システム及び森林資源の活用方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、森林資源の活用システムとしては、例えば、特許第5615151号公報に掲載されたものが知られている。これは、樹木が植生する森林エリア内に、この森林エリア内に植生する樹木を伐採することにより得られる丸太を製材して製材品を得る製材施設を設けるとともに、製材品を得る樹木以外の細木や枝葉等をバイオマス燃料としてスターリングエンジンからなる外燃機関を用いて発電する発電設備を設け、この発電施設で発電した電力を用いて製材施設や搬送手段を稼働させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5615151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の森林資源の活用システムにおいては、製材施設で丸太を製材して製材品を得ているが、その際に、丸太の乾燥を行うことについての記述はなく、仮に、乾燥を行うとしても、自然乾燥や発電設備の電力を利用した電熱乾燥によると考えられ、その場合には、樹木に含まれる有用成分が発散して無駄になり、その活用を図ることができないという問題がある。一方、製材品を得る樹木以外の素材においても、発電用の燃料として用いるので、樹木に含まれる有用成分が全部燃焼することから、この有用成分の活用を図ることができないという問題がある。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、樹木に含まれる有用成分を別途抽出できるようにしてその活用を図ることができるようにし、森林資源の活用の向上を図った森林資源の活用システム及び森林資源の活用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明の森林資源の活用システムは、樹木が植生する森林エリア内及び/または該森林エリアの周辺に設けられ、上記森林エリア内に植生する樹木を伐採することにより得られる比較的大径の丸太を主とする主素材、上記主素材以外の比較的小径の丸太を主とする副素材、及び、上記主素材及び副素材以外の小枝や葉を含む雑素材を活用する森林資源の活用システムであって、
上記雑素材を含む燃料を燃焼させて過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と、該過熱蒸気生成装置で生成した過熱蒸気を処理物としての上記主素材に接触させて該主素材を乾燥させる乾燥装置と、該乾燥装置で乾燥した主素材を製材して製材品を得る製材施設と、上記過熱蒸気生成装置で生成した過熱蒸気を処理物としての上記副素材に接触させ該副素材を炭化させて木炭を得る木炭製造装置と、上記乾燥装置及び木炭製造装置から排出されるガスを凝縮して凝縮水にする凝縮装置とを備えた構成している。
【0007】
ここで、森林エリアとは、樹木が植生していることが条件ではあるが、必ずしも樹木が密集していなくても、そこには、草地、谷、川や道路等があって良い。樹木の種類も、スギ,マツ,ヒノキ等の針葉樹、ナラ,ブナ,クリ等の広葉樹等、樹種はどのようなものであっても良い。また、樹木としては、間伐材をはじめ、雑木や草木も含む。
【0008】
これにより、森林エリア内に植生する樹木を伐採することにより、比較的大径の丸太を主とする主素材、主素材以外の比較的小径の丸太を主とする副素材、及び、主素材及び副素材以外の小枝や葉を含む雑素材を得る。そして、過熱蒸気生成装置において、雑素材を含む燃料を燃焼させて過熱蒸気を生成し、この過熱蒸気生成装置で生成した過熱蒸気を、乾燥装置及び木炭製造装置に送給する。この場合、過熱蒸気生成装置においては、雑素材を燃焼させて熱源とするので、樹木の有効利用を図ることができる。
【0009】
そして、乾燥装置においては、処理物としての主素材を乾燥させる。この乾燥装置で乾燥した主素材は、製材施設において製材されて製材品となる。この場合、主素材は、乾燥されているので、品質の向上を図ることができる。また、主素材を製材する際には、丸太から樹皮を剥し、バーク材料とする。このバーク材料においても乾燥されているので、過熱蒸気生成装置の燃料にすることができる。更に、主素材を製材する際には、端材が出るが、この端材の全部または一部、特に比較的小さいものは過熱蒸気生成装置の燃料にすることができる。端材の比較的大きなものは、副素材とともに木炭製造装置により木炭にすることができる。更にまた、主素材を製材する際には、おが屑が出るが、このおが屑も乾燥しているので、例えば、過熱蒸気生成装置の燃料にすることができ、また、鶏舎の敷料として用いることができ、有効利用を図ることができる。
【0010】
一方、木炭製造装置においては、処理物としての副素材を炭化させて木炭を得る。この場合、上記の主素材を製材する際には、端材が出るが、この端材の比較的大きなものは、副素材とともに、木炭にすることができる。この木炭は、例えば、石炭火力発電所における大量混焼用の木質バイオマス燃料として用いることができ、活用を図ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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