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公開番号2024124354
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2024021743
出願日2024-02-16
発明の名称安水用油水分離剤、油水分離方法、及びタール付着抑制方法
出願人日鉄環境株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C10C 1/02 20060101AFI20240905BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】設備へのタールの付着を抑制することが可能であるとともにタールと安水との分離を促進することが可能であり、発泡し難く、水と混和しやすい、安水用油水分離剤を提供しようとするものである。
【解決手段】コークス炉ガスのフラッシングのために循環される安水を含有する対象液に添加される、安水用油水分離剤である。この安水用油水分離剤は、炭素数が10以上の炭化水素基を有する脂肪族第4級アンモニウム化合物を含有する。この脂肪族第4級アンモニウム化合物は、コロイド滴定法により測定される、pH9.5における前記脂肪族第4級アンモニウム化合物1g当たりの負コロイドイオン結合当量数の値が1.0meq/g以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
コークス炉ガスのフラッシングのために循環される安水を含有する対象液に添加される、安水用油水分離剤であって、
炭素数が10以上の脂肪族炭化水素基を有する脂肪族第4級アンモニウム化合物を含有し、
前記脂肪族第4級アンモニウム化合物は、コロイド滴定法により測定される、pH9.5における前記脂肪族第4級アンモニウム化合物1g当たりの負コロイドイオン結合当量数の値が、1.0meq/g以上である、安水用油水分離剤。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
さらに水を含有し、
前記安水用油水分離剤の全質量に対する前記脂肪族第4級アンモニウム化合物の含有量が、10質量%以上90質量%以下である請求項1に記載の安水用油水分離剤。
【請求項3】
前記対象液に対する前記脂肪族第4級アンモニウム化合物換算の添加量が、0.1mg/L以上1000mg/L以下である請求項1に記載の安水用油水分離剤。
【請求項4】
前記対象液は、前記コークス炉ガスを安水でフラッシングして得られた前記安水及びタールを含有する液であって、前記安水と前記タールとを分離するための設備に流入してくる前記安水及び前記タールを含有する液である、請求項1に記載の安水用油水分離剤。
【請求項5】
前記対象液は、前記コークス炉ガスを安水でフラッシングして得られた前記安水及びタールを含有する液であって、前記安水と前記タールとを分離するための設備に流入した、当該設備内の前記安水及び前記タールを含有する液である、請求項1に記載の安水用油水分離剤。
【請求項6】
前記対象液は、前記コークス炉ガスを安水でフラッシングして得られた前記安水及びタールを含有する液が、前記安水と前記タールとを分離するための設備に流入して前記タールとは分離された前記安水であって、前記設備から流出して前記フラッシングに向かう途中の前記安水である、請求項1に記載の安水用油水分離剤。
【請求項7】
さらにノニオン性界面活性剤を含有する請求項1に記載の安水用油水分離剤。
【請求項8】
前記安水用油水分離剤の全質量に対する前記ノニオン性界面活性剤の含有量が、5質量%以上65質量%以下である請求項7に記載の安水用油水分離剤。
【請求項9】
前記安水用油水分離剤中の前記脂肪族第4級アンモニウム化合物の含有量(質量%)に対する前記ノニオン性界面活性剤の含有量(質量%)の比が、0.5以上2.5以下である請求項7に記載の安水用油水分離剤。
【請求項10】
前記ノニオン性界面活性剤が、ソルビタンオレエートを含む請求項7に記載の安水用油水分離剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、安水用油水分離剤、油水分離方法、及びタール付着抑制方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
製鉄において鉄鉱石に含まれる酸化鉄を還元するために使用されるコークスは、石炭をコークス炉で乾留して製造される。石炭の乾留時に発生するガスは、コークス炉ガスと呼ばれている。コークス炉ガスは、様々な処理により、ガス中の含有成分や熱の分離、回収が行われている。
【0003】
コークス炉ガスの処理の一つとして、コークス炉ガスに安水(アンモニア水)を吹きかけて、コークス炉ガスを冷却すること(フラッシング)が行われている。コークス炉ガスのフラッシングにより、コークス炉ガスに含まれる副産物であるコールタール(以下、単に「タール」と記載する。)が、コークス炉ガスが冷却される際に凝縮され、タールを含む凝縮物が安水とともにタールデカンターに回収されている。
【0004】
タールデカンターでは、滞留、沈降分離により、安水層とタール層に分離される。タールデカンターの上層部の安水は、コークス炉ガスのフラッシングのために循環されて利用されている。また、タールデカンターの底部に堆積したタールは、取り出され、脱水工程を経て種々の工業用原料として使用されている。そのため、安水とタールとを効率よく分離するための種々の検討が行われている。
【0005】
例えば特許文献1には、コールタールに由来する油分を主体とする比重が1以上の重質油と水とがエマルジョンを形成している含水廃油から油水分離するに当り、該含水廃水に所定のアニオン系界面活性剤を添加し、エマルジョンを破壊した後、比重差を利用して水と油とを分離する油水分離法が記載されている。
【0006】
また例えば、特許文献2には、窒素原子数7~200を有するポリアルキレンイミンに対しアルキレンオキシドを付加してなる平均分子量200~600,000のポリエーテル化合物である非イオン性界面活性剤を含有してなる石炭タール水分離用乳化破壊剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開昭51-96785号公報
特開2000-230177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したタールデカンターにおいて、安水とタールの分離が不十分となり、安水とタールの混合層が形成されることがある。安水とタールの混合層が形成されると、フラッシングのために循環される安水(循環安水)中にタールが混じることとなって、循環安水中の油分や固形分の上昇によるフラッシングノズルの閉塞等の設備の汚染につながる。また、タールデカンターにおける安水層とタール層の分離が不十分となることから、タール層の水分の上昇につながる。
【0009】
本発明者らは、特許文献1及び2等に開示された事項を参考に、様々な界面活性剤を用いて、フラッシングノズル等の設備へのタールの付着を抑制すること、及びタールと安水との分離を促進してタール中の水分を低減することが可能な油水分離剤を検討した。その結果、設備へのタールの付着を抑制する効果やタール中の水分を低減する効果が十分でない界面活性剤があることがわかった。
【0010】
また、本発明者らは、上記の検討において、コークス炉ガスを循環安水でフラッシングにより処理する実際の現場での使用を考慮して、引火性による安全性をより高める観点、すなわち、引火性をより低くする観点、及び実設備におけるポンプによる送液を容易化し得る観点から、界面活性剤を水と混合して使用した。その結果、設備へのタールの付着を抑制することやタール中の水分を低減することが可能であっても、水と混合すると、水との混和性が低く、水と分離する界面活性剤があることがわかった。さらに、安水を含有する対象液に添加すると、安水の循環阻害や精留の阻害の原因となることが懸念される発泡を顕著に生じる界面活性剤があることもわかった。
(【0011】以降は省略されています)

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