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公開番号2024123972
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023031829
出願日2023-03-02
発明の名称コークス製造用改質材、コークス製造用原料、コークス、それらの製造方法、及び鉄の製造方法
出願人国立大学法人京都大学,三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C10B 57/04 20060101AFI20240905BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】化石燃料の使用量を低減できるうえ、高強度なコークスを製造できるコークス製造用改質材及びその製造方法、前記コークス製造用改質材を用いたコークス製造用原料、コークス、それらの製造方法、及び鉄の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】コークス製造用原料として、バイオマスとプラスチックとの混合物の熱分解物、または、バイオマスと原油蒸留残渣油との混合物の熱分解物であって、前記熱分解物0.5gをトルエン150mLに130℃±2℃で溶解したときのトルエン可溶分量が10質量%以上であるコークス製造用改質材を原料炭に添加したコークス製造用原料を用い、乾留することによってコークスを得る。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
バイオマスとプラスチックとの混合物の熱分解物、または、バイオマスと原油蒸留残渣油との混合物の熱分解物であって、
前記熱分解物0.5gをトルエン150mLに130℃±2℃で溶解したときのトルエン可溶分量が10質量%以上である、コークス製造用改質材。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記混合物中に、前記バイオマス100質量部に対して、前記プラスチックが100~300質量部混合されている、請求項1に記載のコークス製造用改質材。
【請求項3】
ギーセラー流動度が1~60000ddpmであり、揮発分を0.1~50.0質量%含む、請求項1に記載のコークス製造用改質材。
【請求項4】
前記混合物の総質量に対する前記熱分解物の総質量の割合が20質量%以上である、請求項1に記載のコークス製造用改質材。
【請求項5】
バイオマスとプラスチックとの混合物を熱分解すること、または、バイオマスと原油蒸留残渣油との混合物の熱分解することを含み、
前記熱分解を昇温速度3.0/min以下で行う、コークス製造用改質材の製造方法。
【請求項6】
前記熱分解を200~400℃で行う、請求項5に記載のコークス製造用改質材の製造方法。
【請求項7】
前記混合物の総質量に対する前記熱分解後の熱分解物であるコークス製造用改質材の総質量の割合が20質量%以上である、請求項5に記載のコークス製造用改質材の製造方法。
【請求項8】
原料炭と、請求項1~4のいずれか一項に記載のコークス製造用改質材とを含む、コークス製造用原料。
【請求項9】
前記原料炭100質量部に対して、前記コークス製造用改質材を0.5~30質量部含む、請求項8に記載のコークス製造用原料。
【請求項10】
請求項8に記載のコークス製造用原料の乾留物からなる、コークス。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コークス製造用改質材、コークス製造用原料、コークス、それらの製造方法、及び鉄の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
コークスは、製鉄において高炉内で鉱石類を溶融する熱源として用いられる。コークスは、熱源としてだけでなく、鉄鉱石を鉄に還元する還元剤や、高炉内でのガスの通気性と溶融物の通液性を確保するための支持材としても機能する。そのため、コークスには、高炉内の充填層に耐えて充分な空隙率を確保するための高い強度が必要である。
【0003】
コークスは、複数種の石炭を配合した原料炭をコークス炉で乾留することによって製造される(例えば特許文献1、2)。
近年、環境負荷低減のために化石燃料の消費量を減らし、CO

排出量を削減することが求められており、コークス製造用原料へのバイオマスの利用が試みられている(特許文献3)。
特許文献4には、廃プラスチックと廃木材との混合物を昇温速度3.3~5.0℃/minで350~420まで昇温して熱分解し、得られた熱分解物を原料炭とともに乾留してコークスを製造することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2010-180287号公報
特開2017-165891号公報
国際公開第2008/136369号
特開2004-168893号公報
【非特許文献】
【0005】
西端裕子,松平寛司,西村勝:石炭への廃木材添加のコークス強度におよぼす影響,CAMP-ISIJ, Vol.17, p.68 (2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、非特許文献1には、コークスの原料にバイオマスを用いると、得られるコークスの強度が著しく低下することが示されている。そのため、コークス原料にバイオマスを用いた場合、高炉内のガス通気性と溶融物通液性を確保するための充分な強度を有するコークスを得ることは困難である。
【0007】
本発明は、化石燃料の使用量を低減できるうえ、高強度なコークスを製造できるコークス製造用改質材及びその製造方法、前記コークス製造用改質材を用いたコークス製造用原料、コークス、それらの製造方法、及び鉄の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の態様を含む。
[1]バイオマスとプラスチックとの混合物の熱分解物、または、バイオマスと原油蒸留残渣油との混合物の熱分解物であって、
前記熱分解物0.5gをトルエン150mLに130℃±2℃で溶解したときのトルエン可溶分量が10質量%以上である、コークス製造用改質材。
[2]前記混合物中に、前記バイオマス100質量部に対して、前記プラスチックが100~300質量部混合されている、[1]に記載のコークス製造用改質材。
[3]ギーセラー流動度が1~60000ddpmであり、揮発分を0.1~50.0質量%含む、[1]または[2]に記載のコークス製造用改質材。
[4]前記混合物の総質量に対する前記熱分解物の総質量の割合が20質量%以上である、[1]~[3]のいずれかに記載のコークス製造用改質材。
[5]バイオマスとプラスチックとの混合物を熱分解すること、または、バイオマスと原油蒸留残渣油との混合物の熱分解することを含み、
前記熱分解を昇温速度3.0/min以下で行う、コークス製造用改質材の製造方法。
[6]前記熱分解を200~400℃で行う、[5]に記載のコークス製造用改質材の製造方法。
[7]前記混合物の総質量に対する前記熱分解後の熱分解物であるコークス製造用改質材の総質量の割合が20質量%以上である、[5]または[6]に記載のコークス製造用改質材の製造方法。
[8]原料炭と、[1]~[4]のいずれかに記載のコークス製造用改質材とを含む、コークス製造用原料。
[9]前記原料炭100質量部に対して、前記コークス製造用改質材を0.5~30質量部含む、[8]に記載のコークス製造用原料。
[10][8]または[9]に記載のコークス製造用原料の乾留物からなる、コークス。
[11][8]または[9]に記載のコークス製造用原料を乾留することを含む、コークスの製造方法。
[12][10]に記載のコークスを使用してコークス製造用原料を乾留する、[11]に記載のコークスの製造方法。
[13][10]に記載のコークスを用いた高炉で鉄を製造する、鉄の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、化石燃料の使用量を低減できるうえ、高強度なコークスを製造できるコークス製造用改質材及びその製造方法、前記コークス製造用改質材を用いたコークス製造用原料、コークス、それらの製造方法、及び鉄の製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[コークス製造用改質材]
本発明のコークス製造用改質材は、コークス製造用の原料炭に添加することにより、得られるコークスを改質するものであって、より具体的には、コークスの強度を高める改質材である。また、本発明のコークス製造用改質材は、コークス製造用の原料炭の一部を代替することができる代替材料でもある。
(【0011】以降は省略されています)

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