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公開番号
2024104732
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-05
出願番号
2023216738
出願日
2023-12-22
発明の名称
多環芳香族化合物
出願人
国立大学法人京都大学
,
エスケーマテリアルズジェイエヌシー株式会社
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C07F
5/02 20060101AFI20240729BHJP(有機化学)
要約
【課題】有機電界発光素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供する。
【解決手段】式(1)で表される構造単位の1つまたは2つ以上からなり、Xとして式(X1)または式(X2)で表される基を少なくとも1つ含む構造を有する、多環芳香族化合物;
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024104732000220.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">46</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
A~C環は置換/無置換のアリール環またはヘテロアリール環であり、その他のXは、>N-R
NX
(R
NX
はアリール等)であり、波線の位置がXのA~C環への結合位置であり、さらに*においてA~C環へ結合し、D環、E環は置換/無置換の含窒素ヘテロアリール環であり、Lはフッ素であり、少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよい。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
式(1)で表される構造単位の1つまたは2つ以上からなり、Xとして式(X1)または式(X2)で表される基を少なくとも1つ含む構造を有する、多環芳香族化合物;
TIFF
2024104732000214.tif
43
170
式(1)中、
A環、B環およびC環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
式(X1)または式(X2)で表される基以外のXはそれぞれ独立して、>N-R
NX
、>O、>C(-R
CX
)
2
、>Si(-R
IX
)
2
、>S、または>Seであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
NX
、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ連結基または単結合により、当該R
NX
、R
CX
またはR
IX
を含むXが結合する環の1つまたは2つと結合していてもよく、
式(X1)または式(X2)で表される基における波線の位置がXのA環、B環またはC環への結合位置であり、
式(X1)中、D環は置換もしくは無置換の含窒素ヘテロアリール環であり、式(X1)で表される基は当該基が結合するA環、B環またはC環と*において結合し、
式(X2)中、E環は置換もしくは無置換の含窒素ヘテロアリール環であり、(X2)で表される基はA環およびB環、またはA環およびC環とそれぞれ*において結合し、
式(X1)および式(X2)中、Lはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルケニル、置換もしくは無置換のシクロアルケニル、置換もしくは無置換のアルキニル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、置換もしくは無置換のアルコキシ、置換もしくは無置換のアルキルチオ、置換もしくは無置換のアリールオキシ、置換もしくは無置換のアリールチオ、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、ハロゲン、またはシアノであり、2つのLは互いに結合して環を形成していてもよく、
前記構造におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも1つの-CH
2
-は-O-で置き換えられていてもよく、
前記構造において、少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの窒素は窒素-15(
15
N)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの硫黄は硫黄-33(
33
S)、硫黄-34(
34
S)または硫黄-36(
36
S)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの酸素は酸素-17(
17
O)または酸素-18(
18
O)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの炭素は炭素-13(
13
C)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つのホウ素はホウ素-11(
11
B)で置き換えられていてもよい。
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
Lがフッ素である請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項3】
Xとして式(X1)で表される基を少なくとも1つ含む、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項4】
D環がピリジン環である、請求項3に記載の多環芳香族化合物。
【請求項5】
A環、B環およびC環がそれぞれ独立して置換もしくは無置換のベンゼン環である、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項6】
下記いずれかの式で表される請求項1に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024104732000215.tif
158
170
式中、tBuはt-ブチルである。
【請求項7】
下記いずれかの式で表される請求項1に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024104732000216.tif
212
170
式中、Meはメチル、tBuはt-ブチルである。
【請求項8】
下記いずれかの式で表される請求項1に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024104732000217.tif
111
170
式中、tBuはt-ブチルである。
【請求項9】
下記式で表される請求項1に記載の多環芳香族化合物。
TIFF
2024104732000218.tif
75
170
【請求項10】
請求項1に記載の多環芳香族化合物に反応性置換基が置換した反応性化合物をモノマーとして高分子化させた数平均分子量2000~1.0×10
8
の高分子化合物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多環芳香族化合物に関する。本発明はまた、上記多環芳香族化合物を用いた有機電界発光素子、有機電界効果トランジスタおよび有機薄膜太陽電池などの有機デバイス、並びに、表示装置および照明装置に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、省電力化や薄型化が可能なことから、種々研究され、さらに、有機材料から成る有機電界発光素子は、軽量化や大型化が容易なことから活発に検討されてきた。特に、光の三原色の一つである青色などの発光特性を有する有機材料の開発、および正孔、電子などの電荷輸送能(半導体や超電導体となる可能性を有する)を備えた有機材料の開発については、高分子化合物、低分子化合物を問わずこれまで活発に研究されてきた。
【0003】
有機電界発光素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、当該一対の電極間に配置され、有機化合物を含む一層または複数の層とからなる構造を有する。有機化合物を含む層には、発光層や、正孔、電子などの電荷を輸送または注入する電荷輸送/注入層などがあるが、これらの層に適当な種々の有機材料が開発されている。
【0004】
その中で、特許文献1、2では、ホウ素を含有する多環芳香族化合物が、有機電界発光素子等の材料として有用であることが開示されている。特許文献2には、多環構造中に>NHを有する多環芳香族化合物が開示されており、この多環芳香族化合物を様々なアリールやヘテロアリールを有する化合物を製造するための合成中間体として使用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/102118号
特開2021-095341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、有機EL素子に用いられる材料としては種々の材料が開発されているが、有機EL素子用材料の選択肢を増やすために、従来とは異なる化合物からなる材料の開発が望まれている。
本発明は有機EL素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討し、特許文献1、2に記載の化合物と同様にホウ素を含有する多環芳香族化合物において、特定の部分構造を導入することにより、高効率で色純度の高い有機EL素子の製造が可能であることを見出した。そしてこの知見に基づき、さらに検討を重ねて、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のような多環芳香族化合物、さらには以下のような多環芳香族化合物を含む有機デバイス用材料等を提供する。
【0008】
<1> 式(1)で表される構造単位の1つまたは2つ以上からなり、Xとして式(X1)または式(X2)で表される基を少なくとも1つ含む構造を有する、多環芳香族化合物;
TIFF
2024104732000001.tif
46
170
【0009】
式(1)中、
A環、B環およびC環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
式(X1)または式(X2)で表される基以外のXはそれぞれ独立して、>N-R
NX
、>O、>C(-R
CX
)
2
、>Si(-R
IX
)
2
、>S、または>Seであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
NX
、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ連結基または単結合により、当該R
NX
、R
CX
またはR
IX
を含むXが結合する環の1つまたは2つと結合していてもよく、
式(X1)または式(X2)で表される基における波線の位置がXのA環、B環またはC環への結合位置であり、
式(X1)中、D環は置換もしくは無置換の含窒素ヘテロアリール環であり、式(X1)で表される基は当該基が結合するA環、B環またはC環と*において結合し、
式(X2)中、E環は置換もしくは無置換の含窒素ヘテロアリール環であり、(X2)で表される基はA環およびB環、またはA環およびC環とそれぞれ*において結合し、
式(X1)および式(X2)中、Lはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルケニル、置換もしくは無置換のシクロアルケニル、置換もしくは無置換のアルキニル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、置換もしくは無置換のアルコキシ、置換もしくは無置換のアルキルチオ、置換もしくは無置換のアリールオキシ、置換もしくは無置換のアリールチオ、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、ハロゲン、またはシアノであり、2つのLは互いに結合して環を形成していてもよく、
上記構造におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも1つの-CH
2
-は-O-で置き換えられていてもよく、
上記構造において、少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの窒素は窒素-15(
15
N)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの硫黄は硫黄-33(
33
S)、硫黄-34(
34
S)または硫黄-36(
36
S)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの酸素は酸素-17(
17
O)または酸素-18(
18
O)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの炭素は炭素-13(
13
C)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つのホウ素はホウ素-11(
11
B)で置き換えられていてもよい。
【0010】
<2> Lがフッ素である<1>に記載の多環芳香族化合物。
<3> Xとして式(X1)で表される基を少なくとも1つ含む、<1>または<2>に記載の多環芳香族化合物。
<4> D環がピリジン環である、<3>に記載の多環芳香族化合物。
<5> A環、B環およびC環がそれぞれ独立して置換もしくは無置換のベンゼン環である、<1>~<4>のいずれかに記載の多環芳香族化合物。
(【0011】以降は省略されています)
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