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公開番号2024151400
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023064658
出願日2023-04-12
発明の名称亜鉛負極二次電池の正極において導電助剤として用いられる、親水化カーボンブラック水性分散体、及び、亜鉛負極二次電池
出願人国立大学法人京都大学
代理人個人
主分類H01M 4/26 20060101AFI20241018BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】水系電解質を用いる亜鉛負極二次電池の正極用導電助剤を提供する。
【解決手段】固形分である親水化カーボンブラックが水中に分散している、親水化カーボンブラック水性分散体を、亜鉛負極二次電池の正極において導電助剤として用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
固形分である親水化カーボンブラックが水中に分散している、親水化カーボンブラック水性分散体であって、亜鉛負極二次電池の正極において導電助剤として用いられる、親水化カーボンブラック水性分散体。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
請求項1に記載の親水化カーボンブラック水性分散体であって、固形分濃度が3質量%~25質量%である、親水化カーボンブラック水性分散体。
【請求項3】
請求項1に記載の親水化カーボンブラック水性分散体であって、水中に分散した状態で親水化カーボンブラックのアグロメレートの平均粒径が70nm~200nmである、親水化カーボンブラック水性分散体。
【請求項4】
請求項1に記載の親水化カーボンブラック水性分散体であって、前記親水化カーボンブラックは、NaOHに浸漬した後HClで中和滴定した場合に検出される全酸性官能基量が0.5mmol/g以上1.00mmol/g以下であり、Na

CO

に浸漬した後HCl中和で滴定した場合に検出される酸性官能基量が0.1mmol/g以上0.30mmol/g以下であり、かつ、NaHCO

に浸漬した後HClで中和滴定した場合に酸性官能基量が0.05mmol/g以上0.20mmol/g以下である、親水化カーボンブラック水性分散体。
【請求項5】
請求項1に記載の親水化カーボンブラック水性分散体であって、pHが6.0~9.0である、親水化カーボンブラック水性分散体。
【請求項6】
正極活物質と、導電助剤として、請求項1~5のいずれか1項に記載の親水化カーボンブラックとを含む正極と、亜鉛負極と、水系電解質とを備えた、亜鉛負極二次電池。
【請求項7】
請求項6に記載の亜鉛負極二次電池であって、
前記正極活物質は、活性炭である、亜鉛負極二次電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、亜鉛負極二次電池の正極において導電助剤として用いられる、親水化カーボンブラック水性分散体、及び、亜鉛負極二次電池に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化、薄型化、軽量化が進む中、電子機器の電源用やバックアップ用の電池として、高エネルギー密度で充電でき、高効率で放電できる二次電池が開発されている。二次電池は、電気自動車の動力源や、分散型の電力貯蔵用電池としての開発も行われている。二次電池として、現状、最も普及しているリチウムイオン二次電池は、有機電解液が使用されるため、電池が短絡した場合に、発煙、発火、爆発の危険性がある。これに対して、水系電解質を用いた二次電池は、その安全性と環境負荷が少ないことから幅広い分野での利用が期待されている。特に電気自動車用途などでは発火の危険性を無くすため、有機電解質に代わる水系電解質を用いる二次電池が必要不可欠である。水系電解質を用いる二次電池としては、亜鉛負極二次電池の重要性が高い。とりわけ、正極に炭素材料を用いた亜鉛―炭素電池は、軽量かつ低コストになるため、注目されている。正負極にそれぞれ炭素、亜鉛を用いた最近の二次電池の報告としては、非特許文献1が知られている。非特許文献1によれば、活性炭クロスを用いた炭素正極で硫酸亜鉛および過塩素酸亜鉛の電解系を用いた場合の容量はそれぞれ34、50Ah/kgである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
J. Eskusson et. al., Journal of the Electrochemical Society, 2022 169 020512
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
亜鉛負極電池の高容量化には、活性炭などの高比表面積炭素材を用いることが望ましい。しかし、活性炭は導電性が乏しく、適切な導電助剤の配合が不可欠である。
【0005】
有機電解液を用いたリチウムイオン二次電池では、導電助剤として、カーボンブラックが用いられている。しかしながら、カーボンブラックは疎水性であり水に対する濡れ性が低いために水中に高濃度で安定して分散させることは困難である。これは水分子等の水性媒体との親和性が高い親水性官能基、例えばカルボキシ基やヒドロキシル基等の酸性水酸基のカーボンブラック表面における存在量が極めて少ないことに起因する。それゆえ、カーボンブラックを高分散したスラリーを作成することが困難であるという欠点を有している。分散性が悪いと、高い導電性が得られず、電極活物質の本来の特性を発揮できなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示においては、亜鉛負極二次電池の正極に用いる導電助剤として、親水化カーボンブラック水性分散体を用いる。親水化カーボンブラック水性分散体においては、固形分である親水化カーボンブラックが水中に分散している。
【0007】
親水化カーボンブラック水性分散体においては、固形分濃度は、3質量%~25質量%であってもよい。
【0008】
親水化カーボンブラック水性分散体において、水中に分散した状態で親水化カーボンブラックのアグロメレートの平均粒径が70nm~200nmであってもよい。
【0009】
親水化カーボンブラックは、NaOHに浸漬した後HClで中和滴定した場合に検出される全酸性官能基量が0.5mmol/g以上1.00mmol/g以下であり、Na

CO

に浸漬した後HCl中和で滴定した場合に検出される酸性官能基量が0.1mmol/g以上0.30mmol/g以下であり、かつ、NaHCO

に浸漬した後HClで中和滴定した場合に酸性官能基量が0.05mmol/g以上0.20mmol/g以下であってもよい。
【0010】
親水化カーボンブラック水性分散体のpHが6.0~9.0であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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