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公開番号
2025096227
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-26
出願番号
2024218301
出願日
2024-12-13
発明の名称
多環芳香族化合物及び有機電界発光素子
出願人
エスケーマテリアルズジェイエヌシー株式会社
,
国立大学法人京都大学
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C07F
5/02 20060101AFI20250619BHJP(有機化学)
要約
【課題】有機EL素子のための多環芳香族化合物。
【解決手段】式(1)で表される多環芳香族化合物は、例えば、有機EL素子の発光層において、前記多環芳香族化合物の最低励起三重項エネルギー準位より少なくとも0.01eV高い最低励起三重項エネルギー準位を有する高T1化合物とともに使用され、高い外部量子効率を示す:
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A~E環は、アリール環、またはヘテロアリール環であり、A~E環の少なくとも1つは単環のヘテロアリール環であり、A~E環の少なくとも1つは置換基として式(2)の基を有し、Lは単結合、Oなどであり、*はアリール環またはヘテロアリール環との結合位置を表し、F環はアリール環またはヘテロアリール環であり、Rはアリール環、テロアリール環、アルキルなどである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1)で表される多環芳香族化合物:
JPEG
2025096227000207.jpg
42
170
A環、B環、C環、D環、及びE環は、独立して置換もしくは無置換のアリール環、または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
ただし、A環、B環、C環、D環、及びE環のうち少なくとも1つは、置換もしくは無置換の単環のヘテロアリール環であり、
ただし、A環、B環、C環、D環、及びE環のうち少なくとも1つは、置換基として式(2)で表される基を有し、
Lは、それぞれ独立して単結合、>O、>N-R
NX
、>C(-R
CX
)
2
、-C(-R
CX
)=C(-R
CX
)-、>Si(-R
IX
)
2
、>S、>CO、>CS、>SO、>SO
2
、>SeO、>SeO
2
、>PO、>B(-R
PX
)、または>Seであり、
R
NX
、R
CX
、R
IX
、及びR
PX
は、それぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、前記2つのR
CX
は互いに結合して環を形成してもよく、前記2つのR
IX
は互いに結合して環を形成してもよく、
前記構造において、アリール環及びヘテロアリール環からなる群から選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンに縮合してもよく、前記シクロアルカンは、少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、前記シクロアルカンのうち少なくとも1つの-CH
2
-は、-O-で置換されていてもよく、
式(2)において、
*は、アリール環またはヘテロアリール環との結合位置を表し、
F環は、置換もしくは無置換のアリール環、または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
Rは、置換もしくは無置換のアリール環、置換もしくは無置換のヘテロアリール環、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、
式(1)及び式(2)において、少なくとも1つの水素は重水素、シアノまたはハロゲンで置換されていてもよく、少なくとも1つの窒素は窒素-15(
15
N)、少なくとも1つの硫黄は硫黄-33(
33
S)、硫黄-34(
34
S)、または硫黄-36(
36
S)、少なくとも1つの酸素は酸素-17(
17
O)、または酸素-18(
18
O)、少なくとも1つの炭素は炭素-13(
13
C)、少なくとも1つのホウ素はホウ素-11(
11
B)で置換されていてもよい。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
式(1)は、下記式(1’)で表される、請求項1に記載の多環芳香族化合物:
JPEG
2025096227000208.jpg
41
170
式(1’)において、
Lは、式(1)におけるLの定義と同じであり、
Zは、独立して-C(-R
ZE
)=または-N=であり、ただし、Zのうち少なくとも1つは-N=であり、
R
ZE
は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1~炭素数10のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3~炭素数30のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6~炭素数30のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数2~炭素数30のヘテロアリール基、及び式(2’)で表される基からなる群から選択され、ただし、隣接する原子に置換された置換基は互いに結合して環を形成してもよく、
ただし、R
ZE
のうち少なくとも1つは式(2’)で表される基を有し、
式(2’)において、
Rは、式(2)におけるRの定義と同じであり、*は、R
ZE
との結合位置を表す。
【請求項3】
Rは、置換もしくは無置換のアリール環、置換もしくは無置換のヘテロアリール環、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、請求項2に記載の多環芳香族化合物。
【請求項4】
式(1’)は、下記化学式(1’-1)~化学式(1’-7)のうちいずれか1つで表される、請求項2に記載の多環芳香族化合物:
JPEG
2025096227000209.jpg
161
170
化学式(1’-1)~化学式(1’-7)において、
Lは、式(1)におけるLの定義と同じであり、
少なくとも一つの環は置換基として式(2)で表される基を有する。
【請求項5】
式(1’)は、下記式(1”)で表される、請求項2に記載の多環芳香族化合物:
JPEG
2025096227000210.jpg
37
170
式(1”)において、
Zは、式(1’)における定義と同じである。
【請求項6】
式(1”)は、下記化学式(1”-1)~化学式(1”-7)のうちいずれか1つで表される、請求項5に記載の多環芳香族化合物:
JPEG
2025096227000211.jpg
162
170
化学式(1”-1)~化学式(1”-7)において、
少なくとも一つの環は置換基として式(2)で表される基を有する。
【請求項7】
式(1”)は、下記化学式(1”-1)~化学式(1”-4)、化学式(1”-6)及び化学式(1”-7)のうちいずれか1つで表される、請求項5に記載の多環芳香族化合物:
JPEG
2025096227000212.jpg
109
170
化学式(1”-1)~化学式(1”-4)、化学式(1”-6)及び化学式(1”-7)において、
少なくとも一つの環は置換基として式(2)で表される基を有する。
【請求項8】
式(2)は、下記化学式(2-1)~化学式(2-7)のうちいずれか1つで表される、請求項1に記載の多環芳香族化合物:
JPEG
2025096227000213.jpg
117
170
化学式(2-1)~化学式(2-7)において、*は、アリール環またはヘテロアリール環との結合位置を表す。
【請求項9】
式(1)は、下記化学式のうちいずれか1つで表される、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
JPEG
2025096227000214.jpg
169
170
JPEG
2025096227000215.jpg
180
170
【請求項10】
正極及び負極からなる一対の電極;及び
前記一対の電極間に配置される有機層を含み、
前記有機層は、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の多環芳香族化合物を含む、有機電界発光素子。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多環芳香族化合物に関する。本発明は、また、前記多環芳香族化合物を含む有機デバイス用材料、有機電界発光素子、並びに表示装置及び照明装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、省電力化や薄型化が可能であることから頻繁に研究が行われており、さらに、有機材料からなる有機電界発光素子(本明細書において「有機EL素子」または単に「素子」と表記する場合がある)は、軽量化や大型化が容易であることから活発に検討されてきた。特に、光の三原色の一つである青や緑などの発光特性を有する有機材料の開発、及び正孔、電子などの電荷輸送能力(半導体や超伝導体になる可能性を有する)を備えた有機材料の開発については、高分子化合物、低分子化合物を問わず、これまで活発に研究されてきた。
【0003】
有機EL素子は、正極及び負極からなる一対の電極と、該一対の電極間に配置され、有機化合物を含む一層または複数の層からなる構造を有する。有機化合物を含む層(本明細書において「有機層」という場合がある)には、発光層や、正孔、電子などの電荷を輸送または注入する電荷輸送/注入層などがあり、これらの層に適した様々な有機材料が開発されている。
【0004】
中でも、特許文献1では、芳香族環をホウ素、リン、酸素、窒素、硫黄などのヘテロ元素で連結した多環芳香族化合物が、有機電界発光素子などの材料として有用であることが開示されている。この多環芳香族化合物は、大きなHOMO-LUMOギャップ及び高い最低励起三重項エネルギー準位(ET)を有すると同時に、熱活性型遅延蛍光を示すため、特に有機電界発光素子の蛍光材料として有用であることが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/102118号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、有機EL素子に使用される材料としては、様々な材料が開発されているが、有機EL素子用材料の選択肢を増やすために、従来とは異なる化合物からなる材料の開発が期待されている。本発明は、有機EL素子などの有機デバイス用材料として有用な新規材料を提供することを課題とする。
【0007】
本発明は、また、新しい材料の組み合わせを用いた有機電界発光素子を提供することを課題とする。本発明は、特に、高い外部量子効率を有する有機EL素子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、芳香族環をホウ素、リン、酸素、窒素、硫黄などのヘテロ元素で連結した多環芳香族化合物として新しい化合物の製造に成功した。また、この多環芳香族化合物を含有する層を一対の電極間に配置して有機EL素子を構成することにより、優れた有機EL素子が得られることを見いだし、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下のような多環芳香族化合物、及び以下のような多環芳香族化合物を含む有機デバイス用材料などを提供する。
【0009】
<1>下記式(1)で表される多環芳香族化合物:
JPEG
2025096227000002.jpg
42
170
【0010】
前記式(1)において、
前記A環、B環、C環、D環、及びE環は、独立して置換もしくは無置換のアリール環、または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
ただし、A環、B環、C環、D環、及びE環のうち少なくとも1つは、置換もしくは無置換の単環のヘテロアリール環であり、
ただし、A環、B環、C環、D環、及びE環のうち少なくとも1つは、置換基として前記式(2)で表される基を有し、
Lは、それぞれ独立して単結合、>O、>N-R
NX
、>C(-R
CX
)
2
、-C(-R
CX
)=C(-R
CX
)-、>Si(-R
IX
)
2
、>S、>CO、>CS、>SO、>SO
2
、>SeO、>SeO
2
、>PO、>B(-R
PX
)、または>Seであり、
R
NX
、R
CX
、R
IX
及びR
PX
は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、前記2つのR
CX
は、互いに結合して環を形成してもよく、前記2つのR
IX
は、互いに結合して環を形成してもよく、
前記構造において、アリール環及びヘテロアリール環からなる群から選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンに縮合してもよく、前記シクロアルカンは、少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、前記シクロアルカンのうち少なくとも1つの-CH
2
-は、-O-で置換されていてもよく、
式(2)において、
*は、アリール環またはヘテロアリール環との結合位置を表し、
F環は、置換もしくは無置換のアリール環、または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
Rは、置換もしくは無置換のアリール環、置換もしくは無置換のヘテロアリール環、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、
式(1)及び式(2)において、少なくとも1つの水素は重水素、シアノまたはハロゲンで置換されていてもよく、少なくとも1つの窒素は窒素-15(
15
N)、少なくとも1つの硫黄は硫黄-33(
33
S)、硫黄-34(
34
S)、または硫黄-36(
36
S)、少なくとも1つの酸素は酸素-17(
17
O)、または酸素-18(
18
O)、少なくとも1つの炭素は炭素-13(
13
C)、少なくとも1つのホウ素はホウ素-11(
11
B)で置換されてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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